窃盗

このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

窃盗罪の刑罰

10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

 

*窃盗罪・強盗罪などで過去10年間に3回以上、6ヶ月以上の懲役刑を受けた者が、常習として窃盗をした場合は、「常習累犯窃盗」として3年以上の懲役に処せられます。

 

忘れものをとったら窃盗罪?

窃盗罪が成立するためには、物に対して人の支配が及んでいることが必要です。路上や電車内など不特定多数の人間が出入りする場所に置き忘れた物は、誰の支配も及んでいないと考えられるため、これを自分のものにした場合、窃盗罪ではなく遺失物横領罪(1年以下の懲役または10万円以下の罰金若しくは科料が成立するにとどまります。

 

これに対して、旅館や公衆浴場に置き忘れた物は、管理責任者の支配が及んでいると考えられるので、これを自分のものにした場合、窃盗罪が成立します。

 

窃盗で逮捕された確率は32%【2017】

2017年に刑事事件として処分された窃盗事件のうち、被疑者が逮捕されたケースは32%です。約3人に1人が逮捕されていることになります。窃盗で逮捕された後、勾留されたケースは85%です。勾留は原則10日で、最長20日まで延長可能です。勾留された被疑者のうち、半数以上(57%)が勾留を延長されています。

起訴前の流れ(逮捕・勾留あり)

 

*上記の窃盗罪には常習特殊窃盗罪、常習累犯窃盗罪、不動産侵奪罪も含まれます。 

*本ページの数値は2017年検察統計年報に基づいています。

  

窃盗と早期釈放

いったん勾留されると、少なくとも10日近く身柄が拘束される可能性が高いです。それを回避するためには、勾留されないようにするしかありません。被疑者を勾留するかどうかは、検察官の勾留請求を受けて、裁判官が判断します。

 

そのため、弁護士としては、検察官に意見書を提出して、勾留請求を思いとどまらせたり、裁判官と面接して、勾留請求を許可させないようにします。 

早期釈放を実現する

 

窃盗で起訴された確率は40%【2017】

2017年に検察庁で取り扱われた窃盗事件のうち、起訴されたケースは40%です。そのうち、略式請求が23%、公判請求が77%です。

 

初犯の方の場合、窃盗の被害額が10万円以下であれば、不起訴か罰金になることが多いです。ごく少額の万引きであれば、微罪処分として、書類送検されずに警察限りで事件が終了することもあります。初犯の方の場合でも、被害額が10万円を超えてくると、公判請求の可能性が高くなります。

 

また、同じ窃盗でも、万引き置引きなどの単純な事件に比べて、住居侵入窃盗、ひったくり、事務所荒らし等は、悪質として処分が重くなる傾向にあります。いずれにせよ、初犯であれば、被害者との間で示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高いです。

 

前科がある場合でも、示談が成立すれば、処分は軽くなります。ただ、執行猶予中のケースでは、実刑になる可能性が非常に高くなります。実刑を回避するためには示談に加えて、再発防止の取組みが必須でしょう。

 

窃盗罪の弁護方針(罪を認める場合)

(1)示談をする

被疑者を起訴するか不起訴にするかを決めるのは検察官です。検察官は、窃盗事件の被疑者を起訴するかどうか決めるに当たり、示談の成否を非常に重視しています。そのため、被害者との間で示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高まります。

 

示談を締結する前に起訴されたとしても、その後に示談が成立すれば、執行猶予になる可能性が高まります。裁判官も刑罰の重さを判断するにあたり、示談の成否を非常に重視しているからです。

 示談の基礎知識

 

不起訴を獲得するために…

弁護士が示談書や示談金の領収書を検察官に提出します。

 

(2)被害者に謝罪する

被害者にお会いしたり、手紙をお送りして謝罪します。謝罪文には通り一遍のことを述べるのではなく、自分の言葉で謝罪することが重要です。

 

不起訴処分を獲得するために…

弁護士が謝罪文の写しを検察官に提出します。本人には、検察官の前で被害者への気持ちを直接話してもらいます。

 

(3)環境を改善する

不良交友による荒れた生活が事件のきっかけになった場合は、交友関係の見直しを含めた生活環境の改善が必要となってくるでしょう。事件の背景に借金問題がある場合は、弁護士が別途委任を受けて債務整理を行います。

 

いずれにせよ生活環境を立て直すためにはご家族の協力が不可欠です。ご家族には日常生活の中で本人を監督してもらいます。

 

不起訴処分を獲得するために… 

本人を監督する旨の誓約書をご家族に書いてもらい、弁護士が検察官に提出します。

 

*その他の弁護活動

① 早期釈放を目指す

身体拘束されている場合は、早期釈放に向けた弁護活動を行います。

 

② 寄付をする

示談が成立しなかった場合、反省の気持ちを示すために慈善団体等へ贖罪寄付(しょくざいきふ)をします。不起訴を獲得するために、寄付したことの証明書を検察官に提出します。

  

窃盗罪の弁護方針(無罪を主張する場合)

(1)捜査機関に自白調書をとらせない

窃盗事件において、防犯カメラや指紋などの客観的な証拠がなければ、被疑者本人の供述が裁判のポイントになります。

 

例えば、被疑者が本当は盗んでいないにもかかわらず、刑事からのプレッシャーに負けてしまい、「自分が盗みました」と供述し、自白調書が作成されたとします。その場合、後の刑事裁判において、「自分は盗んでいません」と言ったとしても、検察官から「取調べのときに自白してましたよね?」と突っ込まれ、裁判官にも信用性を疑われることになります。

 

捜査機関は、自白調書を作るため、否認している被疑者に対して、あの手この手を使って自白するよう働きかけます。不起訴処分や無罪判決を目指すのであれば、このような働きかけに屈しないことが重要になります。弁護士が被疑者と頻繁に接見し、自白調書をとられないよう、継続的にバックアップしていきます。

 

(2)被害品を取得した経緯を説明する

窃盗には一切関与していないが、たまたま被害品を持っていたため逮捕されてしまった場合、弁護士が検察官・裁判官に対して、ご本人が被害品を取得するに至った経緯を説明します。

 

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オーダーメイドの弁護活動

このページでご紹介している弁護方針は一つの例にすぎません。何がベストな弁護活動といえるかは各々の事件によって異なります。ウェルネスでは、数多くのノウハウに基づき、一つ一つの事件に対応した完全オーダーメイドの弁護活動を行います。

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