裁判員裁判の刑事弁護

裁判員裁判ではプレゼンテーションが重視される

従来型の裁判では、約1ヶ月に1度のペースで公判(法廷でのやりとり)が行われ、判決が出るまで1年以上かかることも珍しくありませんでした。このような長丁場のシステムでは、裁判官が以前に行われた証拠調べの結果を覚えておくことは困難です。そのため、裁判官は、法廷で見聞きしたことだけに基づいて判決を書くのではなく、法廷の外で(執務室で)書面を検討することによって判決を書いていました。

 

裁判の主要な舞台は、法廷ではなく、裁判官の執務室だったのです。

 

 

従来型裁判の進行イメージ

4月1日

第1回公判(冒頭手続、証拠調べを行う)

 

その後、法廷の外で書面をじっくり検討する

5月1日

第2回公判(証拠調べを行う)

 

その後、法廷の外で書面をじっくり検討する

6月1日

第3回公判(証拠調べを行う)

 

その後、法廷の外で書面をじっくり検討する

7月1日

第4回公判(証拠調べを行う)

 

その後、法廷の外で書面をじっくり検討する

8月1日

第5回公判(証拠調べを行う)

 

その後、法廷の外で書面をじっくり検討する

9月1日

第6回公判(検察官・弁護士・被告人が意見を述べる)

 

その後、法廷の外で書面をじっくり検討する

10月1日

判決期日(判決を下す)

 

これに対して、裁判員裁判においては、短期集中型の公判システムが採用されています。このようなシステムでは、裁判官も裁判員も、法廷の外で、じっくり書面を検討する時間的ゆとりはありません。そのため、裁判官も裁判員も、法廷で見聞きしたことに基づいて事件についての心証を形成します。

 

裁判員裁判においては、法廷こそが裁判の主要な舞台となるのです。

 

 

裁判員裁判の進行イメージ

~約6か月~

裁判官・弁護士・検察官による公判前整理手続

 

 

4月1日(月曜日)

裁判員が選任される。

4月2日(火曜日)

公判が始まる。冒頭手続、証拠調べを行う。

 

その後、書面をじっくり検討する時間はない

4月3日(水曜日:午前)

引き続き証拠調べを行う。

 

その後、書面をじっくり検討する時間はない

4月3日(水曜日:午後)

引き続き証拠調べを行う。その後、検察官・弁護士・被告人が意見を述べる。

 

その後、書面をじっくり検討する時間はない

4月4日(木曜日)

裁判官と裁判員が、法廷で見聞きしたことに基づいて、評議を行う。

 

その後、書面をじっくり検討する時間はない

4月5日(金曜日:午前)

引き続き評議を行う。

4月5日(金曜日:午後)

評議に基づき判決を下す。

 

裁判員裁判においては、裁判官も裁判員も、書面ではなく、法廷で実際に見聞きしたことに基づいて、事件についての心証を形成します。そのため、裁判員裁判においては、「法廷の中」での弁護活動(法廷弁護活動)が決定的に重要となります。

 

従来型裁判においては、裁判官は、主として「法廷の外」で書面を検討して判決を書いていました。それに対応して、検察官や弁護士も書面に依拠して訴訟活動を進めていました。しかし、このような書面中心の訴訟活動は裁判員裁判には通用しません。法廷の中で、裁判官や裁判員の目の前で、口頭でプレゼンテーションをすることが必要になるのです。

 

 

裁判員裁判ではどのような刑事弁護が求められるのか?

裁判員裁判においては、

① わかりやすいプレゼンテーション

② 一方踏み込んだプレゼンテーション

が求められます。

 

① わかりやすいプレゼンテーション

被告人に少しでも有利な判決を獲得するためには、より多くの裁判員が弁護士の主張に共感することが必要です。弁護士の主張に共感してもらうためには、弁護士の主張を理解してもらうことが必要です。なぜなら、人は理解できない主張に共感することはないからです。

 

しかし、裁判員に主張を理解してもらうことは必ずしも簡単なことではありません。裁判員は一般市民であり、法律や刑事手続についての専門知識を持っていないからです。裁判員に主張を理解してもらうには、専門用語や業界用語を使わずに、わかりやすいプレゼンテーションを行うことが必要です。場合によっては、単に書面を朗読するのではなく、ビジュアル素材(パワーポイント等)を駆使することも必要になります。

 

従来型の裁判においては、業界用語を多用した無味乾燥な書面を棒読みするという弁護スタイルが一般的でした。裁判員裁判においてはそのような弁護活動は通用しないでしょう。

 

 

② 一歩踏み込んだプレゼンテーション

裁判員は「法律家の常識」とは無縁です。例えば、従来型の裁判においては、示談が成立したという事情は、ほぼ例外なく被告人に有利に考慮されてきました。ところが、裁判員裁判においては必ずしもそうではないのです。弁護士が、裁判員に対して、示談が成立したという事情をアピールしたところ、「お金によって物事を解決しようとする態度がみられる」として、被告人にとって不利に考慮されてしまった事例も存在します。

 

このように、裁判員裁判においては、これまでの「法律家の常識」とは異なる判断が示されることがしばしばあります。弁護士としては、そのような可能性があることを念頭に置いた上で、「なぜその事情が被告人にとって有利に考慮されるべきなのか」という点について、より踏み込んで、より丁寧に論じる必要があります。

 

ウェルネスの代表弁護士が以前担当した裁判員裁判でも、示談の意義について踏み込んで論じたところ、判決において、「示談については特に考慮すべきである」旨述べられ、被告人の刑が大幅に軽くなったことがありました。このように、裁判員裁判においては、弁護士の対応次第で、同じ事情が被告人にとって有利にも不利にも作用します。

 

 

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