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住居侵入に強い弁護士
☑ 住居侵入で家族が逮捕された
☑ 住居侵入で自首を検討している
☑ 住居侵入の被害者と示談をしたい
☑ 住居侵入罪で前科をつけたくない
☑ 住居侵入の弁護士費用の相場が知りたい
このような方々のために、刑事事件の経験豊富な弁護士が住居侵入について解説しました。ぜひ参考にしてみてください。
目次
住居侵入とは
1.住居侵入罪の条文
住居侵入罪は刑法に規定されています。
【刑法130条】 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。 |
2.住居侵入罪の「住居」とは
住居侵入罪の住居とは、戸建て住宅やマンションの一室など、人が日常的に生活している場所のことです。
空き家は住居にはあたりませんが、ホテルの客室のように、一時的であっても、ある程度継続的に使用している場合は住居にあたります。
室内だけではなく、アパートの通路や共用階段、ベランダ、屋根の上も住居に含まれます。塀で囲まれた庭も住居の一部です。
3.住居侵入罪の「侵入」とは
住居侵入罪の「侵入」とは、居住者の意思に反する立ち入りのことです。居住者の承諾があれば侵入にあたらず、住居侵入罪は成立しません。
承諾は真意に基づいてなされることが必要です。脅迫されて無理やり承諾させられたり、「宅急便です」等と嘘を言われて承諾した場合、承諾は無効となります。
4.住居侵入罪の「正当な理由」とは
住居侵入罪は正当な理由なく住居に侵入したときに成立します。「正当な理由なく」とは「違法に」という意味です。
他人の住居に承諾なく立ち入った場合は、特別の事情がない限り、正当な理由がないものと考えられます。
正当な理由の有無が争いになるのは、政治目的のビラの投函や労働争議に関連して建造物に侵入した場合です。
住居侵入罪はどこから?
住居侵入罪はどの時点で成立するのでしょうか?
住居には庭やベランダ、マンションの共用部も含まれますので、これらに立ち入れば、室内に入っていなくても住居侵入罪が成立します。
庭やベランダ等に立ち入っていなくても、敷地内や室内に侵入するために、塀をよじ登ったり、鍵穴を開けようとしていれば、住居侵入罪の未遂になります。
住居侵入罪と建造物侵入罪の違い
建造物とは店や事務所、役所、学校など、住居と邸宅以外の施設のことです。
「邸宅」とは、住居として建てられたものの、現に生活に利用されていない建築物です。空き家やシーズンオフの別荘が邸宅にあたります。住居と同じく邸宅や建造物も屋内だけでなく敷地も含みます。
建造物侵入罪が成立するためには、住居侵入罪と異なり、人が管理していることが必要です。管理権者の意思に反して立ち入った場合に建造物侵入罪が成立します。邸宅侵入罪についても同様に考えることができます。
「管理人がいる」、「施錠している」、「警備会社と契約している」といった事情があれば、人が管理しているといえるでしょう。
住居侵入罪の刑罰
住居侵入罪の刑罰は3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。建造物侵入罪、邸宅侵入罪も同じです。
住居侵入と他の犯罪との関係
住居侵入は、それ自体が目的というよりも、窃盗や強制わいせつなど他の犯罪の手段として行われることが多い犯罪です。
住居に侵入した後、目的とした犯罪を実行した場合、住居侵入罪と目的とした犯罪の両方が成立します。
刑法で、2つの犯罪が手段と目的の関係にあるときは、最も重い刑によって処断すると定められています。これを牽連犯(けんれんはん)といいます。
例えば、住居侵入した後に室内で窃盗をした場合は、住居侵入罪と窃盗罪が成立しますが、重い窃盗罪の刑罰(10年以下の懲役or50万円以下の罰金)を基準として刑を言い渡します。
住居侵入罪の時効
住居侵入罪の時効は3年です。建造物侵入罪、邸宅侵入罪も同じです。
住居侵入後に窃盗や強制わいせつといった他の犯罪をしている場合は、住居侵入と他の犯罪は牽連犯の関係になり、重い犯罪の刑罰が科されますので、時効についても重い犯罪が基準になります。
| 時効 |
住居侵入後に窃盗をした場合 | 7年 |
住居侵入後に強制わいせつをした場合 | 7年 |
住居侵入後に強制性交をした場合 | 10年 |
住居侵入と逮捕・勾留
1.住居侵入と逮捕
住居侵入事件の逮捕率は54%です。
*このページの数値は2021年版の検察統計年報に基づいています。
*住居侵入には邸宅侵入・建造物侵入も含まれます。
居住者に見つかり取り押さえられた場合は、現行犯逮捕として扱われます。逃走した後に現場周辺で警察官に見つかった場合は緊急逮捕されることが多いです。
いったんその場から逃げた後、警察に身元を特定された場合は、令状逮捕される可能性が十分にあります。警察官が逮捕状を持って自宅や勤務先に来ます。
被疑者が侵入したことを認めている場合は逮捕されずに在宅捜査になることもあります。敷地やベランダにとどまらず室内に侵入したケースや、何度も繰り返し侵入しているケースでは逮捕される可能性が高くなります。
室内に侵入した後、窃盗や強制わいせつなど別の犯罪を実行していれば、逮捕される可能性がさらに高くなります。
2.住居侵入と勾留
逮捕は最長3日しかできませんが、検察官が勾留を請求し、裁判官によって許可されると原則10日にわたって勾留されます。
勾留が延長されると、さらに最長10日にわたって拘束されます。
住居侵入事件で被疑者が勾留される確率は74%、勾留が延長される確率は59%です。
住居侵入の加害者は、被害者の住居を知っているため、検察官や裁判官にお礼参りや口裏合わせのおそれがあると判断されやすく、勾留されることが多いです。
勾留を阻止するためには、弁護士が接触のおそれがないことを、意見書で丁寧に説明する必要があります。
住居侵入で自首して逮捕を回避する
住居侵入で後日逮捕を防ぐためには自首することが有効です。次の3つのケースでは自首を検討した方がよいでしょう。
1.盗撮目的でトイレ内に設置したカメラが回収されたケース
盗撮目的で飲食店やコンビニ、勤務先のトイレにカメラを設置した後、従業員やトイレの利用者にばれてカメラを回収されたケースです。
防犯カメラにトイレに侵入する姿が写っていたり、カメラを設置する際に自分の顔が写りこんでいたりすると、特定されて逮捕される可能性が高まります。
2.同じマンションの室内に入ったケース
意外に多いのが、同じマンション内での住居侵入のケースです。男性が興味本位で若い女性の部屋に侵入するケースが多いです。ベランダから侵入したり、ポストに入っていた居住者の鍵をとって侵入することが考えられます。
侵入中やその前後に見つかった場合は、逮捕される可能性が高くなります。マンション内の防犯カメラによって特定されることもあります。
3.前科・前歴のある方が住居侵入したケース
前科・前歴のある方の指紋情報は、捜査機関のデータベースに登録されています。住宅の門扉・フェンスやトイレの中に設置したカメラ本体に自分の指紋が付いていれば、特定されて逮捕される可能性が高くなります。
住居侵入の起訴率
住居侵入(邸宅侵入や建造物侵入も含まれます)の起訴率は41%です。起訴された住居侵入のうち略式請求されたケースが41%、公判請求されたケースが59%です。
略式請求されると簡易な略式裁判で罰金刑になります。罰金も刑罰ですので前科がつきます。
⇒略式裁判とは?罰金の金額や払えない場合について弁護士が解説
公判請求されると公開法廷で審理され、検察官から懲役刑を請求されます。
住居侵入の初犯は執行猶予?
住居侵入で捕まっても初犯の場合は、被害者との間で示談がまとまれば不起訴になる可能性が高いです。不起訴になれば前科はつきません。
示談が成立しない場合は略式裁判で罰金になる可能性が高いです。罰金額は10万円になることが多いです。住居侵入罪の罰金の上限は10万円ですので、複数の犯罪で起訴されない限り、罰金額が10万円を超えることはありません。
住居侵入後に窃盗・強盗・強制わいせつ等より重い犯罪に及んでいる場合は、初犯の方であっても公判請求される可能性が高くなります。
住居侵入と示談
1.住居侵入における示談の位置づけ
住居侵入罪は社会の平穏を害する面があります。この点を強調すると、被害者個人と示談しても、侵害された社会の平穏が回復するわけではないため、処分に影響はないということになります。
しかし、現在では、住居侵入罪は、「誰の立ち入りを許すか」という居住者や管理権者の意思を侵害する犯罪として捉えられています。
そのため、不起訴や執行猶予を獲得するためには、被害者である居住者や管理権者と示談をすることが最も重要です。
2.住居侵入の示談金の相場
のぞき目的で民家の敷地やマンションのベランダに侵入したケースでは、示談金の相場は10万円~30万円前後です。室内に侵入した場合や、以前から繰り返し侵入していたケースではより高くなります。
女性が一人暮らしをしているアパートに侵入した場合、被害女性は引っ越しを希望されることが多いため、引越し費用を示談金に上乗せすることが多いです。
住居侵入後に強制わいせつや強制性交等を行った場合は、より重い強制わいせつや強制性交等の示談金が基準になります。強制性交等の場合は示談金が200万円以上になることもあります。
住居侵入窃盗のケースでは、とった物の金額に慰謝料として10万円~30万円程度上乗せすることが多いです。
住居侵入の弁護士費用の相場は?
住居侵入をしただけで強制わいせつ、窃盗などの犯罪行為をしていない場合(=のぞき目的で侵入した場合)、弁護士費用の相場は逮捕されていないケースで55万~110万円程度、逮捕されているケースで66万円~220万円程度です(税込)。
逮捕されている事件では、釈放させるために弁護士が様々な活動をするため、逮捕されていない事件に比べ弁護士費用は高くなります。
のぞき目的で住居に侵入した場合は、前科がない限り、最悪でも略式裁判で罰金にとどまることが多いです。
これに対して、住居侵入後に窃盗や強制わいせつ、強制性交などを行った場合、初犯であっても公判請求される可能性が高くなるため、弁護士費用も高めになります。
住居侵入後に被害者にケガをさせた場合は、事後強盗致傷、強制わいせつ致傷、強制性交等致傷に問われることがあります。これらの犯罪で起訴されると裁判員裁判で審理されます。
裁判員裁判は連日、朝から夕方まで集中的に審理されるため、弁護士費用は上記の相場よりも高くなります。
住居侵入の弁護士費用はなぜ高くなる?
住居侵入の弁護士費用の相場について「高すぎる!」と思われたかもしれません。どうしてこのような金額になるのでしょうか?
住居侵入の弁護士費用が高くなる理由として、相談者側の事情と事務所側の事情があります。
1.相談者側の事情
住居侵入を弁護士に相談される方は、家族が住居侵入で逮捕されたり、自分に逮捕が迫っていたりして非常に焦っています。そのため、一刻も早く弁護士のサポートを受けたいと思っています。
とはいえ、住居侵入のような刑事事件で弁護士に相談する機会はそうそうないため、ほとんどの相談者が弁護士費用の相場について知識を持っていません。
そのような状況で弁護士からびっくりする程高い費用を提示されても、「背に腹は代えられない。」「どこの事務所でも同じだろう。」と考え、そのまま弁護士に依頼することが多いです。
2.事務所側の事情
住居侵入の相談者の傾向をふまえ、事務所としては、「法律相談に来てもらえれば弁護士費用が高くても受任できる。」と考えています。
住居侵入のような刑事事件については、相談者はインターネットで法律事務所を探すため、「最初に相談に来てもらう事務所」になるためには、ネット上の目立つ場所に事務所のホームページが表示されるようにする必要があります。
そのため、刑事事件をメインにしている法律事務所の多くは、ネットマーケティングに力を入れています。
ネットマーケティングを活用すれば多くの問い合わせを得ることができますが、多額の広告費がかかります。この広告費は弁護士費用に上乗せされるため費用が高額になるのです。
住居侵入の弁護士費用を節約すべき理由
一人暮らしの女性の部屋に侵入した場合、ほとんどの女性はホテルや実家に一時的に避難した後に、別の場所に引っ越します。
被害女性が引越しをしたケースでは、慰謝料に加えて引越し費用を請求されることが多いです。住居侵入が起きなければ引越しする必要がなかったのであれば、引っ越し費用の支払を拒むのは難しいです。
また、盗撮目的で店のトイレにカメラを設置した場合は、建造物侵入の被害者である店側との示談に加えて、盗撮の被害者との示談も必要になります。
住居侵入で弁護士に依頼される方の多くは予算に限りがあることでしょう。「弁護士費用で予算の大半を使ってしまい、示談できなかった。」-このようなことになれば、弁護士をつけた意味がなくなってしまいます。
予算に限りがある場合は、どのようなケースにも対応できるよう弁護士費用はできるだけ節約して示談金を残しておくべきです。
住居侵入の弁護士費用を節約するポイント
1.大手の事務所にこだわらない
大手の法律事務所は、事務所を維持するため、多くの事件を受任して莫大な売上を上げる必要があります。
刑事事件は親族や知人の紹介で弁護士に相談するような分野ではありませんので、構造的にネットマーケティングを活用しないとどこかで集客が頭打ちになります。
そのため、大手の事務所になるほど、多額の広告費を払ってネットマーケティングを活用する傾向があります。その結果、どうしても弁護士費用が高くなりがちです。
2.不明確な料金プランはさける
住居侵入のような刑事事件の弁護士費用については、「着手金〇万円~」と費用の上限が明記されていない料金プランもあります。また、「事案簡明な事件は〇万円」と抽象的な説明しかされていない料金プランもあります。
「最低額で受けてくれると思って相談に言ったら全然違っていた。」-このようなケースは弁護士相談によくあることです。
住居侵入は被害者との示談が必要となりますし、逮捕されることも普通にある犯罪ですので、決して「事案簡明な事件」ではありません。
弁護士費用を節約するためには、上限が決まっていて、委任契約書にはっきり記載してくれる事務所に依頼した方がよいでしょう。
3.複数の事務所の弁護士費用を比較する
住居侵入の弁護士費用にも相場はありますが、相場の中でも高い料金プランと安い料金プランを比較すると2倍あるいはそれ以上の違いがあります。
常識に照らして「高すぎるのでは?」と疑問に思ったら、弁護士費用の見積もりだけもらって、他の事務所にも相談に行かれるとよいでしょう。
多くの事務所で無料相談を実施していますので、無料相談を活用すれば、お金をかけずに複数の事務所の弁護士費用を比較できます。比較するだけで数十万円の弁護士費用を節約できることも多々あります。
住居侵入の弁護士費用-ウェルネス
ウェルネスの住居侵入の弁護士費用は逮捕されていないケースで44万円、逮捕されたケースで55万円になることが多いです(税込)。住居侵入で自首する場合の弁護士費用は22万円です(税込)。
ウェルネスは法テラス出身の弁護士が運営する法律事務所です。誰もが安心して私選弁護を利用できるよう、広告費を徹底的に削減して他の多くの事務所よりもリーズナブルな弁護士費用を実現しています。
住居侵入でお困りの方はぜひウェルネス(03-5577-3613)へご相談ください。
このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しました。
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