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情状証人とは?尋問の流れや本番で役に立つ4つのポイントを紹介

このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

情状証人とは?

情状証人とは、刑事事件の裁判で、被告人の刑が少しでも軽くなるよう、被告人の人となりや生活状況、今後の更生に向けてどのようにサポートしていくのか等について証言する証人のことです。

 

情状証人で最も多いのは被告人の家族です。通常はご家族の中から1名に情状証人になってもらうことが多いです。ご家族以外に雇用主や職場の上司が情状証人になることもあります。情状証人として誰に協力してもらうかは、弁護士が被告人やご家族らと相談して決めることになります。

 

情状証人を立てるケース

 情状証人には、主として、罪を犯した被告人を更生させるために、どのようなことができるのかをお話ししてもらいます。そのため、情状証人を立てるのは、被告人が罪を認めている自白事件の裁判になります。

 

被告人が無罪を主張している否認事件の裁判では、悪いことをしていない以上、被告人の更生は問題にならず、情状証人を立てる必要はありません。

 

もっとも、殺人で起訴された被告人が、殺意については否認しつつ、傷害致死の限度で罪を認めている場合など、一部について罪を認めているケースでは、情状証人を立てることになります

 

情状証人はいつ証言台に立つのか?

被告人が罪を認めている場合は、重大犯罪を除いて、審理は初公判1回で終わることが多いです。したがって、情状証人の尋問も初公判で行われることになります。

 

起訴が1回だけで終わらず追起訴されるケースでは、情状証人の尋問は、一番最後の公判で実施されることが多いです。

 

オレオレ詐欺など、多くの追起訴が見込まれる事件では、最初の起訴から半年以上経ってから情状証人の尋問が行われることもあります。

 

情状証人の尋問の流れ

①裁判長に指示され傍聴席から証言台に移動します(カバンなども携帯して移動します)。

 

②証言台の前で立ったまま、正面に座っている裁判官の方を向いて、「嘘をつきません。」と書かれた宣誓書を声に出して読み上げます。

 

③証言台の前に着席します。

 

④弁護士が主尋問をします10分程度の場合が多いです)。

 

⑤検察官が反対尋問をします主尋問よりも短くなることが多いです)。

 

⑥裁判官が補充尋問をします全く尋問しないこともあります)。

 

⑦傍聴席に戻ります。

 

情状証人の尋問で気をつける4つのポイント

尋問に際しては以下の4つのポイントに留意してください。

 

①前を向いて発言する

法廷で、情状証人は、裁判官の前方にある証言台に座って証言をします。弁護士と検察官は、証言台の両サイドにお互い向かいあう形で座っています。

 

このような位置関係のため、弁護士や検察官は、情状証人の横から質問をしますが、答える際は、正面に座っている裁判長の方を向いて発言してください。証言は録音されていますが、証人が横にいる弁護士や検察官を見ながら発言すると、マイクが音声を拾えずうまく録音できないことがあるからです。

 

②弁護士や検察官の質問が終ってから発言する

弁護士や検察官の質問と情状証人の回答が重なってしまうと、うまく聴き取れません。弁護士や検察官の質問を最後までよく聞いて、その後に発言するようにしてください。

 

③聞かれたことに対して簡潔に答える

裁判官は、情状証人が長々と話を続けることを嫌がります。ポイントを絞って端的に答えるようにしましょう。弁護士としても一つの質問で複数のことを聞こうとするのではなく、情状証人が簡潔に答えることができるよう、シンプルな質問に分けて聞くといった工夫が必要です。

 

④できるだけ具体的なことを話す

単に「被告人を監督します。」と言うだけではなく、具体的にどのように監督するのか踏み込んで発言した方が裁判官の印象も良くなります。

 

例えば、覚せい剤使用罪で起訴されている被告人の情状証人であれば、「今後、不定期に被告人の部屋や持ち物を検査し、違法薬物がないかどうかをチェックします。もし、違法薬物があれば、警察に通報します。」等と具体的に発言した方がよいです。

 

情状証人の事前準備

尋問の準備は弁護士が行います。情状証人に事務所に来てもらい、弁護士が証人尋問のリハーサルを行います。主尋問で尋ねる事項を紙にまとめて情状証人にお渡しすることが多いです。

 

反対尋問についても、事件の内容をふまえて、弁護士が検察官からどのような質問がされるかを予測し、リハーサルを行います。

情状証人が反対尋問をのりきるための3つのポイント 

 

情状証人の尋問で最も大切なこと

情状証人が法廷で「被告人を監督します。」というだけではあまり説得力がありません。裁判では、被告人を更生させるために具体的にどのようなことをしてきたのか-その積み重ねが問われます。

 

性犯罪事件では、定期的に加害者家族のミーティングに参加し、被告人と共に性依存症についての知見を深めることが考えられます。薬物事件では、回復支援の施設を見学したり、依存症患者の家族会に参加する等して、被告人と共に依存症を克服していく姿勢を示すことが考えられます。

 

情状証人の日当-放棄するのがお約束

証人として出廷すれば、裁判所から日当が支給されます。金額は8000円程度です。ただ、裁判所から日当をもらえば、裁判所から被告人に対して同じ金額の請求がいくことになります。そのため、通常、情状証人は日当を放棄します。

 

 

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