盗撮は何罪?迷惑防止条例・軽犯罪法・児童ポルノ法との関係

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

盗撮をした場合、どのような犯罪になるのでしょうか?

 

実は「盗撮罪」という犯罪はありません。盗撮をした状況や相手によって、成立する犯罪は異なります。ケースごとにみていきましょう。

 

 

公共の場所で盗撮すると迷惑防止条例違反になる

公共の場所とは、駅やショッピングセンター、公衆トイレ、公衆浴場など誰でも自由に入ることができる場所です。

 

公共の場所で盗撮すれば各都道府県の迷惑防止条例違反が成立します。

 

【迷惑防止条例違反の刑罰】

都道府県

通常の場合

常習の場合

東京都

1年以下の懲役または100以下の罰金

2年以下の懲役または100万円以下の罰金

埼玉県 

6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

千葉県

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

2年以下の懲役または100以下の罰金

神奈川県

 

公共の場所以外で盗撮すると迷惑防止条例違反・軽犯罪法違反・犯罪不成立のどれか

公共の場所以外の場所で盗撮すると、次の3つのケースのいずれかになります。

 

① 迷惑防止条例違反

② 軽犯罪法違反

③ 犯罪不成立

 

いずれになるかは都道府県によって異なります。

 

公共の場所以外の場所については次の2つに分けることができます。

 

1.人が衣服を脱いで裸や下着姿になることがある場所

2.人が衣服を脱いで裸や下着姿になることがない場所

 

1の例として、住居、更衣室、学校や会社内のトイレが挙げられます。2の例としては、オフィスの執務スペースや大学・塾の教室が挙げられます。

 

以下では1と2をわけて解説していきます

 

1.人が衣服を脱いで裸や下着姿になることがある場所で盗撮した場合

埼玉県の迷惑防止条例は、住居や更衣室など「公共の場所ではないが人が衣服を脱ぐことがある場所」での盗撮を規制していません。そのため、住居や更衣室で盗撮をしても、迷惑防止条例違反は成立せず、軽犯罪法違反にとどまります。

 

【軽犯罪法23号】

正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者は拘留または科料に処する。

 

軽犯罪法違反の刑罰は、1日以上30日未満の拘留または1000円以上1万円未満の科料です。迷惑防止条例違反よりもかなり軽くなっています。

 

東京や神奈川、千葉の迷惑防止条例は、このような場所での盗撮も規制していますので、迷惑防止条例違反が成立します。

【弁護士が解説】迷惑防止条例によって規制される盗撮の場所

 

2.人が衣服を脱いで裸や下着姿になることがある場所での盗撮

埼玉県の迷惑防止条例は、オフィスの執務スペースや教室など「人が衣服を脱いで裸や下着姿になることはない場所」での盗撮も規制しておりません。

 

これらの場所は、軽犯罪法の「人が通常衣服をつけないでいるような場所」ともいえないため、軽犯罪法違反も成立せず、何の犯罪も成立しないことになります。

*ただ民法上の不法行為にはなりますし、見つかれば勤務先の懲戒処分の対象になる可能性が高いです。

 

東京や神奈川、千葉の迷惑防止条例は、住居や更衣室での盗撮のほか、オフィスや教室での盗撮も規制していますので、迷惑防止条例違反が成立します。

【弁護士が解説】迷惑防止条例によって規制される盗撮の場所

 

児童の裸を盗撮すると児童ポルノ法違反になる

公共の場所か否かを問わず、18歳未満の児童の裸を盗撮した場合は、児童ポルノ法違反が成立します。

 

公衆浴場の脱衣場で盗撮するケースや学校関係者が学校のトイレに小型カメラを設置して盗撮するケースが考えられます。

 

児童ポルノ法違反の刑罰は3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。

 

盗撮と住居(建造物)侵入

都道府県を問わず、盗撮目的で住居や店、トイレ、更衣室に侵入したときは、住居(建造物)侵入罪が成立します。

 

住居侵入罪の刑罰は10万円以下の罰金または3年以下の懲役です。

住居侵入

 

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