交通事件の解決事例

飲酒運転の解決事例

事案の概要

ご本人(50代男性・会社役員)が飲酒運転中にオートバイと衝突し、被害者に全治1週間のけがを負わせた事件。ご本人は逮捕されることなく在宅事件として捜査が進められました。

 

 

弁護活動

弁護士が、被害者側の弁護士と交渉し、適正な金額で示談をまとめました。

 

 

ご本人が事故直後に受けた呼気検査では、アルコール度数が0.8以上と非常に高かったこともあり、当初は酒気帯び運転ではなく、より罪が重い酒酔い運転として立件されていました。

 

 

もっとも、ご本人はもともとお酒に強く、事故当時も足元がふらついたり、ろれつがまわらないといった状態ではありませんでした。

 

 

そこで、弁護士が警察の担当者に対し、酒に酔ってはいなかったことを主張し、あわせて、裁判になった場合に備えて、ご本人の様子が写っている居酒屋の防犯カメラ映像などを証拠として保存しておくよう要請しました。

 

 

こうした活動の結果、書類送検された際は、酒酔い運転から酒気帯び運転に格下げとなりました。その後、ご本人は、人身事故と酒気帯び運転で起訴されましたが、執行猶予判決となりました。

 

 

弁護士のコメント

酒酔い運転の刑罰(5年以下の懲役または100万円以下の罰金)は酒気帯び運転の刑罰(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)より格段に重いです。もし、酔っていなかったのに酒酔い運転として立件された場合は、このケースのように、飲酒はしたが酒によってはいなかったことを主張すべきです。

 

ご本人の直筆メッセージ

 

 

過失運転致傷の解決事例①

事案の概要

ご本人(40代男性・会社員)が自動車を運転して交差点を右折した際、直進してきたバイクと衝突し、バイクの運転者と同乗者に、それぞれ全治3ヶ月と6ヶ月のけがを負わせた事件。

 

 

弁護活動

ご本人は、任意保険に加入していましたが、被害者2名はどちらも重傷を負って入院していたため、症状が固定し損害が確定するまで時間がかかる状況でした。損害が確定しない限り、保険会社が示談交渉を進めません。もっとも、検察官は示談の成立を待って有利な処分を出してくれるわけではありません。

 

 

そこで、保険会社による示談とは別に、弁護士が被害者側と交渉し、被害者双方との間で示談を成立させました。示談書には刑事処罰を求めないという文言も入れてもらいました(保険会社による示談ではそのような文言は入りません)。

 

 

また、ご本人は事故車両を廃車にし、免許の停止期間が終り次第、免許証を返納することを決めました。このような活動の結果、略式裁判で罰金50万円となり、正式裁判を回避することができました。

 

 

弁護士のコメント

保険会社とは別に弁護士が示談交渉を行う場合、示談が成立しても保険金の支払いがストップしないよう配慮します。被害者により手厚い補償をすることができるので、重傷事案で保険会社による示談交渉が難航している場合であっても、早期に弁護士が示談をまとめられる可能性が高まります。

 

 

交通事件の量刑相場上、被害者2名の重傷事案であれば、ほぼ間違いなく公判請求され、検察官から禁固刑を請求されます。今回は、そのような量刑相場の枠にとどまらない結果を出すことができました。

 

ご本人の直筆メッセージ

 

 

過失運転致傷の解決事例②

事案の概要

ご本人(70代女性、無職)が赤信号を見落とし、車を交差点に進入させ、被害者運転の自転車にぶつけてしまいました。ご本人は過失運転致傷で起訴されました。

 

 

弁護活動

起訴後に事件を受任しました。ご本人は高齢のため徒歩で買い物に行くことができず、やむを得ず車を使用していました。ご本人やご家族と協議した結果、ご本人が車を売却し、代わりにご家族が日々の買い物を手伝うことになりました。

 

 

ご本人は車を売却した後、運転免許を返納しました。これらの環境調整を行った結果、執行猶予判決を獲得することができました。

 

 

弁護士のコメント

本件は過失運転致傷で起訴されましたが、被害者は入院中に死亡しており、ご遺族が被害者参加制度を利用して法廷で意見を述べました。

 

 

ご遺族の姿を間近に見てご本人が動揺しないよう、被害者参加制度について弁護士が詳しく説明し、被告人質問のリハーサルを何度も行いました。その結果、スムーズに裁判を乗り切ることができました。

 

 

過失運転致死の解決事例

事案の概要

ご本人(60代、運転手)がタクシーを運転中、交差点で被害者をはねて死亡させ逮捕された事件。ご本人には交通犯罪の前科が2件ありました。

 

 

弁護活動

自家用車を売却する等の環境調整に努めました。ご本人は被害者の月命日に事故現場で花を手向けるなど真摯に反省しており、その点を裁判官の前で直接話してもらいました。こうした活動の結果、執行猶予を獲得することができました。

 

 

弁護士のコメント

死亡という重大な結果が発生しており、ご本人には交通犯罪の前科が複数あったことから実刑も十分に考えられる事案でした。交通違反で罰金の略式命令を受けた数日後に今回の事故を起こしてしまったこともご本人にとって不利な事情でした。

 

 

ご本人は、裁判を前にして非常にナーバスになっておられましたが、弁護士と共に入念なリハーサルを行った結果、スムーズに裁判を乗り切ることができました。

 

 

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