暴行

 

暴行の基礎知識

暴行罪の刑罰

年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料(刑法208条)

 

 

暴行罪と他の犯罪との関係

暴行した結果、被害者がけがを負えば傷害罪(15年以下の懲役または50万円以下の罰金)になります。警察官等の公務員に暴行した場合は公務執行妨害罪(年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金)になります。

 

 

暴行と逮捕

刑事事件として立件された暴行罪のうち被疑者が逮捕されたケースは45%です。路上、駅など公共の場所や飲食店などで暴行事件を起こし警察に通報されれば、本人の言い分や社会的地位にかかわらず、その場で逮捕されてしまうことが少なくありません。

 

 *本ページの数値は平成28年検察統計年報に基づいています。

 

暴行で逮捕された後、勾留される確率は58%、勾留(原則10日・最長20日)が延長される確率は41%です。犯罪としては比較的軽微な部類に入るので、適切な弁護活動によって早期の釈放を実現できる場合が多々あります。

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早期釈放のための3つの弁護活動

 

 

暴行と前科

暴行罪の起訴率は30%です。そのうち公判請求の割合は18%、略式請求の割合は82%です。初犯者の場合、示談が成立すれば、態様が悪質でない限り、不起訴処分(起訴猶予)となる可能性が高いです(起訴されないので前科はつきません)。示談が成立しなければ略式請求される可能性が高くなります。前科があったり、態様が悪質な場合は、公判請求される可能性もあります。

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暴行の前科をつけないためにするべき3つの弁護活動

 

 

暴行罪の関連犯罪

 

対象者

刑罰

集団暴行罪(暴力行為処罰法1条)

集団で威圧したり、凶器を示したり、数人で共同して暴行罪を犯した者

3年以下の懲役または30万円以下の罰金

常習暴行罪(暴力行為処罰法1条の3)

常習的に暴行罪を犯した者

 

ヶ月以上年以下の懲役

 

 

 

凶器準備集合罪(刑法208条の3)

 

 

2人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者

2年以下の懲役または30万円以下の罰金

上のケースで、凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた者

3年以下の懲役

 

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暴行の解決事例

暴行・傷害のご質問

暴行の弁護士費用

 

 

暴行の弁護方針(罪を認める場合)

(1)示談をする

被疑者を起訴するか否かを決めるのは検察官です。検察官は傷害事件の被疑者を起訴するか否か決めるに当たり、示談の成否を非常に重視しています。そのため、被害者との間で示談が成立すれば不起訴になる可能性が高まります。示談を締結する前に起訴されたとしても、その後に示談が成立すれば執行猶予になる可能性が高まります。裁判官も刑罰の重さを判断するにあたり、示談の成否を非常に重視しているからです。

示談の相談は弁護士へ

 

 

(2)被害者に謝罪する

被害者とお会いしたり、手紙をお送りして謝罪します。通り一遍のことを述べるのではなく、自分の言葉で心をこめて謝罪することが重要です。 

 

不起訴処分(=前科なし)を獲得するために…

被害者にお送りした謝罪文の写しを検察官に提出します。また、検察官の前で被害者への思いを直接語ってもらいます。

 

 

(3)環境を改善する

飲酒絡みで暴行事件を起こした場合、自身の飲酒癖をどのようにコントロールしていくかを考えてもらいます。暴走族、暴力団等の一員として暴行事件を起こした場合は、そのような組織から完全に脱退することが必要です。不良交友による荒れた生活が事件の背景にある場合は、交友関係の見直しを含めた生活環境の改善が必要となるでしょう。いずれにせよ生活環境を立て直すためにはご家族の協力が不可欠です。ご家族には日常生活の中で本人を監督してもらいます。

 

不起訴処分(=前科なし)を獲得するために…

本人を監督する旨の誓約書をご家族に書いてもらい検察官に提出します。その他の証拠として、移転先の住民票(家族と同居するために引っ越した場合)、断酒プログラムの修了証(飲酒絡みで事件を起こした場合)、破門状・脱会届(暴力団員の場合)などがあります。

 

 

*その他の弁護活動

① 早期釈放を目指す

身体拘束されている場合は、早期釈放に向けた弁護活動を行います詳しくはこちら

 

② 寄付をする

示談が成立しなかった場合、反省の気持ちを示すために慈善団体等へ寄付をすることがあります。不起訴処分を獲得するために、寄付したことの証明書を検察官に提出します。

 

 

暴行の弁護方針(無罪を主張する場合) 

(1)「酒に酔っていて覚えていない」という主張は通用する?

「被疑者が被害者を暴行した事実」は、被疑者が覚えているかどうかとは関係なく、現場の防犯カメラや被害者・目撃者の供述調書によって固められてしまいます。「酔っていて覚えていない」という主張を続けて不起訴処分あるいは無罪判決を獲得するのは困難でしょう。かえって検察官や裁判官に「反省していない」と思われ裏目に出ることも少なくありません。

 

 

(2)正当防衛を主張する

最初に相手の方から殴りかかってきたり、凶器を使って攻撃してきた場合は、相手に暴行を加えても正当防衛により無罪となる余地があります。弁護士がご本人から事情を聴取し、正当防衛を裏付ける事情があれば、不起訴処分あるいは無罪判決の獲得を目指します。

 

 

(3)共謀がないことを主張する

現場にたまたま居合わせたものの暴行には一切関与していない場合、暴行した人間との共謀が認められなければ暴行罪は成立しません。弁護士がご本人から事情を聴取し、謀議への参加など共謀を裏付ける事情がなければ、不起訴訴処分あるいは無罪判決の獲得を目指します。

 

【関連ページ】 

否認事件の刑事弁護 

 

 

暴行のケース別解説:駅員に暴行した場合

逮捕の可能性

ほとんどの方が酒に酔っており自傷他害のおそれがあるため、逮捕される可能性は高いです。ただ、罪を認めて反省すれば逮捕段階で釈放されることが多いです。

 

示談交渉の流れ

JR等の大手鉄道会社では、駅長や助役が示談交渉の窓口になります。まずは、弁護士が、駅長や助役を通じて、被害者の方に加害者のお詫びの言葉をお伝えし、暴行の被害状況を確認します。

 

その後、弁護士が示談の条件を提示し、駅長や助役を通じて被害者に確認してもらいます。示談書については鉄道会社の法務部がチェックする場合が多いです。示談金額については、会社のチェックが入ることもあり、通常、適正妥当な金額でまとまります。不当に金額を吊り上げられるということはありません。

 

 

暴行のケース別解説:タクシー運転手に暴行した場合

逮捕の可能性

本人は泥酔し取調べにならない場合が多く逮捕される可能性が高いです。ただ、罪を認めて反省していれば勾留されずに釈放されることが多いです。

 

示談交渉のポイント

タクシー運転手は示談交渉に慣れている方が多いです。金額を吊り上げられないよう交渉力のある弁護士に依頼した方がよいでしょう。

 

タクシー運転手に暴行した場合、暴行の前後にタクシーの車体を蹴ったりしていることも少なくありません。その場合は、暴行罪に加えて器物損壊罪でも立件されることが多いです。示談については、タクシー運転手(暴行)とタクシー会社(器物損壊)の双方と成立させる必要があります。

 

示談交渉については、運転手も含めてタクシー会社がまとめて対応する場合と、運転手とタクシー会社が別個に対応する場合があります。器物損壊は親告罪(告訴がないと起訴できない犯罪)ですので、示談に加えて告訴も取り消してもらうべきです。

 

 

暴行のケース別解説:けんかによる相互暴行

よくあるご相談例

週末飲みに行った帰りに、路上で見知らぬ男性と肩が触れ合ったことからけんかとなり、お互いに暴行した

 

逮捕の可能性

けんかの過程でどちらか一方が優勢になり、他方に対して一方的に暴行した場合は、その人間だけ逮捕されることがあります。対等の状況でお互いに殴打している場合は、両者とも逮捕されないことが多いです。

 

処分の方向性

まず暴行罪で立件され、診断書が提出されれば傷害罪に変更となります。暴行やけがの程度にそれほど差がなければ、示談すれば警察署限りで事件が終了するか、書類送検された上で不起訴となるでしょう。示談しなければ、書類送検され、処罰される可能性が高くなります。初犯であれば、罰金の可能性が高いです。

 

お互い暴行しているのに処罰されるの?

お互いが相手に対して厳しい処罰感情を持っている場合、示談をしなければ、喧嘩両成敗となり二人とも処罰される可能性が高くなります。

 

示談交渉のポイント

相互暴行の場合、お互いが被害者であると同時に加害者でもあり、双方にとって示談をするメリットは大きいため、早期に示談がまとまるケースが多いです。けがの程度が同じであれば、お互い示談金なしで示談することも考えられます。ウェルネスの弁護士がそのような示談を締結したこともあります。

 

 

暴行のケース別解説:性犯罪的な暴行

暴行罪で立件されるケース

性的な意図をもって女性の身体に接触した場合、強制わいせつ迷惑防止条例違反が成立しますが、肩に手をおいたり、腕をつかんだだけの場合は暴行罪で立件されることがあります。

 

逮捕の可能性

行為態様が軽微なこともあり、連続して複数の女性に対して同様の行為に及んだ等の事情がない限り逮捕されないことが多いです。

 

示談交渉のポイント

性犯罪的な暴行は、通常、夜間、人通りの少ない場所で行われることが多いです。そのため、被害者は強い恐怖心を抱いていることが通常です。示談交渉の際には、そのような被害者の心情に配慮し、現場周辺を通行しないことを誓約したり、駅の近くで事件が起こった場合はその駅の利用を制限する等の配慮が必要になるでしょう。

 

 

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