準強制性交等・準強姦

準強制性交等と準強姦

平成29年6月23日の刑法改正により、準強姦罪の罪名が変更され、準強制性交等罪になりました。それに伴い、刑罰が重くなり、対象となる行為が拡張されました。

 

改正刑法の施行日は平成29年7月13日です。そのため、平成29年7月12日以前の行為についてはこれまで通り準強姦罪が適用され、7月13日以後の行為については準強制性交等罪が適用されます。

 

ただし、後述するように、告訴については、平成29年7月12日以前に発生した準強姦についてもさかのぼって不要とされました。

 

 

準強制性交等と準強姦-4つの違い

被害者の違い

準強姦…判断能力を失っている女性または抵抗できない状態にある女性

準強制性交等…判断能力を失っている男女または抵抗できない状態にある男女

 

準強制性交等では、女性だけではなく男性も被害者に含まれます。

 

行為の違い

準強姦…陰茎を女性の膣内に挿入すること

準強制性交等…陰茎を被害者の膣内、肛門内、口の中に挿入すること、

 

準強制性交等では、姦淫に加え、肛門性交、口腔性交も含まれます。

 

告訴の必要性の違い

準強姦…起訴するために被害者の告訴が必要

準強制性交等…起訴するために被害者の告訴は不要

 

準強制性交等では、被害者の告訴がなくても起訴できることになりました。

 

刑罰の違い

準強姦…懲役3年~懲役20年

準強制性交等…懲役5年~懲役20年

 

準強制性交等の方が、準強姦に比べて、懲役の下限が2年長くなりました。

 

 

準強制性交等・準強姦の具体例

平成29年4月1日(=改正刑法施行前)に、女性に睡眠薬を飲ませ前後不覚になったところでホテルに連れ込み姦淫した→準強姦が成立

 

平成29年7月13日(=改正刑法施行日)に、酒に酔った女性を自宅まで送り届けた際に、部屋の中で女性の口内に陰茎を挿入した→準強制性交等が成立

*平成29年7月12日以前であれば強制わいせつが成立するにとどまります。

 

 

準強制性交等致傷・準強姦致傷

準強制性交等の機会に被害者にけがをさせた場合、準強制性交等致傷罪が成立します。刑罰は強制性交等致傷と同じで懲役6年~20年です。

 

改正刑法の施行前(平成29年7月13日より前)に、準強姦を犯し、その機会に、女性にけがをさせた場合は、準強姦致傷罪が成立します。刑罰は懲役5年~20年です。

 

 

準強制性交等・準強姦と余罪

準強制性交等・準強姦については、余罪が問題となることが少なくありません。仮に余罪がある場合、余罪で追起訴されれば、長期の実刑判決となる可能性が高くなります。黙秘権を行使する等して、余罪での再逮捕・追起訴を防ぐことが大切です。早期に弁護士を選任し余罪を含めた総合的な弁護プランをたてる必要があります。

 

 

準強姦性交等・準強姦の弁護方針(罪を認める場合)

(1)示談をする

準強制性交等・準強姦については、刑法改正により、告訴がなくても起訴できるようになりました。そのため、示談して告訴が取り下げられたからといって、確実に不起訴になるわけではありません。

 

もっとも、刑法改正後も、示談が最も重要な弁護活動であることは変わりません。刑法改正により告訴が不要とされたのは、「告訴するか否か」という重い判断から被害者を解放し、精神的負担を軽減することです。とすれば、被害者が真に納得して示談をし、加害者の処罰を求めていなければ、検察官もそのような被害者の決断を尊重すると考えられます。

 

そのため、性犯罪の前科があるとか、行為態様が極めて悪質である等の特別の事情がない限り、示談が成立すれば、不起訴となる余地は十分にあります。

 

準強制性交等・準強姦の被害者は、事件によって深く傷ついています。よくわからないまま性的被害を受ける恐怖や屈辱ははかり知れません。事件後PTSDを発症し日常生活が大きく変わってしまう方もおられます。睡眠薬や精神安定剤などの薬物を服用させた場合は投与量によっては生命の危険が生じることもあります。弁護士としては、被害者の気持ちに寄り添いながら粘り強く交渉する必要があります。

 

(2)専門家の治療を受ける

準強制性交等・準強姦のケースでは、過去にも同じような行為を繰り返してきた方が少なくありません。性依存症から抜け出そうともがきながら、抜け出すことができずひとりで悩んでいる方もおられます。性的な病を1人で克服することは困難です。性犯罪治療の専門家のサポートを受けながら、認知行動療法等の科学的手法により根本的な改善を目指します。

 

専門家による治療は保釈後に行うことになりますが、地域によっては、身柄拘束されている場合でも出張カウンセリングサービスを受けることが可能です。

 

公判請求されたら…

本人の治療を担当している専門家に証人として出廷してもらい弁護士が尋問を行います。

 

*ウェルネスでは性犯罪治療の専門家と連携しながら、根本的な更生を目指します。

 

 

(3)家族が支援する

本人が更生するためには最も身近な存在であるご家族の支援が不可欠です。ご家族には、性犯罪加害者の家族会等に参加してもらい、性の問題について学びながら、本人の受け入れ・監督体制を構築してもらいます。

 

公判請求されたら…

ご家族に情状証人として出廷してもらい、裁判官の前で具体的な監督方法等についてお話ししてもらいます。

刑事事件の法律相談24時間受付

03-5577-3613

お問い合わせ

オーダーメイドの法律事務所

ウェルネス法律事務所

【大きい地図を見る】