その他刑事事件の解決事例

銃刀法違反の解決事例

事案の概要

ご本人(40代男性、会社員)が正当な理由なく店舗内で包丁を携帯したとして逮捕された事件。ご本人は重度の躁うつ病に罹患しており、躁状態のときに事件を起こしてしまいました。

 

 

弁護活動

ご本人は事件を起こしたことを全く覚えていませんでした。奥様からご依頼を受けた後、すぐにかかりつけの病院にカルテの開示請求を行い、主治医に意見書を作成してもらいました。弁護士がこれらの資料をもとに、検察官に対して、ご本人には責任能力がなく不起訴処分とするよう求めました。

 

 

検察官からは入院先を確保すれば不起訴とする旨の示唆がありました。これを受けて、弁護士が主治医と連携して入院先を手配し不起訴処分を獲得しました。

 

 

弁護士のコメント

医療機関と連携することによって早期の釈放が可能となりました。早期に解決したため、休職中の勤務先に事件について知られることもありませんでした。

 

ご家族の直筆メッセージ

 

 

殺人の解決事例

事案の概要

ご本人(60代男性・無職)が、同居人が部屋の中でナイフが刺さった状態でぐったりしているところを発見しました。ご本人はすぐに119番通報しましたが、同居人は間もなく亡くなりました。その後、ご本人は、警察から同居人を殺害したと疑われ、警視庁捜査1課の刑事から取調べを受けていました。

 

 

弁護活動

受任した時点で、ご本人は、ほぼ毎日、警察の車で自宅から警察署に連行され、長時間の取調べを受けていました。

 

 

弁護士が、取調官に対して、長時間の取調べを行わないことや、本人が休憩や帰宅を申し出た場合はそれに従うよう要請しました。また、不当な取調べを防ぐため、弁護士が、警察署長に対して、取調べの全過程をビデオ録画するよう要請しました。

 

 

こうした活動により、連日の取調べや長時間の取調べはなくなりました。

 

 

取調べの対応については、弁護士がご本人に黙秘するようアドバイスし、弁護士が刑事の役になり、実際の取調べを想定したリハーサルを行いました。ご本人が最後まで黙秘を貫いた結果、逮捕されることなく警察限りで捜査が終了しました。

 

 

弁護士のコメント

ご本人は、当初より一貫して、自分が犯人ではないと主張していました。もし殺人罪で逮捕・起訴されれば、たとえ無罪判決を獲得しても、裁判まで長期にわたって勾留されることになります。

 

 

さらに、マスコミによって実名報道され、その後の日常生活に多大な支障が生じてしまいます。本件では在宅の取調べのみで事件が終了したため、逮捕されることも報道されることもありませんでした。

 

 

現住建造物放火未遂の解決事例

事案の概要

ご本人(30代男性、無職)が友人と共謀して住宅の玄関脇の板壁にオイルようの液体をふりかけ、ライターようの物で点火したとして逮捕・勾留された事件。

 

 

弁護活動

当初、ご本人は非常に動揺していましたが、その一方で、「やっていない」という発言は一貫しており、どこにも矛盾点はありませんでした。否認事件の場合、黙秘することが一般的ですが、ご本人の終始ぶれない態度を見て、取調官にも自分の立場を積極的に説明するようアドバイスしました。

 

 

自白調書をとられないよう弁護士が連日接見し、否認した場合に予想される取調官の対応(「共犯者は自白している」といって揺さぶりをかけてくる等)についても詳しく説明しました。このような活動の結果、ご本人は処分保留で釈放され、その後不起訴になりました。

 

 

弁護士のコメント

未遂とはいえ現住建造物放火は重大犯罪です。ご本人には前科もあったことから起訴されれば実刑判決も十分に考えられる事案でした。最初は動揺していたご本人も、次第に「先生に言われたとおりのことを取調官に言われました。」と笑みを漏らすようになり、余裕を持って取調べに対応することができました。

 

 

強盗致傷(少年事件)の解決事例

事案の概要

少年(10代男性・建設作業員)が友人と共謀し、金品を得ようとして、通行人にバイクをぶつけて転倒させ、全治1か月を要する骨折等の傷害を負わせたとして逮捕された事件。

 

 

弁護活動

弁護士が被害者と交渉し、「本人を許し処罰を求めない」という内容の示談をとりまとめました。また、少年が勤めていた会社の社長と交渉し、雇用の継続を約束してもらいました(社長には少年審判にも出席してもらいました)。

 

 

さらに、弁護士が家庭裁判所の調査官と面接し、交友関係の見直しなどの更生プランをていねいに説明しました。これらの活動の結果、少年院が相当との鑑別所の意見にもかかわらず保護観察処分を獲得することができました。

 

 

弁護士のコメント

少年は、本人の自覚次第で大きく成長する可能性を秘めています。このケースでは、本人は当初、逮捕・勾留されたことで自暴自棄になっていましたが、弁護士との面会を通じて、事件の重大性について理解し、将来についてのビジョンを持てるようになりました。

 

 

短期間で大きく成長していく少年の姿を見るのは弁護士冥利に尽きるというものです。

 

 

わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持の解決事例

事案の概要

ご本人(30代男性・販売員)がDVD販売店の店員としてアダルトDVDを販売していたところ、わいせつな映像を記録したDVD数十枚を所持したとして逮捕された事件。

 

 

弁護活動

ご本人がDVDを販売するようになった経緯や販売店におけるご本人の立場等の事情を弁護士が裁判官に指摘した結果、罰金20万円の判決となりました。判決前に勾留されていた日数(未決勾留日数)が1日あたり5000円として換算され、判決当日に釈放されました。

 

 

弁護士のコメント

法定刑(2年以下の懲役または250万円以下の罰金若しくは科料。懲役と罰金が併科される場合あり。)の下限近くの判決となりました。