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起訴前の流れ(逮捕・勾留なし)
このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。
逮捕・勾留されなければタイムリミットなし
たとえ犯罪の容疑がかかっていても、警察が逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断した場合は、逮捕されません。この場合、逮捕・勾留されたときと異なり、「○日以内に起訴しなければいけない」といったタイムリミットはありません。
捜査機関は、タイムリミットがある身柄事件(逮捕・勾留された事件)を優先的に処理します。そのため、起訴・不起訴の判断が出るまでの期間は、身柄事件に比べ長くなります。
警察段階で約2か月
自白事件の場合、検挙されてから2ヶ月前後で検察庁に引き継がれる(「書類送検」といいます)ことが多いです。ただ、明確に2か月と決まっているわけではありません。
例えば、次の事情により、2か月より長引く場合も少なくありません。
①担当者が他の事件の処理で忙しい
②被害者や目撃者の都合がつかず、なかなか事情聴取を実施できない
③検察官から補充捜査を指示された
取調べについては、本人が容疑を認めている場合は、検挙当日の取調べ以外に、1、2度、警察に呼ばれて取調べを受けることになります。否認事件の場合、取調べの回数はそれよりも増えることが多いです。
検察段階で約2か月
書類送検されると担当の検察官が決まります。担当検察官が被疑者の処分についての意見(起訴するのか不起訴にするのか等)を、部長や副部長などの上席検事の決裁に上げます。決裁が下りれば処分が確定します。
書類送検されてから処分が確定するまでに2か月前後かかります。ただ、逮捕・勾留されたケースと異なり、明確なタイムリミットがあるわけではありません。
例えば、次の事情により、2か月より長引く場合もあります。
①本人が否認している
②担当検察官が他の事件の処理で忙しい
③決裁官の決裁が下りず処分方針を変更したり補充捜査が必要になる
検察庁での取調べは、本人が容疑を認めている場合は1回で終わることが多いです。軽微な事件で示談が成立している場合は、一度も呼ばれず不起訴になることもあります。
逆に、検察官が略式起訴や公判請求の方針を固めている場合は、必ず取調べが行われます。否認事件の場合、取調べは1回では終わらないことが多いです。
在宅事件の流れ
| 事件の流れ | 弁護活動 |
7月1日 | 痴漢で検挙される→逮捕されず、警察署で取り調べを受けた後、家族が迎えにくる |
|
7月2日 |
| 弁護士を選任する |
7月30日 | 警察署で取り調べと犯行再現を行う |
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8月10日 |
| 被害者との間で示談が成立 |
9月1日 | 書類送検→担当検察官が決まる |
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9月2日 |
| 弁護士が検察官に意見書・示談書等を提出 |
9月30日 | 検察官の取調べ |
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10月25日 | 不起訴が確定する |
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10月26日 |
| 弁護士が不起訴の証明書を取得 |
在宅事件においては不起訴処分の獲得を目指します。
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