保釈の相談は弁護士へ

 

保釈とは

保釈とは、保釈金を裁判所に納めることを条件として、裁判所(裁判官)が勾留の執行を停止し、被告人を釈放させることです。

 

 

保釈請求のタイミング

保釈を請求できるのは起訴された後になります。逮捕されればいつでも保釈を請求できると思っている人がいますが、起訴されるまでの間は保釈を請求することはできませんのでご注意ください。

 

起訴前に釈放を求めるためには、勾留阻止に向けた活動、勾留決定に対する準抗告、勾留取消し請求などがあります。

 

 

保釈金について

保釈金の額は事件によって異なってきますが、最低で150万円、平均で200万円程度です。本人が保釈後に逃亡したり、裁判所の定めた条件に違反した場合は、保釈金は没収されます。違反がなければ、預けた保釈金は判決が出た後に全額返還されます。

 

 

保釈の3類型

保釈には権利保釈、裁量保釈、義務的保釈の3つがあります。

 

保釈の請求があった場合、一定の除外事由に該当しない限り、裁判所は必ず保釈を許可しないといけません。これが権利保釈です。保釈を請求する弁護士は、まずは権利保釈の獲得を目指します。

 

除外事由に該当する場合、権利保釈は認められません。その場合でも、裁判所が被告人の様々な事情を考慮し適当と考えるときは、保釈が許可されます。これが裁量保釈です。弁護士は、権利保釈が認められないケースでは、裁量保釈を請求します。

 

まずは権利保釈→だめなら裁量保釈

 

権利保釈や裁量保釈が認められない場合であっても、勾留による身柄拘束が不当に長くなったときには特別に保釈が許可されます。これが義務的保釈です。ただ、実務上、義務的保釈が認められることはめったにありません。

 

そのため、保釈を理解するためには、まずは権利保釈と裁量保釈をおさえておく必要があります。

 

 

保釈の第1候補-権利保釈

権利保釈の除外事由

保釈請求があったときは、次の除外事由に該当しない限り、裁判所は必ず保釈しなければいけません。

 

【権利保釈の除外事由】

  1. 重大犯罪(死刑・無期・短期1年以上の懲役・禁錮にあたる罪)を犯した
  2. 以前に重大犯罪(死刑・無期・長期10年を超える懲役・禁錮にあたる罪)で有罪の宣告を受けた
  3. 常習として犯罪(長期3年以上の懲役・禁錮にあたる罪)を犯した
  4. 証拠隠滅のおそれがある
  5. お礼参りのおそれがある
  6. 被告人の氏名または住居がわからない

 

以下、各要件を個別にみていきましょう。

 

除外事由1:重大犯罪を犯した

死刑・無期・短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪の例として、次の犯罪が挙げられます。

 

殺人、傷害致死、強盗、強制性交等覚せい剤取締法違反(営利目的あり)、組織犯罪処罰法(詐欺)、危険運転致死

 

 

除外事由2:重大犯罪で有罪の宣告を受けた

死刑・無期・長期10年を超える懲役・禁固に当たる罪の例として、除外事由1の犯罪に加えて次の犯罪が挙げられます。なお、執行猶予判決であっても、有罪の宣告を受けたことにあたるとされています。

 

傷害、危険運転致傷

 

 

除外事由3:常習として犯罪を犯した

長期3年以上の懲役・禁錮に当たる罪の例として、除外事由1と2の犯罪に加えて次の犯罪が挙げられます。 

 

強制わいせつ覚せい剤取締法違反(単純使用・所持・譲渡)、大麻取締法違反詐欺恐喝横領飲酒運転

 

「常習」の例として、多数回にわたって被害者をだましていた振り込め詐欺、薬物犯罪の前科多数のケースが挙げられます。

 

 

除外事由④:証拠隠滅のおそれがある

権利保釈で実務上、もっとも問題になるのがこの要件です。権利保釈が却下されるケースの大半が、証拠隠滅のおそれがあることを理由としています。そのため、権利保釈を獲得するためには、証拠隠滅のおそれがないといえる具体的な事情を裁判官に指摘することがぜひとも必要になります。

 

 

除外事由⑤:お礼参りのおそれがある

一般的に示談が成立していれば、被害者との間で金銭補償の点を含め民事上の問題は解決していますし、示談書上も「許す」という文言がつけられている場合が多いので、お礼参りの可能性は低いと考えられます。このように、示談をすることによって、権利保釈の可能性が高くなります。特に強制性交等、強制わいせつといった性犯罪ではこの傾向が顕著です。

 

 

除外事由⑥:氏名・住所がわからない

住民票上の住所があっても、逮捕前にホテル等に潜伏し住居不定になっている場合はこの要件に該当します。

 

 

保釈の第2候補-裁量保釈

重大犯罪を犯した場合や、前科や常習性があり、権利保釈の除外事由に該当する場合、権利保釈は認められません。

 

例えば、傷害致死罪は、3年以上の懲役刑とされており、除外事由の①に該当します。また、オレオレ詐欺のように懲役刑の上限が3年以上の犯罪を何回も反復して行っている場合は、除外事由の③に該当します。

 

このような場合は、弁護士は裁量保釈を請求することになります。

 

裁量保釈とは、逃亡、証拠隠滅のおそれ、身柄拘束による健康上の不利益、経済上の不利益、裁判準備上の不利益などの事情を裁判所が総合的に考慮し、適当と認める場合に許可される保釈のことです。

 

例えば、逃亡や証拠隠滅のおそれがなく、

・被告人が重い病気を患っている(健康上の不利益が大きい)

・会社の経営に復帰しないと倒産のおそれが高い(経済上の不利益が大きい)、

裁判員裁判で被告人の準備の必要性が高い(裁判準備上の不利益が大きい)

等の事情がある場合は、裁量保釈が認められやすいといえます。

 

 

保釈と身元引受人

保釈が認められるためには、身元引受人を確保する必要があります。身元引受人とは、釈放中、本人が逃亡や証拠隠滅をしないよう監督する人間のことです。本人をきちんと監督するためには、本人と同居していることが一番です。そのため、ほとんどの場合、本人の家族が身元引受人になります。

 

 

保釈請求の流れ

①検察官に意見を求める

弁護士が保釈を請求すると、裁判官が検察官に保釈についての意見を求めます。

                                          

 

②検察官が意見を出す

検察官は書面で意見を述べます。意見の種類は「相当」(保釈してもよい)、「不相当」(保釈すべきでない)、「しかるべく」(裁判官の判断にお任せします)の3つです。検察官は「不相当」の意見を述べた場合、その理由を書面に記載しなければいけません。

 

 

③弁護士が裁判官と面接する

弁護士が希望すれば担当裁判官と面接することができます。この面接で裁判官から保釈金の金額について話があれば、保釈が認められる可能性が高いです。逆に保釈金について言及がなければ却下となる可能性が高いです。

 

 

④保釈についての決定がでる

通常、弁護士が裁判官と面接した当日に保釈についての決定がでます。保釈が認められる場合は保釈許可決定、認められない場合は保釈却下決定が出ます。

 

【進行イメージ】

2月5日(月)午後1時

起訴

2月5日(月)午後3時

弁護士が裁判所に保釈請求書を提出

2月5日(月)午後5時

裁判官が検察官に意見を求める

2月7日(火)午後3時

検察官が裁判官に意見書を提出

2月8日(水)午後1時

弁護士が裁判官と面接

2月8日(水)午後3時

保釈許可決定

2月8日(水)午後4時

弁護士が裁判所に保釈金を納付

2月8日(水)午後5時

被告人が保釈される

保釈を請求してから結果かでるまでの期間は通常2~4営業日です。1週間を超えることはほとんどありません。

 

 

保釈と実刑判決

実刑判決が下されると保釈はその瞬間に失効します。裁判終了後、そのまま身柄を拘束され、拘置所に移送されることになります。この場合でも再保釈を請求して認められれば、最短で当日中に保釈されます。

 

実刑判決が予想される場合は、あらかじめ再保釈を請求するか否か弁護士と打ち合わせをしておきます。

 

 

実刑判決後の再保釈

再保釈については、法律により、権利保釈は認められません。そのため、裁量保釈を請求することになります。

 

裁判官は、保釈を認めるかどうかの判断にあたって、逃亡の可能性がどの程度あるのかを重視します。再保釈請求の場合、既に実刑判決が出ていることから、第一審で保釈請求した時に比べると、逃亡の可能性が高いと判断されがちです。

 

とはいえ、保釈中に逃亡していないという実績もありますので、監督環境などに大きな変化がなければ、再保釈請求が認められる可能性は十分にあります。

 

 

保釈をあきらない

保釈請求は一度却下されても何度でもすることができます。たとえ保釈請求が却下されたとしても、あきらめずに2度、3度とトライすることが大切です。「一度却下された以上、何度やっても同じではないか?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

 

保釈請求が却下された場合、検察官は却下を求める意見書を裁判官に提出しています。弁護士がこの意見書を閲覧することによって、検察官の問題意識を把握することができ、次の保釈請求に活かすことができます。

 

また、証拠隠滅のおそれがあれば保釈は認められませんが、証拠隠滅のおそれは、時が経つにつれ小さくなっていきます。なぜなら、時間が経つにつれ、裁判でより多くの証拠が調べられていきますが、調べ終わった証拠は隠滅する意味がないからです。そのため、時が経つにつれ、証拠隠滅のおそれが小さくなり、保釈請求が認められやすくなるのです。

 

 

ウェルネスの保釈対応

ウェルネスでは、起訴されることが予想される事案については、起訴直後に保釈請求を行えるよう、実際に起訴される前から保釈請求の準備を進めます。また、保釈請求が却下されてもあきらめません。2度、3度と粘り強くトライします。

 

 

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