クレプトマニアに強い弁護士とは?弁護士の選び方・弁護活動・費用を解説

クレプトマニアに強い弁護士とは?

 

クレプトマニアとは、盗みたいという衝動をコントロールすることができず万引きを繰り返してしまう精神疾患です。窃盗症ともいいます。クレプトマニアの刑事弁護には特有のポイントがあります。

 

 

このページではクレプトマニアに強い弁護士の選び方や、ポイントをふまえた弁護活動の種類、さらには弁護士費用について弁護士 楠 洋一郎が解説しました。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

 

クレプトマニアに強い弁護士とは?

クレプトマニアに強い弁護士とは?

 

1.クレプトマニアの弁護経験が豊富な弁護士

刑事弁護のなかでもクレプトマニアはほとんどの弁護士にとってなじみの薄い分野です。クレプトマニアの弁護は単に示談をまとめて終わりというわけではありません。

 

 

弁護士が治療の必要性や有効性を検察官や裁判官に納得してもらう必要があります。そのためには、クレプトマニアの病態や認知行動療法、条件反射制御法についての深い理解が必要になります。

 

 

クレプトマニアの経験豊富な弁護士であれば、クレプトマニアについての深い理解を反映した弁護活動を展開することができます。

 

 

2.専門家と連携して活動できる弁護士

クレプトマニアは精神疾患です。そのため、責任能力への影響を分析したり、治療プランを立てるためには、医師等の専門家によるサポートが不可欠です。

 

 

専門家に意見書を書いてもらったり、証人として法廷で証言してもらうこともあります。

 

 

そのため、クレプトマニアの専門家と連携しながら弁護活動を進めていける弁護士、専門家とつながりのある弁護士がクレプトマニアに強い弁護士といえるでしょう。

 

 

3.更生を念頭において活動する弁護士

クレプトマニアの方が更生するためには、家族や弁護士と共に治療への道筋をつけ、再犯防止のための環境作りをしていく必要があります。

 

 

刑事弁護もそのような環境づくりのための大きなきっかけになります。

 

 

目の前の事件について不起訴や執行猶予を獲得するだけではなく、「まず治療ありき」という姿勢で弁護方針を組み立ててくれる弁護士こそ、クレプトマニアに強い弁護士と言えるでしょう。

 

 

クレプトマニアに強い弁護士の選び方

クレプトマニアに強い弁護士の選び方

 

1.私選弁護人から選ぶ

万引き(窃盗)は覚せい剤事件と並んで、国選弁護の分野でもっとも多いタイプの犯罪です。

 

 

ただ、国選弁護人が扱っている万引きは、「生活困窮型の万引き」であり、クレプトマニアという観点から弁護活動をすることはめったにありません。

 

 

国選弁護の経験しかない弁護士は、治療的司法に理解がなく、示談などの定型的な活動しかしてくれない可能性があります。

 

 

そのため、私選弁護人としてクレプトマニアの弁護を数多く経験している弁護士を選んだ方がよいでしょう。

 

 

2.インターネットで事務所を選ぶ

クレプトマニアの事件を数多く取り扱っている弁護士はほとんどいません。そのため、親族や友人に紹介してもらった弁護士が、たまたま「クレプトマニアに強い弁護士」である可能性は低いと思われます。

 

 

クレプトマニアに強い弁護士は親族や友人の紹介ではなく、インターネットで探すのが一般的です。

 

 

刑事事件に注力している弁護士事務所の中には、クレプトマニアの弁護方法や解決事例について詳しく紹介している事務所があります。そのような事務所の中からいくつかピックアップするとよいでしょう。

 

 

3.弁護士に会って選ぶ

インターネットでいくつかの事務所をピックアップした後は、法律相談という形で実際に弁護士に会ってみるとよいでしょう。弁護士に直接クレプトマニアの弁護経験や実績を確認してみてください。

 

 

クレプトマニアは通常の万引きと異なり、治療経過を弁護活動に反映することが必要になるため、弁護士がご本人やご家族と密にやりとりすることが必要です。

 

 

そのため、連絡のタイミングや頻度についても確認しておくとよいでしょう。

 

 

クレプトマニアを弁護士に相談する際のポイント

クレプトマニアを弁護士に相談する際のポイント

 

クレプトマニアの方は、窃盗の前科や前歴が複数あることが多いです。弁護士がクレプトマニアの相談を受ける際には、前科や前歴の確認にかなり時間がかかることが多いです。

 

 

法律相談を受ける前にあらかじめ前科・前歴に関する以下の情報を紙に書いておくと、弁護士への相談がスムーズに進むでしょう。

 

 

【前科・前歴に関する情報】

・万引きの発生時期

・万引の発生場所

・万引きした物と金額

・取扱い警察署

・裁判を受けた場合は判決の日

・最終的な処分(不起訴、罰金、執行猶予など)

 

 

弁護士事務所のなかには無料相談を実施しているところもありますが、「30分無料」とか「1時間無料」など時間が限られています。

 

 

そのため、弁護士費用を節約するためにも、前科・前歴については事前にまとめておくとよいでしょう。

 

 

クレプトマニアに強い弁護士による8つの活動

典型的なクレプトマニアの弁護活動は次のとおりです。

 

クレプトマニアの8つの弁護活動

 

①クレプトマニアの治療のための体制を整える

クレプトマニアで執行猶予を獲得するためには、専門のクリニックに通院することが必要です。

 

 

逮捕・勾留されている場合は保釈されてからの動きだしになります。そのため、弁護士が保釈請求をして早期に釈放させることが重要です。

 

 

お礼参りといった証人威迫のおそれがあると保釈は難しくなります。ただ、クレプトマニアのような万引き事件では、本人がお礼参りに行っても、店をあげて対応できるので、個人を被害者とする性犯罪等のケースと異なり、証人威迫の可能性は低いといえます。

 

 

また、クレプトマニアの方は、窃盗症を治療するために、クリニックに通院する必要性が高いといえます。

 

 

保釈請求をするにあたり、弁護士がこれらの点を主張すれば、クレプトマニアの方であっても起訴直後に保釈が許可される可能性が高いです。

保釈を弁護士に相談-保釈金・申請が通る確率・保釈の流れ

 

 

②弁護士がクレプトマニアであることを主張する

精神疾患の診断基準(DSM-5)によれば、「万引きした物を自分や家族のために使う目的」が少しでもあれば、クレプトマニアではないということになります(診断基準A)。

 

 

弁護士がクレプトマニアの主張をすると、検察官は決まってこの基準を持ち出し、「被告人の行為は診断基準Aを満たしていないのでクレプトマニアではない。」と反論してきます。裁判所も同じ理由でクレプトマニアではないと判断することが多いです。

 

 

もっとも、病的窃盗の事例では自分が食べるために食料品を万引きするケースが多く、診断基準Aを厳格にあてはめると、クレプトマニアの人はほとんどいなくなってしまいます。

 

 

赤城高原ホスピタルの竹村道夫医師も「診断基準Aは、窃盗の主たる動機が、その物品の用途や経済的価値でなく、衝動制御の問題にあるという意味に許容範囲を広く理解すべきである。」と述べています(BRAIN and NERVE第68巻第10号別刷)。

 

 

弁護士がクレプトマニアの診断書を提出するだけではなく、診断基準Aを柔軟に解釈すべきことを主張します。

 

 

③弁護士がクレプトマニアの治療状況を説明する

クレプトマニアは精神疾患ですから、本人の意思だけで克服することはできません。裁判官の前で「もう二度と万引きしません。」と言って執行猶予になったのに、1週間後に再び万引きをして逮捕されたケースもあります。

 

 

クレプトマニアを克服するためには、専門のクリニックで継続的に治療を受ける必要があります。

 

 

不起訴や執行猶予を目指すのであれば、処分が出るまでになるべく多く通院し、治療への道筋をつけておきたいところです。早めにクリニックに連絡して初診の予約をとるようにしましょう。

 

 

クリニックに通院するたびにご本人に報告書を作成してもらい、弁護士が検察官や裁判所に提出します。主治医に証人として出廷してもらうこともあります。

 

 

④弁護士が自助グループの参加状況を説明する

自助グループとは、依存症の方が定期的に集まり、ミーティング形式でお互いの体験や悩みを共有するグループです。参加費用は無料か実費程度のことが多いです。

 

 

アルコール依存症や薬物依存症など依存症のタイプに応じて自助グループが存在します。クレプトマニアについてもKAという自助グループがあります。

 

 

自助グループに参加しクレプトマニアの方と交流することによって、「悩んでいるのは自分だけではない」ということを実感でき、更生の動機付けになります。

 

 

自助グループに参加するたびに、本人にミーティングの内容を書面にまとめてもらい、弁護士が検察官や裁判官に提出します。

 

 

⑤弁護士が責任能力に問題があることを指摘する

クレプトマニアであっても完全責任能力が認められる可能性が高いです。しかし、完全責任能力は心神喪失と心身耗弱以外の全ての状態を含む幅の広い概念です。

 

 

そのため、完全責任能力であっても、心神耗弱に至らない程度に責任能力に問題ありと認定され、減刑されるケースは少なくありません。

責任能力とは?無罪になる理由や精神鑑定の3つのタイプを解説

 

 

万引きについて「ちょっと変だな」という特徴があれば、弁護士が検察官や裁判官に指摘し、責任能力に問題があり処分を軽減すべきことを主張します。

 

 

【変な状況の例】

☑ 万引きした食料品が自分用や家族用としてはあまりにも多い

☑ 資産家でお金に全く困っていないのに万引きした

☑ いったん万引きした店舗に戻って再び同じ物を万引きしている

 

 

⑥弁護士が家族の協力体制を説明する

クレプトマニアは精神疾患であり、本人の努力だけで克服できるものではありません。クレプトマニアを治療するためにはご家族の協力が必要です。

 

 

ご家族には再犯防止のため以下のような形で本人をサポートしてもらいます。

 

 

☑ 本人が買い物に行く際に同行する

☑ 本人がクリニックへ通院する際に送迎する

☑ 本人と密にコミュニケーションをとる

 

 

ご家族にどのようなサポートができるかを陳述書にまとめてもらい、弁護士が検察官に提出します。起訴されれば情状証人としてご家族に出廷してもらいます。

情状証人とは?尋問の流れや本番で役に立つ4つのポイントを弁護士が解説

 

 

⑦クレプトマニアを言い訳と言わせない

日本の刑事裁判では供述調書が重視されます。そのため、不利な調書をとられると、いくら裁判でクレプトマニアであることを主張しても、「言い訳している」と思われ受け入れてもらえない可能性が高くなります。

 

 

【不利な調書の例】

「お金を節約するために万引きしました。」

「前から欲しかったので万引きしました。」

「万引きしたいという衝動がコントロールできないわけではありません。」

 

 

クレプトマニアの方は、自分がどうして万引きをしたのか説明できないことが多いです。もっとも、取調官に対して「どうして盗んだのかわかりません。」と言っても、なかなか納得してもらえません。

 

 

不利な調書をとられないよう、弁護士が取調べに同行し本人をサポートします。

弁護士が教える取調べ対応の極意-録音・弁護士の立ち会いは?

 

 

⑧弁護士が実刑では更生につながらないと主張する

性依存や薬物依存については刑務所の中で更生プログラムを受けることができます。

 

 

これに対して、クレプトマニアについては、いくつかの刑務所で試験的に更生プログラムが実施されていますが、全国規模で導入されているわけではありません。

 

 

そのため、刑務所でクレプトマニアの治療を受けることは困難です。弁護士としては、このような実情をふまえて、窃盗症の治療を途切れさせないためにも、執行猶予を付けて社会内で更生させるのが適切であると主張すべきです。

 

 

クレプトマニアの弁護士費用の相場

クレプトマニアの弁護士費用の相場

 

クレプトマニアの弁護士費用の相場は、逮捕されていないケースで60万円~90万円、逮捕されているケースで70万円~150万円です。

 

 

通常の万引き事件の費用相場は、逮捕されていないケースで50万円~80万円、逮捕されているケースで60万円~120万円ですので、それより高くなります。

 

 

クレプトマニアの弁護士費用が高めになる理由は以下の2つです。

 

①前科・前歴が複数ある方が多く弁護の難易度が上がる

②専門家との連携が必要になる

 

 

クレプトマニアの弁護士費用を節約すべき理由

クレプトマニアの弁護士費用を節約すべき理由

 

クレプトマニアの方は窃盗の前科や前歴があるケースが多いです。そのため、簡単に不起訴や執行猶予をとれるわけではありません。

 

 

不起訴や執行猶予を獲得するためには、専門のクリニックに通院することが必要です。重い窃盗症のケースでは集中的な入院治療を受けてもらうこともあります。

 

 

クレプトマニアの専門家に意見書を作成してもらったり、刑事裁判に証人として出廷してもらうこともあります。

 

 

弁護士費用が高いと予算のほとんどが弁護士費用に消えてしまい、集中的な治療や専門家と連携した弁護が難しくなります。

 

 

予算に限りがある場合は、十分な治療や専門家との連携を可能とするため、なるべく弁護士費用を節約した方がよいでしょう。

 

 

クレプトマニアの弁護士費用を節約するポイント

クレプトマニアの弁護士費用を節約するポイント

 

1.日当が発生しない料金プランを選ぶ

日当とは弁護士が事務所の外で活動する際に発生する費用です。日当には接見日当と出廷日当があります。

 

 

接見日当は弁護士が1回接見する度に発生する費用です。出廷日当は弁護士が1回裁判所に行く度に発生する費用です。どちらの日当も3~5万円が相場です。

 

 

通常の万引きであれば、逮捕されても数日で釈放に持ち込めることが多いですが、クレプトマニアのケースでは、前科・前歴が複数ある方が多く、勾留されることも少なくありません。

 

 

また、裁判で責任能力を争ったり、専門家に出廷してもらう場合は、1,2回の出廷では終わらないこともあります。

 

 

弁護士費用を節約するためには、接見日当や出廷日当がかからない料金プランを選ぶとよいでしょう。

 

 

2.複数の事務所の弁護士費用を比較する

クレプトマニアの弁護士費用にも相場はありますが、かなり幅の広い相場であり、事務所によっては2倍以上の違いがあることも少なくありません。

 

 

まずは複数の事務所に相談に行き、弁護士費用の見積もりを出してもらうことをお勧めします。複数の事務所の料金プランを比較するだけで、数十万円の弁護士費用を節約できることも少なくありません。

 

 

クレプトマニアの弁護士費用-ウェルネスの場合

クレプトマニアの弁護士費用

 

ウェルネスのクレプトマニアの弁護士費用は、逮捕されていないケースでは60万円(税込)、逮捕されていないケースでは99万円(税込)が上限になります。

*再度の執行猶予を獲得した場合は11万円(税込)が加算されます。

 

 

ウェルネスは法テラス出身の弁護士が運営する法律事務所です。誰もが私選弁護を手軽に受けられるよう、弁護士費用を抑える様々な試みをしています。

刑事事件の弁護士費用が安い法律事務所

 

 

予算に限りがあるば専門的な弁護を受けたいという方はお気軽にウェルネス(03-5577-3613)までお電話ください。

 

 

 

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