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痴漢で検挙-よくあるご質問
Q1:痴漢はどのような犯罪になるのでしょうか?
各都道府県の迷惑防止条例違反になります。下着の中に手を入れるなど悪質な場合は、強制わいせつ罪(懲役6ヶ月~10年)になります。
Q2-1:昨日、電車の中で痴漢をしてしまいました。被害者に腕をつかまれ、警察署に連行されました。警察署で「迷惑防止条例違反」と言われ、痴漢をした旨の上申書を作成し、その日のうちに自宅に帰されました。前科・前歴はありません。これからどうなるのでしょうか?非常に不安です。
検挙された上で自宅に帰されていますので後日逮捕されることはまずありません。処分については、被害者の方と示談すれば不起訴処分になる可能性が極めて高いです。
Q2-2:不起訴処分とは何ですか?
刑事裁判にはしないということです。裁判にならないので前科がつくこともありません。
Q2-3:示談すれば確実に不起訴になるのでしょうか?
起訴前に示談を締結すれば、極めて高い可能性で不起訴になります。なお、ウェルネスでこれまで扱った200件近くの痴漢事件のうち、初犯の方で示談が成立して不起訴にならなかったケースは1件もありません。
Q2-4:被害者と示談をせずに放置した場合、最終的にどのような処分が下されるのでしょうか?
初犯の方であれば、迷惑防止条例違反で罰金30万円前後となるでしょう。罰金であっても前科がつくことになります。既に痴漢の罰金前科があれば、公判請求される可能性が高くなります。
Q3-1:今朝、主人が痴漢で逮捕されました。家族が逮捕されるなんて初めてのことで動揺しています。まず何をすればよいですか?
早期釈放に向けた活動を行います。
Q3-2:具体的に何をすればよいのですか?
弁護士が検察官や裁判官に対して、勾留すべき事案ではないことを説明し、釈放を申し入れます。
具体的には以下のことを主張します。
①本人の身元が安定しており逃亡の危険性がないこと
②勾留された場合の不利益が大きいこと
③本人が被害者と接触しないこと
④(可能であれば)刑事処分が出るまでの間、事件が発生した路線の電車には乗らないこと
⑤釈放後に捜査機関から出頭要請があった場合、出頭すること
また、これらの裏付けとなる資料(本人作成の誓約書、家族作成の身元引受書など)を提出します。
Q4:ウェルネス法律事務所では痴漢事件をどれくらい取り扱っていますか?
痴漢事件は年間数十件取り扱っております。単一の事務所ではかなり多い方だと思います。電車内の痴漢(起訴前の事件)に限っていえば、2020年10月時点で200件近く取り扱っております。ほとんどのケースで不起訴を獲得しています。
Q5:痴漢をしてしまい在宅で警察の取調べを受けています。痴漢をしたことは事実ですし警察にも認めています。前科があれば、被害者と示談しても起訴されますか?私には、痴漢の罰金前科が2件あります。いずれも10年以上前の前科です。
同種の前科があれば、初犯のケースに比べ、起訴される可能性が高くなることは否めません。ただし、前科がついてから10年以上たっていれば、被害者と示談できれば不起訴処分となる余地も十分にあります。ウェルネスでも同様の事例で不起訴処分を獲得しています。
Q6:ウェルネスに痴漢事件の弁護を依頼した場合、弁護士費用はどれくらいですか?痴漢したことは認めています。
初犯の方でご依頼時に逮捕されていなければ、総額40万円です(着手金20万円、報酬金20万円:税別・諸費用込み)。
前科がある方でも不起訴で終了すれば、総額40万円(税別・諸費用込み)です。逮捕・勾留されていれば、総額50万円(税別・諸費用込み)となる可能性が高いです。
Q7-1:痴漢事件で本人が否認している場合、なかなか釈放されないというのは本当ですか?
最近では、痴漢を否認している場合でも比較的早期に釈放されるケースが増えてきました。とはいえ、痴漢を否認しているケースでは自白しているケースより身柄拘束が長期化することが多いです。
Q7-2:「自分の手が相手女性のお尻に触れていたことは事実だが、満員電車で手を動かすことができなかっただけであり、痴漢をするつもりはなかった。」という主張は、自白していることになるのでしょうか?
客観的な事実は認めていますが、痴漢の故意を否認していますので、全体として見た場合、自白していることにはなりません。
Q8:痴漢事件では警察でどのような捜査が行われますか?
電車内での痴漢事件を例に挙げると以下のような捜査が行われます。ご本人が対応する必要があるのは灰色の網掛け部分です。
捜査の内容 | 捜査の結果として作成される証拠書類 |
痴漢の被疑者から事情を聴きます。 | 供述調書 |
痴漢の被害者から事情を聴きます。 | 供述調書 |
被害者が被疑者を痴漢の犯人であると判断し取り押さえた状況を、刑事が聴き取り、書面にします。 | 現行犯人逮捕手続書 |
被害者に痴漢を受けた状況を再現してもらいます。 | 被害再現写真撮影報告書 |
マネキン等を使用して被疑者に痴漢の状況を再現してもらいます。 | 犯行再現写真撮影報告書 |
被疑者の手の平と甲に粘着テープを貼りつけ、そのテープから被害者の下着やスカートの繊維が検出されるか否かを、科学捜査研究所の職員に鑑定させます。 | 鑑定嘱託書、鑑定書 |
被疑者・被害者の身長、床面から被疑者の手指までの高さ等を測定します | 身体等測定結果報告書 |
鉄道会社の職員に、駅と駅の間の所要時間、犯行時間帯の乗車率などを確認します。 | 電車運行状況報告書 |
被疑者の前科・前歴を調べます。 | 前科調書、犯罪歴照会結果回答書 |
被疑者の本籍地から戸籍謄本を取り寄せます。 | 戸籍謄本 |
Q9:警察ではどのような部署が痴漢事件を担当するのでしょうか?
一般的には以下のようになります。
①迷惑防止条例違反に該当する痴漢事件…生活安全課保安係
②強制わいせつに該当する痴漢事件…刑事課強行犯係
Q10:痴漢事件で取調べを受ける際、一般的にどのようなことを聞かれるのでしょうか?
次のようなことを聞かれます。
・当日電車に乗るまでの行動
・電車に乗る際の状況
・電車内の混雑状況
・周囲の乗客との位置関係
・女性との接触状況
・検挙された後の女性や駅員とのやりとり
・自宅に痴漢を題材にしたアダルトDVD等があるか
・妻・恋人との関係
・余罪の有無・内容
Q11:1か月前に痴漢で逮捕され、その2日後に釈放されました。痴漢したことは認めています。釈放される前、検事さんから、「何かあればこちらから連絡する。」と言われましたが、現在まで連絡はありません。もう事件は終わったと考えてよいのでしょうか?
釈放されたからといって事件が終わったわけではありません。在宅事件として捜査が進められ、検察官があなたを起訴するか不起訴にするのかを決めることになります。今後、検察官から呼出しがあり取調べを受けることになるでしょう。その時までに示談を成立させていなければ、そのまま(略式)起訴されてしまう可能性が髙くなります。
Q12-1:児童に痴漢をした場合、どのような犯罪が成立しますか?
13歳未満の児童に痴漢行為をした場合は、態様がそれほど悪質ではなくても、強制わいせつ罪が成立する可能性が高くなります。
Q12-2:迷惑防止条例違反ではないのですか?
13歳以上の男女に対しては、暴行・脅迫を用いてわいせつな行為をした場合に強制わいせつ罪が成立します。単にわいせつな行為をしただけでは強制わいせつ罪は成立しません。そのため、痴漢においては、下着の中に手を入れるなど「暴行」が認定できる場合のみ、強制わいせつ罪が成立することになります。
これに対して、13歳未満の男女に対しては、わいせつな行為をしただけで強制わいせつ罪が成立します。暴行・脅迫を用いる必要はありません。そのため、13歳未満の児童に痴漢行為をした場合、態様が悪質でなくても強制わいせつ罪が成立する可能性が高くなります。
Q12-3:13歳以上であると思って痴漢をしたが、実際は13歳未満だった場合、態様が悪質でなくても強制わいせつ罪は成立しますか?
13歳未満であることの認識がなければ強制わいせつ罪は成立しません。もっとも、ランドセルを背負っていたなど誰が見ても13歳未満とわかる場合は、「13歳未満とは思わなかった」と言っても通用しないでしょう。
Q13:男性に痴漢した場合も犯罪になりますか?
はい。迷惑防止条例も強制わいせつ罪も対象を女性に限定していません。
Q14:私は先日、小田急線相模大野駅から町田駅までの区間において、継続的に痴漢をしてしまいました。痴漢をした区間が神奈川県(相模原市)と東京都(町田市)の2つの都県にまたがっているため、起訴されれば刑罰も神奈川県の刑罰と東京都の刑罰を合計したものになるのでしょうか?ちなみに今回以外に痴漢をしたことはありません。
合計したものにはなりません。このようなケースでは、刑罰は重い方の条例に基づき決定されます。東京都の迷惑防止条例では、常習性のない痴漢は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
一方、神奈川県の迷惑防止条例では、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。したがって、起訴された場合、刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金の範囲内で決まります。
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