振り込め詐欺

 

振り込め詐欺とは

振り込め詐欺とは、電話を通じて相手を騙し、金銭を振り込ませるタイプの詐欺です。被害者に現金を持参させたり、レターパックに入れて郵送させるタイプもありますが、本ページでは、便宜上、これらの詐欺についても振り込め詐欺と総称します。

 

振り込め詐欺は、通常、架け子と出し子(受け子)によって行われます。架け子は被害者に騙しの電話をかける者です。出し子は詐取金が振り込まれた口座から現金を引き出す者、受け子は被害者から現金を受け取る者です。末端のかけ子と出し子(受け子)は、別々のグループに属し、お互い面識がないのが通常です。各グループ間の連絡・調整は中堅クラスのメンバーが行っていることが多いです。

 

一般的には、架け子より出し子の方が判決までの期間が短く、判決も軽めになることが多いです。

 

 

振り込め詐欺の刑罰

① かけ子

詐欺罪が成立します。刑罰は10年以下の懲役です。

 

② 出し子

銀行の管理する金銭を引き出した点について窃盗罪が成立します。刑罰は50万円以下の罰金または10年以下の懲役です。ただ、振り込め詐欺のケースで罰金にとどまることはありません。

 

③ 受け子

詐欺罪が成立します。刑罰は10年以下の懲役です。だまされたことに気づいた被害者が警察に連絡すると、警察は被害者にだまされたふりをしてもらい、受け子に接触させます。受け子が被害者から紙袋を受け取った直後に、待機していた警察官が緊急逮捕します。この紙袋には模造紙幣しか入っていないため詐欺未遂となります。未遂の場合、既遂に比べて刑罰は軽くなります。

 

④ リーダー

詐欺罪が成立します。刑罰は10年以下の懲役です。もっとも、組織的に詐欺を行っていた場合は、組織犯罪処罰法違反で処罰されることもあります。刑罰は懲役年~20年です。

 

 

振り込め詐欺と逮捕

振り込め詐欺のケースでは、いきなり逮捕されるのが通常です。任意の取調べで何回か警察に呼び出された後に逮捕されるというようなケースはまずありません。

 

かけ子の場合は活動拠点に警察が踏み込み、その場にいる者をまとめて逮捕します。

出し子の場合は口座からの現金引き出しのタイミングで逮捕されることが多いです。

受け子の場合は、被害者から現金を受け取るタイミングで、逮捕されることが多いです。

 

 

振り込め詐欺と報道

振り込め詐欺で逮捕された場合、実名報道されることが少なくありません。警察が活動拠点に突入して複数のメンバーを一挙に逮捕した場合は、「〇〇ら5名」等とリーダー格の氏名のみ報道されることが多いです。前述したように、いきなり逮捕されることもあり、ご家族がテレビ報道で息子が逮捕されたことを知るケースもあります。

 

 

振り込め詐欺と逮捕後の留置先

振り込め詐欺では、被害者が全国に散らばっていることが通常です。逮捕後は、捜査本部が設置された警察署(最初に被害届を受理した警察署であることが多いです)またはその近くの警察署に留置されることが多いです。必ずしも自宅や活動拠点近くの警察署に留置されるわけではありません。

 

国選弁護士を選任する場合、留置先と同じ都道府県の弁護士が選任されます。私選弁護士を選任する場合は、このような縛りはありませんが、留置先の警察署からあまり遠すぎないところに事務所がある弁護士を選任すべきです。例えば、大阪在住の方が東京の警察署に逮捕された場合は、東京の弁護士を選任した方がよいです。大阪の弁護士を選任すると、頻繁に東京の警察署に接見に行くことが難しいですし、弁護士費用も高くなってしまいます。

 

 

振り込め詐欺と接見禁止

振り込め詐欺で逮捕・勾留されたら、ほとんど例外なく、接見禁止処分が出されます。接見禁止処分が出ると、弁護士以外は接見できません。ご家族であっても例外ではありません。ただ、弁護士等がご家族に限って接見できるように裁判所に申し立てることによって、接見できるようになることが多いです(「接見禁止の一部解除」といいます)。

 

 

振り込め詐欺と再逮捕

かけ子の場合、一定期間、複数の被害者に対して騙しの電話をかけていることが多いです。このような場合、捜査機関は、被害届を受理した被害者1名あたり1つの事件としてカウントし、事件毎に逮捕することが少なくありません2回目以降の逮捕を「再逮捕」といいます)。したがって、多数の被害者がいる場合は、逮捕も複数回される可能性が高くなります。これに対応して、起訴についても、事件ごとに複数回起訴される可能性が高いです(2回目以降の起訴を「追起訴」)といいます。

 

保釈については、弁護士が検察官に対し、これ以上再逮捕がないということを確認した後に行うことになります。逮捕から起訴されるまでの期間は約3週間です。再逮捕が続くとこのサイクルが繰り返され、身柄拘束期間が非常に長くなりますので、弁護士やご家族が頻繁に接見することが必要です。

 

受け子の場合は、逮捕も起訴も1回きりで終わることが少なくありません。出し子の場合は、複数回詐取金を引き出していた場合は、かけ子と同様に、再逮捕される可能性が十分にあります。

再逮捕

追起訴

 

 

振り込め詐欺と保釈

受け子・出し子や末端のかけ子で以下の条件を満たしている場合は初公判前に保釈される余地が十分にあります。

①起訴前から容疑を認め複数の自白調書が作成されている

②起訴された事件の全ての被害者と示談が成立している

 

捜査段階で黙秘をしている場合は、裁判において被告人質問が実施された後に保釈が認められるケースが多いです。時期の違いはありますが、最終的にはほとんどの事案で保釈が認められます。ウェルネスの弁護士が手がけた振り込め詐欺事件では、本人が逮捕前に偽名でホテルを転々としていたケースを除き、全て保釈が認められています。

刑事裁判の流れ

 

 

振り込め詐欺と弁護士

振り込め詐欺で逮捕された後、詐欺グループが手配した弁護士が本人の弁護を行うことがあります。この場合、弁護士費用を負担するのは詐欺グループであり、必ずしも本人や家族が負担するわけではありません。もっとも、今後詐欺グループと完全に縁を切るためには、グループが雇った弁護士に弁護を委ねてしまって本当に良いのか、そうすることがお子さんのためになるのかをよく考えることが必要です。

 

 

振り込め詐欺の弁護方針

 ①弁護士と協議した上で黙秘権を行使する

振り込め詐欺は、年々、手口が巧妙化し、暴力団の資金源になるなど深刻な社会問題になっています。「振り込め詐欺をしても割に合わない」ということを知らしめるため、検察官は、振り込め詐欺の容疑者に対しては非常に厳しい態度で臨んでいます。そのため、振り込め詐欺で逮捕されると、原則として起訴されることになります。他の犯罪と異なり、反省して被害者と示談したからといって不起訴処分になることはありません。

 

例外的に不起訴になるケースとしては、罪を犯したことを認めるに足りる十分な証拠がないときです。この場合は、検察官が起訴しても有罪判決を得ることが難しいため不起訴処分になります。ここでいう「証拠」には被疑者自身の供述調書も含まれます。したがって、黙秘権を行使することにより、不利な供述調書をとらせないようにすることが考えられます。黙秘権は憲法上の権利ですので、これを行使することを躊躇する必要はありません。

 

もっとも、確かな証拠がある場合や共犯者が共謀について自白している場合は、本人がいくら黙秘をしても起訴されます。また、捜査段階で黙秘をしていると、接見禁止の解除や保釈が認められづらくなる等のデメリットもありますので、黙秘権を行使するか否かは弁護士と協議して慎重に決めるべきです。

 

起訴された場合は、裁判官に対して黙秘するメリットはありませんので、罪を認めるにせよ、無罪を主張するにせよ、ご自身の口で真相を語ってもらうことになります。

 

 

②被害者と示談する

振り込め詐欺の刑事裁判では、示談の有無や被害弁償の金額が非常に重要な要素となります。

 

かけ子の場合は、立件された事件の被害者が多数にのぼり、全ての被害者と示談することが経済的に難しいときがあります。そのような場合は、他の共犯者と共同で示談をすることもあります。

 

受け子で詐欺未遂に終わった場合、詐欺に気づいていた被害者には損害が発生しておらず、示談する必要はないとも考えられますが、たとえ金銭的被害が発生していなくとも、怖い思いをさせたり、警察で事情聴取を受けたりする等の余計な手間をかけさせているため、示談をした方がよいです。

 

出し子の場合、金銭に対する銀行の占有を侵害したとして窃盗罪が成立しますが、実質的な被害者は詐欺の被害者ですので、銀行ではなく詐欺の被害者と示談することになります。

 

 

その他の弁護活動

① 生活環境を整える

振り込め詐欺のグループに入る方は、無職であったり借金がある等の理由で、金銭的に困っていることが少なくありません。執行猶予を狙える場合は保釈中から仕事を始めてもらい、規則正しい生活を身につけてもらいます。借金問題を抱えている場合は、弁護士に依頼して債務整理をしたり、一時的に親御様に立て替えてもらいます。

 

② 詐欺グループと決別する

振り込め詐欺のグループから決別するために携帯電話を解約することが考えられます。携帯電話の解約書類を証拠として裁判所に提出します。

 

③ 家族に協力してもらう

裁判には親御様に情状証人として出廷してもらい、裁判官の前でご本人をどのように監督するのかを話してもらいます。

 

 

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