執行猶予

 

執行猶予とは

執行猶予とは懲役や禁固刑を一定期間実施しないことです。執行猶予がつくと刑務所に入らずに済みます。ただし、刑務所行きにならないことが確定したわけではなく、一定の条件に該当すると執行猶予が取り消され、刑務所で服役することになります執行猶予の取消し

 

*罰金刑にも執行猶予の規定はありますが、執行猶予付きの罰金刑が言い渡されることはまずありませんので、このページでは説明を省略しています。

 

 

執行猶予の要件

執行猶予をつけるためには、3年以下の懲役または禁錮刑の判決であることが大前提です。例えば、懲役3年6月の判決に執行猶予を付けることはできません。以下、ケースごとにみていきます。

 

(1)前科・前歴がない方

 執行猶予をつけることが可能です。

 

(2)罰金前科しかない方

 執行猶予をつけることが可能です。

 

(3)執行猶予付きの懲役刑・禁固刑を言い渡されたが猶予期間が経過した方

 執行猶予をつけることが可能です。

 

(4)実刑判決を受けたことがある方

刑の執行が終った日から年が経過していれば執行猶予判決をつけることが可能です。

 

(5)執行猶予期間中の方

次の3つの要件を満たせば再び執行猶予をつけることが可能です。

 

①当初の執行猶予について保護観察がつけられていないこと

年以内の懲役または禁錮刑であること

③執行猶予をつけるべき特別の事情があること

 

再度の執行猶予が認められる場合は必ず保護観察がつけられます。

 

(1)~(5)のいずれかに該当しなければ執行猶予はつきません。ただ、これらのいずれかに該当するからといって必ず執行猶予がつくわけではありません。実際に執行猶予を得るためには、より積極的な事情が必要です執行猶予を獲得するために

 

 

執行猶予と身柄拘束

勾留中に執行猶予判決が言い渡されれば、判決言渡しの直後に開放されます。判決前に法廷に入る際は、手錠と腰縄をつけられていますが、法廷を出る際は、手錠も腰縄も外され自由な状態に戻ります。

 

 

執行猶予のスタート日

執行猶予期間は判決が確定した日からスタートします。判決は言い渡された日の15日後に確定しますので、猶予期間もその日からスタートすることになります。判決日の15日後が土日祝日の場合は、直後の平日に判決が確定しますので、その日から猶予期間もスタートします。

 

 

執行猶予の期間

執行猶予の期間は法律上年~年と定められています。懲役・禁固刑の期間の2倍程度になることが多いです(懲役2年・執行猶予4年など)。

 

 

執行猶予期間の生活

(1)保護観察がついていない場合

一般の方と同じように生活することができます。

 

(2)保護観察がついている場合

保護観察中は、「保護観察官や保護司と面談し生活状況を報告する」等のルールがあります。このルールに違反すると、執行猶予が取り消されることがあります。それ以外は普通の人と同じように自由で生活することができます。

 

 

執行猶予判決と資格

執行猶予付きの判決を受けたことによって、一定の資格(免許)を取得することができなくなったり、保有していた資格(免許)が取り消されることがあります。例えば、医師が執行猶予付きの懲役刑・罰金刑を受けた場合、最長3年医師として活動できなくなったり、医師免許を取り消される可能性があります。

 

 

執行猶予期間の経過

執行猶予期間中に別の刑事事件を起こして刑事裁判になることがなければ、刑の言い渡しの効力がなくなります(ただし、前科として記録上は残ります)。そのため、判決に伴う資格上の制限はなくなります。

 

例えば、医師の場合は、執行猶予付きの懲役刑・禁固刑を言い渡されれば、医師国家試験に合格しても医師免許が与えられない場合がありますが、執行猶予期間が経過すれば、医師免許が与えられます。

 

 

執行猶予の取消し

(1)執行猶予が必ず取り消されるケース

執行猶予期間中に別の刑事事件を起こし懲役・禁固刑の実刑判決を受けると、必ず執行猶予が取り消されます。

 

(2)執行猶予が取り消されることがあるケース

以下の場合は、執行猶予が取り消される可能性があります(必ず取り消されるわけではありません)。

①執行猶予期間内に罰金の処分を受けたとき

②保護観察付きの執行猶予期間中に保護観察のルールに違反し、情状が重いとき

 

(3)執行猶予取消の具体例

窃盗罪(事件①)で懲役1年・執行猶予3年という判決が出た場合、執行猶予がついていますので、ひとまず刑務所に入らずに済みます。

 

3年の執行猶予期間内に、再び窃盗事件(事件②)を起こし、懲役2年の実刑判決(執行猶予なし)を下されれば、事件①の執行猶予が取り消され、事件①の懲役1年と事件②の懲役2年の合計である3年間刑務所で服役することになります。

 

(4)執行猶予取消の一般的な流れ

①検察官が裁判所に執行猶予取消しの請求をする

②裁判所が本人または代理人の意見を聴く

③決定を下す

 

 

執行猶予を獲得するために

執行猶予を獲得するためには、形式的な要件を満たしていることが前提になりますが、それだけで執行猶予がつくわけではありません。執行猶予を獲得するためには、執行猶予が適当な事情があると裁判官に判断してもらうことが必要です。具体的には以下のような事情が挙げられます。

 

(1)事件そのものに関する事情

・行為が悪質ではない

・結果が重大ではない

・計画性がない

・被害者にも落ち度がある

 

(2)事件発生後の事情

・本人が反省している

・示談が成立している

・家族のサポート体制がある

 

弁護士がこれらの事情を裁判官に主張し執行猶予の獲得を目指します。

 

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