万引き

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

万引きの罪名と刑罰

万引きは刑法の窃盗罪になります。刑罰は10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

 

万引きで逮捕される5つのケース

次の4つのケースのいずれかに該当する場合は、逮捕される可能性が高くなります。

 

①否認しているケース

万引きは現行犯で捕まることがほとんどです。店員や私服警備員に犯行状況を現認されており、店舗内には防犯カメラもあるので、否認しようと思えば、「勝手に手が動いてしまった。」とか「一瞬記憶がなくなった。」等と不合理な弁解にならざる得えません。

 

このような弁解をしていると「反省しておらず悪質」と判断されて逮捕されやすくなります。

 

②逃げようとしたケース

店員や私服警備員に声をかけられたが、その場から逃げようとして、結局捕まってしまったときも逮捕される可能性が高いです。逮捕の要件として逃亡のおそれがあげられますが、現にその場から逃げようとしている以上、逃亡のおそれを否定できないからです。

 

③前科が複数あるケース

万引きは一発で実刑になるような犯罪ではありません。とはいえ、前科が複数あれば、実刑になる可能性が高まります。

 

そうなると、「刑務所行きになるくらいなら逃げた方がまし」と考える人も出てきます。そのため、前科が複数あると「逃亡のおそれ」という要件を満たし、逮捕される可能性が高まります。

 

④営利目的で余罪が多数あるケース

自分で使用するためではなく、他人に売って利益を得るために、書店や衣料品店で万引きをして、とった商品をネットオークションやフリマアプリに出品しているケースがあります。

 

営利目的の万引きは、余罪も多数で被害金額も高額になりがちです。そのため、警察に悪質と判断され、逮捕されることが多いです。

 

⑤住居不定のケース

万引きは被疑者のうち住居不定の方の占める割合が最も多い犯罪です。住居不定の方は、その日の食べ物に困り、安価な食料品を万引きして捕まることが多いです。

 

住居不定であれば「いつでも逃げられる状況にある」と思われ、100円のパンを1個万引きしただけでも逮捕されてしまいます。住居不定の方は逮捕・勾留された後に国選弁護人を選任するケースがほとんどです。

 

万引きで逮捕されたらいつ釈放される?

万引きで逮捕された場合、万引きしたことを素直に認めており、前科・前歴がなく、同居の家族がいるなど身元が安定していれば、勾留前に釈放される可能性が高いです。日数でいうと逮捕翌日から3日後までの間に釈放されることが多いです。

 

弁護士が、万引きしたことを認める本人作成の上申書や家族の身元引受書を検察官や裁判官に提出して早期釈放を求めます。

早期釈放を実現する

 

万引きで勾留される4つのケース

次の4つのケースではすぐに釈放されず勾留される可能性が高くなります。

 

①不合理な否認をしているケース

「頭がぼーっとしていて記憶にありません。」等と不合理な否認をしている場合は、検察官に簡易鑑定が必要と判断され、勾留されることが多いです。

 

②執行猶予中のケース

執行猶予中に再び起訴されると、実刑になる可能性が高いため、逃亡を防ぐため勾留されることが多いです。

 

③営利目的で余罪多数のケース

この場合は、余罪の捜査が必要として勾留されることが多いです。

 

④住居不定のケース

住居不定の方は、釈放すると再び出頭させることが難しくなるので勾留されます。

 

万引きで後日検挙が少ない理由

万引きは現行犯で検挙されることが圧倒的に多い犯罪で、後日検挙されるケースはほとんどありません。

 

万引きする人の中には、同じ店舗で何回も万引きする人が少なくありません。もし従業員が以前に万引きした人を後日見つけても、現行犯で検挙したわけではないので、万引きされた品物を特定することは難しいです。

 

店舗内に防犯カメラがあったとしても、精度の問題から、被害品の特定までには至らないことが多いです。

 

万引きは財産犯であり、「何をとったのか」というのは最も重要な要件であるため、被害品が特定できない場合は、起訴することが難しく、警察も被害届を受理したがりません。

 

逆にカメラの精度や売り場の状況から何をとったのかが明確にわかる事案であれば、警察が被害届を受理し、後日検挙される可能性があります。

 

そのため、万引きで検挙されるのは現行犯が基本になります。

 

万引きで後日検挙されうる3つのケース

万引きは現行犯での検挙が基本ですが、次の3つのケースでは後日検挙されることがあります。 

 

①逃げたときに免許証などを落としたケース

万引きした後に店員や従業員に声をかけられ、その場から逃げたが、財布や携帯電話を落としてしまった場合は、後日検挙される可能性が非常に高いです。

 

③防犯カメラの性能が高い場合

防犯カメラの性能が高く、売り場の状況から何をとったのかが明確にわかる事案であれば、警察が被害届を受理し、後日検挙される可能性があります。

 

③時間単位で管理しているポスシステムがある場合

防犯カメラだけでは精度の問題で特定に至らない事案でも、全ての商品について店への納入時刻とレジを通過した時刻がわかるポスシステムを導入している場合は、電子ジャーナルの記録から被害品を特定できることもありますので、後日検挙される可能性があります。

 

万引きで後日逮捕を防ぐために

万引きで後日逮捕を防ぐためにできることとして、警察に自首することが考えられます。万引きは犯罪としては軽微であり、自首すれば逮捕を回避できることが多いです。

 

ただ、逮捕を回避できても、通常は、警察から家族に連絡が入ります。家族に知られたくないという方は、自首する際に弁護士に同行を依頼すれば、通常、その弁護士が身元引受人になることもできますので、基本的に家族に連絡がいくことはありません。

自首の相談は弁護士へ

刑事事件が家族に知られるタイミングと知られないようにする方法

 

万引きの刑事処分-微罪処分から実刑まで

万引きは初犯であれば、微罪処分になることも多々ありますし、もし書類送検されても起訴猶予で不起訴処分になる可能性が高いです。もっとも、回を重ねるごとに、処分もだんだん重くなっていきます。

 

略式裁判で罰金刑に処された方が再度万引きをすると、今度は正式裁判で執行猶予付きの懲役刑を科されることが多いです。それでも万引きをやめることができずに検挙されると、実刑判決の可能性が高まります。

 

万引きと常習累犯窃盗

万引きは窃盗罪になりますが、窃盗罪などで過去10年間に3回以上、6ヶ月以上の懲役刑を受けた者が、常習として万引をした場合は、常習累犯窃盗罪が成立し、3年以上の実刑に処せられます。

 

常習累犯窃盗で起訴されるのは、生活困窮者かクレプトマニアの方が多いです。

 

万引きの刑事弁護

1.示談をする

起訴するか不起訴にするかを決めるのは検察官です。検察官は処分を決めるに当たり示談を非常に重視しています。

 

初犯であれば示談をすればほぼ確実に不起訴になります。前歴が1、2件あったとしても、示談をすれば不起訴になる可能性が高いです。前科があっても、執行猶予中の再犯でない限り、示談が成立すれば不起訴の余地があります。

 

万引き事件では、示談交渉に入ることができれば、実際に示談を締結できる可能性はかなり高いです。示談金の額については、被害金額をベースとして、迷惑料としてある程度の金銭を上乗せすることになるでしょう。

示談の相談は弁護士へ

 

【不起訴を獲得するために】

 弁護士が示談書を検察官に提出します。

 

2.被害弁償を行う

示談が困難な場合は、万引きした商品の販売価格に相当する金銭を、被害店舗の店主や店長に受け取ってもらえるよう交渉します。受け取ってもらえれば被害が事後的に回復されたことになり、本人にとって有利な情状になります。

 

【不起訴を獲得するために】

弁護士が被害弁償の領収証を検察官に提出します。

 

3.専門家の援助を受ける

万引きの常習者のなかには、お金に困っているわけではないのに、万引きしたいという衝動を抑えきれず何度も同じ過ちを繰り返してしまう人がいます(クレプトマニア、窃盗症)。そのような方には専門家のサポートが必要です。専門家の治療を受けることによって窃盗癖を改善していきます。

 

【不起訴を獲得するために】

弁護士が受診証明書、医師の意見書などを検察官に提出します。

 

4.自助グループに参加する

再発防止のために窃盗症患者のための自助グループに参加してもらいます。グループで他の窃盗症患者とつながりを持ちながら、さまざまな体験談を聞くことで、自分自身の更生プランを改善していくことができます。

  

【不起訴を獲得するために】

ご本人に自助グループでのやりとりを報告書にまとめてもらい、弁護士が検察官に提出します。

 

5.一人で店に行かない

窃盗癖のある方は、一人でふらっとスーパーやコンビニに入って万引きをしてしまうことがあります。再発防止のために、買い物に行くときは家族に付き添ってもらう、ネットスーパーを利用する等の対策を講じるとよいでしょう。

 

【不起訴を獲得するために】

弁護士がネットスーパーの領収書やご家族作成の陳述書を検察官に提出します。

 

6.その他の弁護活動

① 早期釈放を目指す

逮捕・勾留されている場合は、早期釈放に向けた弁護活動を行います。

 

② 寄付をする

示談や被害弁償ができなかった場合、反省の気持ちを示すために慈善団体等へ贖罪寄付(しょくざいきふ)をします。弁護士が検察官に寄付したことの証明書を提出します。

 

③ ご家族に監督してもらう

ご家族に本人を監督するよう誓約してもらいます。具体的な監督方法としては、①買い物に付き添う、②本人が買ってきたものとレシートを突合する、③冷蔵庫や本人の部屋に見慣れない物がないかチェックするといったことが考えられます。

 

オーダーメイドの弁護活動

このページでご紹介している弁護方針は一つの例にすぎません。ベストな弁護活動は各々の事件によって異なります。ウェルネスでは、数多くのノウハウに基づき、一つ一つの事件に対応した完全オーダーメイドの弁護活動を行います。

 

 

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