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当番弁護士とは?逮捕後すぐに呼べる無料の弁護士を活用しよう!

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

 

 

当番弁護士とは

当番弁護士とは、弁護士会から警察署や拘置所に派遣され、逮捕・勾留された被疑者や被告人と無料で1回接見する弁護士です。

 

 

国選弁護は国の税金によって運営されていますが、当番弁護は弁護士が負担する弁護士会費によって運営されています。当番弁護士の名簿に登録された弁護士は、弁護士会から特定の日に待機するよう指示されます。

 

 

被疑者や被告人が当番弁護士の派遣を希望すれば、その日に待機している弁護士の中から弁護士会がランダムに1名を選んで、留置先で接見するよう指示します。

 

当番弁護士の呼び方

1.被疑者・被告人による呼び方

当番弁護士の呼び方は非常に簡単です。被疑者・被告人が捜査官や留置担当の職員に「当番弁護士を呼んでください。」とひと声かけるだけです。あとの手続きは警察署や弁護士会の職員が全てしてくれます。

 

 

2.被疑者・被告人以外の方が呼ぶ方法

被疑者・被告人でなくても当番弁護士は誰でも呼ぶことができます。呼び方は弁護士会に電話をして「当番弁護士を派遣してください。」と依頼します。その際、ご本人がどこに留置されているのかも伝える必要があります。

 

 

電話をかける弁護士会は被疑者・被告人が留置されている都道府県の弁護士会になります。例えば、ふだん東京に住んでいる方が大阪の警察署で逮捕されたときは、大阪弁護士会に電話をすることになります。

 

 

当番弁護士に弁護してもらう方法

当番弁護士と1回接見して、「この人に弁護してもらいたい」と思った場合は、引き続き弁護を受けることができます。そのための方法は次の2つです。

 

 

1.私選弁護人として契約する

当番弁護士は無料で1回接見してくれるだけですので、継続的な弁護を受けたければ、私選弁護人として契約する必要があります。弁護士費用は接見中に当番弁護士と話し合って決めることになります。

 

 

ご自身は身柄拘束されているため、契約してもすぐに弁護士費用を支払うことはできません。そのため、弁護士がご家族に事情を説明して、ご家族から費用を払ってもらうケースが多いです。

 

 

2.国選弁護人になってもらう

当番弁護士を私選弁護人として選任すれば、少なくとも数十万円の弁護士費用を支払う必要があるでしょう。資産が50万円未満で弁護士費用を支払うことが困難な場合は、当番弁護士にそのまま国選弁護人になってもらうことができます。

 

 

国選弁護人として活動できるのは勾留された後になります。

 

 

そのため、勾留前の弁護活動を依頼するためには、私選弁護人として契約するしかありませんが、資産が50万円未満であれば「刑事被疑者弁護援助事業」を利用することによって、弁護士費用の援助を受けることができます。

 

 

当番弁護士のメリット

1.逮捕直後に呼べる

国選弁護人は被疑者が勾留された後に選任されます。そのため、勾留前に国選弁護人のサポートを受けることはできません。

 

 

これに対して、当番弁護士は、逮捕直後に呼ぶことができるため、勾留前にアドバイスをもらうことができます。

 

 

2.無料で接見してもらえる

当番弁護士に接見してもらうだけであれば、お金を払う必要はありません。無料でアドバイスを受けることができます。当番弁護士は弁護士会から報酬をもらっています。金額は接見1回で1万円前後です。

 

 

当番弁護士のデメリット

1.弁護士を選べない

当番弁護士を呼べば、弁護士会が、その日の当番名簿にのっている弁護士のうち1名をランダムに選んで派遣します。弁護士会に「刑事事件の経験豊富な弁護士をお願いします」等と注文をつけることはできません。

 

2.経験不足の弁護士もいる

弁護士であれば誰でも当番弁護士の名簿に登録してもらうことができます。そのため、刑事事件の経験がほとんどない新人弁護士や事務所を閉めた高齢の弁護士が登録していることも少なくありません。

 

 

3.逮捕・勾留されていないと呼べない

当番弁護士を呼べるのはご本人が逮捕・勾留されている場合のみです。刑事事件の半数以上は、在宅事件として捜査され、被疑者は逮捕・勾留されませんが、そのようなケースでは当番弁護士を呼ぶことはできません。

 

 

4.1回しか呼べない

当番弁護士を呼べるのは1回だけです。何度も無料で当番弁護士に来てもらうことはできません。継続的に弁護を受けたい場合は、私選弁護人として依頼したり、国選弁護人に切り替えてもらう必要があります。

 

 

5.依頼しても受けてもらえないことがある

4で述べたように、当番弁護士は1回接見してくれるだけですが、その弁護士に私選弁護人や国選弁護人になってもらうことにより、継続的に弁護を受けることができます。

 

もっとも、これは建前であり、実際は弁護をお願いしても断られてしまうことが少なくありません。

 

 

弁護士会のなかには、公益活動の一環として、当番弁護を義務として会員に求めているところもあり、「仕方がないからやっている」という弁護士も一定数いるからです。

 

 

当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人のどれがいい?

ステップ1:まずは当番弁護士を呼ぶ

逮捕されたらまずは当番弁護士を呼びましょう。

 

 

当番弁護士は逮捕されたらすぐに呼べるので、その利点を最大限活かすため、逮捕されたらできるだけ早く、警察官に「当番弁護士を呼んでください」と言ってください。

 

接見に来てくれた当番弁護士と話をして「この人に弁護してもらいたい。」と思ったら、弁護を依頼すればよいでしょう。当番弁護士が依頼を受けてくれれば、引き続き私選弁護人または国選弁護人として弁護してもらいましょう。

 

逆に「この弁護士で大丈夫なんだろうか?」と不安に思ったり、当番弁護士から依頼を断られてしまった場合は、別の国選弁護人か私選弁護人を検討することになります。

 

 

ステップ2:当番がダメなら国選を呼ぶ

国選弁護人については、経験不足の弁護士がいたり、初動が遅い、釈放後に弁護活動できないといったデメリットがあるので、弁護士費用を準備できるのであれば私選弁護人の方がよいでしょう。

 

 

とはいえ、ご本人は逮捕されているので、自分で私選弁護人を探して依頼することはできません。勾留前は家族との面会もできませんので、家族に「私選弁護人をつけてくれ」と伝えることもできません。

 

 

そのため、とりあえずは国選弁護人を呼びましょう。国選弁護人を呼べるのは最速で勾留請求された後です。検察官に勾留請求されれば、その日のうちに国選弁護人を呼ぶようにしてください。

 

 

国選弁護人の呼び方は捜査官や留置の職員に「国選を呼んでください。」と言うだけです。あとは裁判所や法テラスで手続きをしてくれます。

 

 

ステップ3:私選が接見に来たら私選にする

国選弁護人を呼べば遅くとも翌日の夜までには接見に来てくれるでしょう。その時点までに家族が選任した私選弁護人が接見に来てくれれば、私選弁護人に依頼すればよいでしょう。

 

 

私選弁護人に依頼すると国選弁護人は解任されます。私選弁護人が接見に来てくれなければ、そのまま国選弁護人に弁護活動をしてもらうことになります。

 

 

「知り合いの弁護士に私選弁護をお願いしたい」という場合は、留置の職員を通じて、その弁護士に接見を依頼し、私選の依頼をすることもできます。

 

 

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