追起訴

 

追起訴とは

追起訴とは、ある刑事事件で起訴されその裁判が進行している間に、別の刑事事件で起訴することを言います。

 

 

追起訴されやすい事件

追起訴の前に再逮捕が先行することが多いため、追起訴されやすい事件=再逮捕されやすい事件となります。

 

具体的には以下の犯罪です。 

再逮捕・追起訴されやすい犯罪

具体例

振り込め詐欺

被害者3名を順次だました

業務上横領など多数回反復して行われる経済犯罪

業務上保管している金銭を5回着服した

覚せい剤取締法違反大麻取締法違反などの薬物犯罪

鉢植えの大麻を栽培しながら、乾燥大麻も所持していた

複数回の準強制性交等

複数回、合コンで女性を酔いつぶれさせ、集団で強姦した

 

 

追起訴の数

追起訴の数に制限はありません。例えば、振り込め詐欺では4、5回追起訴されることは少なくありません。

 

 

追起訴の審理-まとめて行われる

追起訴されると、同時に複数の刑事事件について裁判が進行することになります。ただ、通常は「弁論の併合」といって、追起訴された事件の審理は、最初に起訴された事件の審理とまとめて行われます。そのため、同じ法廷で同じ裁判官が審理することになります。

 

 

追起訴の流れ

1つの追起訴事件について1回審理を行う方法と、複数の追起訴事件についてまとめて審理を行う方法があります。

 

(1)追起訴事件ごとに審理する場合

6月1日

起訴①

6月20日

起訴②

7月10日

初公判:起訴①の審理

7月20日

起訴③

8月10日

第2回公判:起訴②の審理

9月10日

第3回公判:起訴③の審理

10月10日

弁護側の立証など

10月31日

判決

 

 

(2)追起訴事件をまとめて審理する場合

6月1日

起訴①

6月20日

起訴②

7月10日

初公判:起訴①の審理

7月20日

起訴③

9月10日

第2回公判:起訴②、起訴③をまとめて審理

10月10日

弁護側の立証など

10月31日

判決

 

 

 

追起訴の判決-まとめて言い渡される

最初に起訴された事件と追起訴された事件は、通常まとめて審理されますが、判決についてもまとめて一つの判決が言い渡されます。例えば、3件の詐欺で起訴された場合、事件ごとに3つの判決が言い渡されるのではなく、3件まとめてひとつの判決が言い渡されます。

 

 

追起訴と刑罰-併合罪

追起訴されても、判決はまとめて1つだけ言い渡されるのが通常です。1件しか起訴されていないケースに比べて、追起訴されたケースの方が刑罰の上限が重くなります。これを併合罪加重といいます。

 

懲役刑や禁錮刑については、最も重い刑の1.5倍が上限になります。ただし、最も重い刑の1.5倍が、それぞれの犯罪の刑を合計したものより大きい場合は、その合計が上限になります。

 

(振り込め詐欺で5件起訴された場合の例)

 詐欺罪の刑の上限は懲役10年です。そのため、併合罪加重により10年×1.5倍=15年が刑の上限になります。

 

一般的には、判決が別々に言い渡された場合よりも、併合罪として処理された方が刑は軽くなります。

 

 

追起訴と刑事弁護

追起訴するかどうかは、事件ごとに検察官が個別に判断します。「前にも似たような事件で起訴しているから」といった理由で、漫然と追起訴するわけではありません。再逮捕された後に追起訴されず不起訴処分になることも少なくありません。

 

弁護方針についても各事件ごとに個別に判断することになります。最初に逮捕・起訴された事件については自白し、再逮捕された事件については否認するということも考えられますし、被害者がいる犯罪であれば、被害者と示談をして起訴猶予による不起訴を求めることもあります。

 

追起訴が重なってくると実刑の可能性が高くなってきますので、自白するにせよ否認するにせよ、早期に弁護方針を固めることが必要です。

 

 

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