公然わいせつ

公然わいせつ罪の基礎知識

(1)公然わいせつ罪の刑罰

以下の4つのうちのいずれかになります(刑法174条)。

ヶ月以下の懲役

30万円以下の罰金

拘留

科料

 

 

(2)「公然」とは?

公然わいせつ罪における「公然」とは、「不特定または多数の人が認識することができる状態」のことをいい、現実に不特定または多数の人間に認識されたことまでは不要です。例えば、公園で性器を露出した場合、露出した時点で周りに人がいなかったとしても、いつ通行人の目に触れてもおかしくない以上、「公然」の要件を満たしていることになります。

 

 

(3)公然わいせつ罪の具体例

代表的な公然わいせつとして以下のようなケースが挙げられます。

 

① 公園などの公共の場所で陰部を露出した

② ストリップショーにおいてダンサーが客の前で全裸で踊った

③ カップル喫茶においてわいせつな行為をした

 

ここでは主として①のケースを想定して解説していきます。

 

 

公然わいせつの逮捕率は41パーセント【平成27年】

刑事事件として立件された公然わいせつ事件(わいせつ物頒布罪を含む)のうち、被疑者が逮捕された割合は41%です(平成27年検察統計年報:本ページで取り上げる数値は全てこの統計に基づいています)。公然わいせつ事件で逮捕された後、勾留される確率は65%です。勾留期間(原則10日・最長20日)が延長される確率はケースは55%です。

 

 

公然わいせつで前科がつく確率は60パーセント【平成27年】

公然わいせつ事件の起訴率は60%です。そのうち、略式請求されたものが74%、公判請求されたものが26%です。初犯者の場合、示談が成立すれば不起訴(起訴猶予)、成立しなければ略式請求となる場合が多いです。前科(特に性犯罪の前科)があれば、公判請求される可能性が高くなります。

 

【公然わいせつのページ】

公然わいせつの解決事例

公然わいせつのご質問

 

 

 

公然わいせつ罪の弁護方針(罪を認める場合)

(1)示談をする

公園などで通行人に性器を露出した事案においては、その通行人が事実上の被害者となります。検察官は、公然わいせつ事件の被疑者を起訴するか否か決めるに当たり、示談の成否を非常に重視しています。そのため、被害者との間で示談が成立すれば不起訴になる可能性が高まります。

 

示談を締結する前に起訴されたとしても、その後に示談が成立すれば、執行猶予になる可能性が高まります。裁判官も刑罰の重さを判断するにあたり、示談の成否を非常に重視しているからです。公然わいせつの被害者は加害者に対して拒否感を持っていますので、交渉全般を通じて、被害者の気持ちに細やかに配慮した姿勢が求められます。 

示談の基礎知識

 

 

(2)専門家の援助を受ける

公然わいせつの常習者のなかには、露出から足を洗いたいという強い気持ちをもちながら、自分自身をコントロールできず、同じ過ちを繰り返してしまう人が少なからずいます。そのような方に対しては、専門家の助けが必要です。クリニックに通ったりカウンセリングを受けたりすることによって、露出に走ってしまう傾向を根本から改善する必要があります。

 

公判請求されたら…

通院の証拠として、受診証明書、カルテ等を裁判所に提出します。

 

 

(3)反省を促す

性犯罪被害者の本を読む等して、自らしてしまったことの重大さを自覚してもらいます。さらに、公然わいせつに走った原因を分析し、根本的に立ち直るにはどうすればよいのかをじっくり考えてもらいます。性依存症の方を対象とした自助グループに参加して内省を深めてもらうこともあります。

 

公判請求されたら…

本人作成の反省文を証拠として提出します。また、裁判官の前で現在の心境を直接語ってもらいます。

 

 

(4)現場に近づかない

公然わいせつ事件の被害者は、加害者に対して嫌悪感を抱いています。加害者に2度と会いたくないと思っている方がほとんどです。そのような被害者の思いに応えるため、加害者としては、今後、なるべく事件現場に近づかないようにすべきです。示談書に、「今後、○○公園に立ち入らない」等と明記する場合もあります。

 

公判請求されたら…

被害者の住居に近づかないことを明記した示談書や本人作成の誓約書を証拠として提出します。

 

 

(5)その他の弁護活動

① 早期釈放を目指す

身体拘束されている場合は、早期釈放に向けた弁護活動を行います⇒詳しくはこちら

 

② 寄付をする

示談が成立しなかった場合、反省の気持ちを示すために慈善団体などへ寄付をします。公判請求された場合は、寄付したことの証明書や領収証を証拠として提出します。

 

③ ご家族に協力してもらう

ご家族に本人を監督するよう約束してもらいます。公判請求された場合は、本人を監督する旨の誓約書を証拠として提出します。また、情状証人として、裁判官の前で、本人の更生をどのようにサポートしていくのかを語ってもらいます。

 

 

公然わいせつ罪の弁護方針(無罪を主張する場合)

(1)捜査機関に自白調書をとらせない

公然わいせつ事件において、防犯カメラ等の客観的な証拠が存在しない場合、被疑者と被害者(と称する人物)の供述以外に目ぼしい証拠はないということになります。そのため、「被疑者の言っていることが信用できるか否か」が大きな争点になります。

 

例えば、被疑者が本当は無実であるにもかかわらず、取調べの際、捜査機関の圧力に屈してしまい「自分がやりました」と心ならずも自白してしまったとします。その場合、後の刑事裁判において、「自分はやっていません」と言ったとしても、検察官から「取調べのときは自白してましたよね?」と突っ込まれ、裁判官にも信用性を疑われることになります。

 

捜査機関は否認を続ける被疑者に対して、あの手この手を使って自白するよう働きかけます。不起訴処分や無罪判決を目指すのであれば、このような働きかけに屈しないことが重要になります。弁護士がご本人と頻繁に接見し、捜査機関のプレッシャーに屈しないよう継続的にバックアップしていきます。

 

 

(2)被害者供述の信用性を争う

公然わいせつ事件において、防犯カメラ等の客観的な証拠が存在しない場合、「被害者の言っていることが信用できるか否か」も大きな争点となります。

 

人間の記憶は時の経過とともに衰えていくものですが、取調べが進むにしたがって被害者の供述がより詳しくなっていく ということがあります。また、異なる時点で作成された複数の供述調書の間で、同一の場面についての供述内容が不自然に変化していることもあります。

 

これらは取調官による誘導や被害者の迎合的態度を強く示唆するものです。弁護士が被害者の供述調書を検討したり反対尋問を行うことによって、これらの不合理な変遷を炙り出します。

 

【関連ページ】

否認事件の刑事弁護

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公然わいせつのご質問

 

 

オーダーメイドの弁護活動

このページでご紹介している弁護方針は一つの例にすぎません。たとえ犯罪の種類が同じでも、事件が異なれば、求められる弁護活動も違ってきます。ウェルネスでは、数多くのノウハウに基づき、一つ一つの事件に対応した完全オーダーメイドの弁護活動を行います。

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