検察官の保釈意見とは?3つのタイプと活用方法を弁護士が解説

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

検察官の保釈意見とは?

弁護士が保釈請求をすると、裁判官がその請求を許可するか却下するかを判断します。どの裁判官でも、判断を下す前に必ずすることがあります。それは検察官に意見を求めることです。

 

刑事訴訟法という法律で、裁判官は、保釈についての判断を下す前に検察官の意見を聴かなければならないと決められています。

 

そのため、裁判官はまず検察官に「求意見書」という書面を交付します。求意見書の1枚目は選択式・書き込み式になっており、この書面で検察官は保釈請求を許可すべきかどうかの意見を明らかにします。

 

これが検察官の保釈意見です。保釈に反対する場合、検察官はその理由を書面で明らかにしなければいけません。求意見書の2枚目以降に反対意見を記載した書面をくっつけて裁判所に戻します。

 

裁判官は、弁護士の保釈請求書と検察官の意見書を参考にして、保釈を許可すべきかどうかを判断します。

 

検察官が意見書を出さない限り、裁判官は保釈請求について判断できません。そのため、検察官にとっても意見書の作成は最優先の仕事になります。弁護士が保釈請求をして、裁判所から求意見書が回ってくると、検察官は今している仕事をいったんストップして、意見書の作成にとりかかります。

 

保釈意見には3種類ある

検察官の保釈意見には次の3つのタイプがあります。

 

① 保釈請求を相当と思料する→保釈でOK 

② 保釈請求を不相当と思料する→保釈はダメ

③ 保釈請求をしかるべくと思料する→裁判官の判断に委ねる

 

検察官が①や③の意見を出した場合は、ほぼ100%保釈が許可されます。

 

検察官が①や③の意見を出すことはめったにありませんが、自白事件で、審理が全て終わって執行猶予判決の可能性が高い場合は、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いといえるため、このような意見が出されることもあります。

 

ほとんどのケースでは、検察官は②の意見を出してきます。この場合は不相当と考える理由についても書面で明らかにしなければいけません。

 

②については、書き方のバリエーションがあります。基本形は「保釈請求を不相当と思料する」というものですが、「不相当であり却下すべき」とか「不相当であり直ちに却下すべき」等とより強調した表現を記載する検察官もいます。

 

*ウェルネスの弁護士は、「不相当であり絶対に却下すべき」と記載された意見書で保釈を獲得したことがあります。

 

検察官の意見書は閲覧・コピーできる

弁護士は裁判所に申請して検察官の意見書を閲覧することができます。コピーすることもできます。ただし、閲覧したりコピーできるのは、通常は、保釈についての判断が出た後になります。判断が出る前は、担当裁判官が記録一式を検討しており、意見書を借り出すことができないためです。

 

そのため、弁護士が、あらかじめ検察官の意見書を確認した上で、裁判官面接に臨むことはできません。

 

検察官の意見書を閲覧する目的

検察官の意見書を閲覧できるのは保釈についての判断が出た後になります。保釈が却下された場合、検察官の意見書には保釈を却下すべき理由が記載されています。

 

弁護士が意見書を閲覧することによって、検察官が何を問題にしているかを把握し、それを踏まえて次回の保釈請求にいかすことができます。(準)抗告という形で不服申し立てを行う場合も、あらかじめ検察官の意見書を閲覧した上でそれに対する反論を申立書に記載します。

 

一方、保釈が認められた場合は、必ずしも意見書を閲覧する必要はありません。もっとも、意見書には余罪捜査の進捗状況など、弁護士が把握していなかった情報が含まれていることもありますので、閲覧するにこしたことはないでしょう。

 

 

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