脅迫

脅迫罪の基礎知識

(1)脅迫罪の対象

・生命、身体、自由、名誉または財産に対し害を加える旨を告げて人を脅迫した者

・親族の生命、身体、自由、名誉または財産に対し害を加える旨を告げて人を脅迫した者

 

 

(2)脅迫罪の刑罰

年以下の懲役または30万円以下の罰金(刑法222条)

 

 

(3)脅迫罪と他の犯罪との関係

公務員を脅迫した場合、脅迫罪ではなく公務執行妨害罪(3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金)が成立します。

 

 

脅迫罪で逮捕される確率は65%【平成27年】

刑事事件として立件された脅迫罪(強要罪を含む)のうち、被疑者が逮捕された割合は65%です(平成27年検察統計年報:他の数値もこの統計に基づいています)。逮捕後、勾留される確率は91%です。勾留期間(原則10日)が延長される確率は67%です。

 

脅迫罪で前科がつく確率は44パーセント【平成27年】

脅迫罪で起訴される確率は44%です。起訴された脅迫事件のうち、略式請求されたものが52%、公判請求されたものが48です。初犯者の場合、被害者との間で示談が成立すれば不起訴処分を獲得できる見込みは高いでしょう。前科がある場合でも、示談が成立すれば、執行猶予中の犯行であるなど極めて不利な事情がない限り、実刑を回避できる場合が多いです。

 

 

脅迫罪の弁護方針(罪を認める場合)

(1)示談をする

被疑者を起訴するか否かを決めるのは検察官です。検察官は、脅迫事件の被疑者を起訴するか否か決めるに当たり、示談の成否を非常に重視しています。そのため、被害者との間で示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高まります。脅迫事件の被害者は加害者に対して恐怖心を抱いていますので、交渉全般を通じて被害者の心情に配慮した姿勢が求められます。

示談の基礎知識

 

 

(2)被害者に謝罪する

被害者の意向に反しなければ、手紙をお送りする等して謝罪します。通り一遍のことを述べるのではなく、自分の言葉で謝罪することが重要です。 

 

公判請求されたら…

本人作成の謝罪文を証拠として提出します。また、裁判官の前で被害者への思いを直接語ってもらいます。

 

 

(3)環境を改善する

暴走族などの不良グループの一員として脅迫事件を起こした場合は、そのような組織から完全に離脱することが必要です。そのような組織に入っていなかったとしても、不良交友による荒れた生活が事件の原因になっている場合は、交友関係の見直しを含めた生活環境の改善が必要となるでしょう。いずれにせよ生活環境を立て直すためにはご家族の協力が不可欠です。ご家族には日常生活の中で本人を監督してもらいます。

 

公判請求されたら… 

本人を監督する旨の誓約書をご家族に書いてもらい証拠として提出します。また、情状証人として、裁判官の前で、本人の更生をどのようにサポートしていくのかを語ってもらいます。

 

 

(4)被害者と接触しない

脅迫事件の被害者は加害者に対して恐怖心を抱いています。そのため、加害者としては、被害者とコンタクトをとらないことを約束することにより、被害者の精神的負担を軽減することが必要です。示談書のなかで、「今後、加害者は被害者の住居周辺や勤務先に近づかない。電話やメールもしない。」等と明記します。

 

公判請求されたら…

被害者とコンタクトをとらないことを明記した示談書や本人作成の誓約書を証拠として提出します。

 

 

(5)専門家の援助を受ける 

好意を抱いている異性の気を引こうとして結果的に脅迫事件を起こしてしまった場合、精神科医や臨床心理士のカウンセリングを受けることによって考え方や行動パターンを修正することも検討に値するでしょう。

 

公判請求されたら…

受診証明書や診断書等を証拠として提出します。

 

 

(6)その他の弁護活動

① 早期釈放を目指す

身体拘束されている場合は、早期釈放に向けた弁護活動を行います⇒詳しくはこちら

 

② 寄付をする

示談が成立しなかった場合、反省の気持ちを示すために慈善団体等へ寄付をすることがあります。公判請求された場合は、寄付したことの証明書を証拠として提出します。

 

 

脅迫罪の弁護方針(無罪を主張する場合)

(1)自白調書をとらせない

脅迫罪において、脅迫文書やメール等の客観的な証拠がない場合、結局「言った言わない」の争いになる場合が少なくありません。そのため、「被疑者の言っていることが信用できるか否か」が大きな争点になります。

 

例えば、被疑者が本当は無実であるにもかかわらず、取調べの際、捜査機関の圧力に屈してしまい「確かに自分は○○と言いました」と心ならずも自白してしまったとします。その場合、後の刑事裁判において、「そんなことは言っていません」と述べたとしても、検察官から「取調べのときは自白してましたよね?」と突っ込まれ、裁判官にも信用性を疑われることになります。

 

捜査機関は、否認を続ける被疑者に対してあの手この手を使って自白するよう働きかけます。不起訴処分や無罪判決を目指すのであれば、このような働きかけに屈しないことが重要になります。弁護士が被疑者と頻繁に接見し、捜査機関のプレッシャーに屈しないよう継続的にバックアップしていきます。

 

 

(2)被害者の供述調書を検討する

脅迫罪において脅迫文書やメール等の客観的な証拠がない場合、 「被害者の言っていることが信用できるか否か」も大きな争点となります。人間の記憶は時の経過とともに衰えていくものですが、取調べが進むにしたがって、被害者の供述がより詳しくなっていくということがあります。

 

また、異なる時点で作成された複数の供述調書の間で、同一の場面についての供述内容が不自然に変化していることもあります。これらは取調べ官の誘導や被害者の恣意的な傾向を強く示唆するものです。弁護士が被害者の供述調書を徹底的に検討することにより、これらの不合理な変遷を炙り出します。

 

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