器物損壊

 

器物損壊とは

器物損壊とは

①他人の物を損壊すること

②他人の動物を殺傷すること

です。

 

「損壊」とは物の効用を害することです。物理的に破損させる場合だけではなく、その物を本来の用途にしたがって使用できなくすることも「損壊」にあたります。後者の例として、荷物に貼り付けられていた荷札をはぎ取り持ち去った行為や窓ガラスにビラを貼り付ける行為が挙げられます。

 

 

器物損壊の刑罰

次の3つのうちのいずれかになります。

①懲役月~

30万円以下の罰金

③科料(万円未満)

 

 

器物損壊の関連犯罪

 

行為の内容

刑罰

公用文書等毀棄

公務所で使用・保管されている文書やデータを破棄したり隠匿する等してその効用を害すること

懲役月~

私用文書等毀棄

権利や義務に関する他人の文書・データを破棄したり隠匿する等してその効用を害すること

懲役月~

建造物等損壊

建造物や艦船を損壊すること

懲役月~

建造物損壊致死傷

建造物や艦船を損壊し、人を死傷させること

致傷…懲役月~15

致死…懲役年~20

*これらのいずれかの犯罪が成立する場合は器物損壊罪は成立しません。

 

 

器物損壊と逮捕

器物損壊を含む毀棄(きき)罪で逮捕される割合は40%です。逮捕後、勾留される割合は66%です。勾留期間が10日を超えて延長される割合は54%です。

 

*平成27年版検察統計年報に基づく数値です。本ページに出て来る数値(%)は全てこの資料に依拠しています。

*上記の数値には、器物損壊以外に毀棄(きき)罪全般(文書毀棄、建造物損壊、信書隠匿など)が含まれていますが、毀棄事件の大部分が器物損壊罪となります。

 

 

器物損壊と起訴

器物損壊罪で起訴される割合は22%です。起訴にはご本人が裁判所に出廷する公判請求と出廷しない略式請求があります。起訴されたケースのうち45%が公判請求、55%が略式請求です。

 

略式請求の場合は罰金で済みますが、公判請求された場合は、懲役刑を下される可能性が高くなります。その場合でも、前科が複数あったり、執行猶予中でなければ、執行猶予がつく可能性が高いです。

 

*器物損壊のみの数値です。他の毀棄罪は含まれていません。

 

 

器物損壊の弁護活動(罪を認める場合)

器物損壊は告訴がなければ起訴することができない犯罪です(親告罪)。器物損壊で不起訴になる割合は78%ですが、そのうちの64%が「告訴がないこと」を理由とする不起訴です。

 

一方、最後まで告訴が取り消されなかった場合に、起訴猶予で不起訴になる割合は14%しかありません。器物損壊の弁護活動としては、示談をして告訴を控えてもらうこと、または、告訴を取り消してもらうことが最も重要です。

 

 

器物損壊の弁護活動(無罪を主張する場合)

器物損壊をした覚えがないのに容疑者として扱われている場合、嫌疑不十分または嫌疑なしで不起訴処分を求めることになります。

 

器物損壊で嫌疑不十分または嫌疑なしで不起訴となる割合は16%です。具体的な弁護活動のポイントはこちらをご参照ください否認事件の刑事弁護

 

 

器物損壊の3つのパターン

①飲酒による器物損壊

酔っぱらって飲食店の備品を壊したり、タクシーの車体や自動販売機などを蹴ってしまうといったケースです。器物損壊で最も多いパターンです。本人が泥酔しており、他人に危害を加えた場合、または危害を加えるおそれが強い場合は、逮捕される可能性が非常に高くなります。

 

ただ、「覚えていない」として否認を続けない限り、勾留されずに釈放されることも少なくありません。示談については破損させた物の修理・交換費用がベースになります。

 

②性的な衝動による器物損壊

満員電車内で女性に精液をかけるケースが考えらえます。精液をかける前に、女性の身体に触ったり、下半身を押し付けたりしている場合は、器物損壊の他に迷惑防止条例違反または強制わいせつでも立件されることになります。

 

現行犯逮捕されることが多いですが、前科がある方の場合、いったんその場から逃げても、後日、女性の衣服から採取したDNA鑑定で足がつき、逮捕されることが多いです。前科がない方でも、後日、別の刑事事件を起こし、DNAを採取されれば、逮捕される可能性が十分にあります。

 

被害女性は大きなショックを受けていますので、示談に際しては、汚損した衣服の着用代金に加えて相当額の慰謝料を支払う必要があるでしょう。

 

③人間関係のもつれによる器物損壊

職場内でのトラブルから同僚の私物を持ち去り廃棄するケースが考えられます。単に廃棄しただけで、暴行・傷害・脅迫など他の犯罪行為をしていなければ、逮捕される可能性は低いです。

 

このようなケースでは、器物損壊に至る前に、加害者・被害者間にパワハラ・セクハラ・男女関係のもつれ等のトラブルが生じていることが多いです。示談に際しては、器物損壊だけではなく、伏線となった問題にも配慮した上で、抜本的な解決を図る必要があります。

 

職場内で発生した器物損壊のケースでは、警察に通報される前後の時点で、会社にも発覚しているのが通常です。その場合、会社の懲戒手続に適切に対応することが必要です。最も重要なことは、会社の調査手続で誤まって窃盗と認定されないようにすることです。

 

職場内での窃盗事件については、懲戒解雇を含めた厳しい処分で臨む会社が多いです。いやがらせ目的で私物を廃棄しただけであれば窃盗にはあたりませんので、弁護士が人事担当者に事情を説明する等して、まずはその点を会社に納得してもらうことが必要です。

 

★ウェルネスではこれら3つの器物損壊全ての取扱経験があり、取り扱った全てのケースで不起訴処分を獲得しています。

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