【ひき逃げ】人身事故と救護義務違反で不起訴を獲得し免許取消・失職を回避した公務員の事例

この記事の執筆:弁護士 楠 洋一郎(登録番号第39896号)

 

 

事案の概要

ご本人(50代男性・国家公務員)が車を運転して交差点で停止中、後部座席に置いた荷物をとろうと身を乗り出したところ、ブレーキペダルから足が離れてしまい、クリープ現象により前方に停車した軽トラックに衝突した事件。

 

 

ご本人は動揺して逃げてしまいましたが、交通捜査員が自宅に来て警察署に連行されました。逮捕はされませんでしたが在宅事件として捜査を受けていました。

 

 

処分の内容

刑事処分

①人身事故(過失運転致傷)…不起訴(嫌疑不十分)

②救護義務違反(道路交通法違反)…不起訴(嫌疑不十分)

③報告義務違反(道路交通法違反)…罰金5万円

 

 

行政処分

免許取消の回避

 

 

弁護活動

被害者も弁護士に依頼していました。ご本人が加入している保険会社が被害者側の弁護士と示談交渉をしていましたが、被害者は脳脊髄液が漏れている等と主張し、何度も通院しており、交渉が難航していました。

 

 

示談交渉が長引くと保険会社による示談が成立する前に起訴されるリスクがあります。また、保険会社が作成した示談書には宥恕文言(「許す」といった刑事処分の軽減につながる文言)が入らないことから、保険会社による交渉と並行して、ウェルネスの弁護士が被害者側の弁護士と交渉し、宥恕文言が入った示談をまとめました。

 

 

また、本事例はクリープ現象による低速での衝突であり、被害者が主張するような脳脊髄液の漏れが発生しているとは客観的に言い難い状況でした。

 

 

そこで、ウェルネスの弁護士が、検察官に対して、接触状況からケガが発生していたとは言い難いし、仮にケガが発生していたとしても、衝突との間に因果関係は認められないと主張しました。あわせて、事故直後の加害車両の写真(軽度の損傷にとどまる)を提出しました。

 

 

このような活動の結果、過失運転致傷と救護義務違反については嫌疑不十分で不起訴となり、当て逃げ(報告義務違反)で略式起訴され5万円の罰金刑にとどまりました。

 

 

行政処分についても免許取消を回避することができました。

*当て逃げ(危険防止措置義務違反、報告義務違反)の行政処分は免許停止にとどまります。

 

 

弁護士のコメント

ご依頼者は公務員だったため公判請求されれば、その時点で起訴休職となり、拘禁刑になった時点でたとえ執行猶予がついたとしても失職します。本事例は弁護側の主張が認められ、ひき逃げについては「嫌疑不十分」で不起訴となりましたので休職も失職も回避することができました。

 

 

もっとも、上記の主張が認められなかった場合でも「起訴猶予」での不起訴を可能とすべく、宥恕文言付きの示談書も確保しておくという万全の体制で臨みました。

 

 

 

【他の解決事例】

ウェルネスでは、本事例のような「嫌疑不十分」の獲得から、示談による「起訴猶予」まで、あらゆるケースを想定した弁護を行っています。ひき逃げ事件における起訴回避や免許維持は、初動の戦略で決まります。

 

当事務所がこれまでに手がけた豊富な解決実績をご覧ください。

ひき逃げの解決事例

 

 

今回の事例のように、公務員の方にとって、ひき逃げによる「起訴」は、そのまま失職や生活の破綻に直結しかねない重大なリスクです。しかし、適切な弁護活動によって、厳しい状況からでも不起訴を勝ち取れる可能性は十分にあります。

 

ひき逃げ事件の罰則や、不起訴になるための具体的な弁護活動について詳しく知りたい方は、以下のメインページをご覧ください。

ひき逃げは弁護士へ相談!不起訴になる事例や理由、方法を解説

 

 

【この記事の作成者】

弁護士 楠 洋一郎(第二東京弁護士会所属 / 第39896号)

【事務所名:ウェルネス法律事務所】

 

刑事事件の弁護士経験15年以上。これまで約3000件の刑事事件を取り扱ってきました。

 

ひき逃げの逮捕・事件化阻止や不起訴獲得の豊富な実務経験に基づき作成しています。


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