詐欺

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

詐欺とは

詐欺とは、①被害者をだまして、②錯誤に陥らせ、③財産を処分する行為をさせ、④財物または財産上の利益を移転させることです。これらの間にはそれぞれ因果関係がなければいけません。

 

詐欺が人をだまして金銭等を得る犯罪である以上、①、②、④の要件は理解できると思いますが、ポイントは③の処分行為です。処分行為がなければ詐欺罪は成立しません。

 

例えば、店員をだまして注意をそらし、その隙に商品を持ち去った場合は、店員による処分行為がないので、詐欺ではなく窃盗になります。

 

④の「財産上の利益」とは金銭などの財物以外の財産的な利益をいいます。具体的には、借金を免除させること、債務を保証させること、労務を提供させること(無賃乗車)などです。

 

金銭などの財物をだましとる詐欺を1項詐欺、財産上の利益を得る詐欺を2項詐欺といいます。

 

詐欺の刑罰

詐欺の刑罰は10年以下の懲役です。窃盗罪(10年以下の懲役または50万円以下の罰金)と異なり、罰金刑はありません。

 

詐欺の具体例

【個人的な詐欺】

無銭飲食、キセル乗車、タクシーの乗り逃げ、つり銭詐欺、寸借詐欺、結婚詐欺、クレジットカードの不正使用、保険金詐欺

 

【組織的な詐欺】

出資詐欺、競馬情報詐欺、4クリック詐欺、振り込め詐欺、オレオレ詐欺

 

組織的な詐欺は、手口が巧妙で、被害者が多数に上り、被害結果も大きくなる傾向があります。そのため、逮捕・勾留されることが多く、刑罰も重くなります。その最たるものが振り込め詐欺、オレオレ詐欺です。

 

詐欺の関連犯罪

 

対象者

刑罰

具体例

電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)

業務に使用するコンピューターシステムに不正な指令を与えて財産に関する虚偽のデータを作った者など

10年以下の懲役

銀行員が預金端末を操作してシステム内にある元帳ファイルの預金残高を増加させた場合

 

詐欺の逮捕率は61%【2017】

刑事事件として立件された詐欺事件のうち、被疑者が逮捕されたケースは61%です。詐欺の特徴として、共犯者がいることが多いという点が挙げられます。共犯事件の場合、単独犯に比べ逮捕されやすく、勾留期間も長くなる傾向があります。振り込め詐欺、オレオレ詐欺では特にその傾向が顕著です。

 

逮捕後に勾留される確率は97%です。勾留期間(原則10日、最長20日)が延長される確率は87%です。詐欺は、巧妙な手口で被害者をだましていることが多く、ひっそり行われる窃盗に比べると、捜査に日数を要しますので、勾留される可能性が高くなります。

 

*本ページの数値は2017年検察統計年報に基づいています。

 

詐欺の起訴率は58%【2017】

詐欺で立件されたケースのうち起訴される確率は58%です。詐欺罪には罰金刑がないので、起訴されたら執行猶予がつかない限り、刑務所で服役することになります。

 

初犯の方の場合、被害者との間で示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高いです。前科がある場合でも、示談が成立すれば執行猶予を獲得できる可能性が高くなります。

 

詐欺の弁護方針(罪を認める場合)

(1)被害者に謝罪する

被害者は、信頼を寄せていた相手から詐欺被害にあい大きなショックを受けています。まずは加害者本人に謝罪文を書いてもらい、弁護士を通じて、被害者の方にお渡しします。通り一遍のことを述べるのではなく、自分の言葉で謝罪することが大切です。 

 

【不起訴を獲得するために】

弁護士が検察官に謝罪文を提出します。

 

(2)示談をする

詐欺は被害者から金銭等をだましとる犯罪ですので、被害弁償を行い、示談を成立させることが最も重要な弁護活動になります。示談金については被害金額がベースとなります。

 

検察官も、被疑者を起訴するか不起訴にするかを決めるにあたり、示談を最も重視しています。そのため、被害者との間で示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高くなります。

 

たとえ起訴されてしまったとしても、その後に示談が成立すれば、執行猶予になる可能性が高まります。裁判官も刑罰の重さを判断するにあたり、示談を非常に重視しているからです。

 

ほとんどの被害者は、加害者と直接やりとりすることを望んでいません。そのため、示談交渉は弁護士を通じて行うことになります。

示談の相談は弁護士へ 

 

【不起訴を獲得するために】

弁護士が示談書や示談金の領収書を検察官に提出します。

 

(3)環境を改善する

振り込め詐欺グループなどの犯罪組織の一員として事件を起こした場合は、そのような組織から完全に離脱することが必要です。友人と連れ立って無賃乗車をした場合など、不良交友による荒れた生活が事件の一因になっている場合は、交友関係の見直しを含めた生活環境の改善が必要です。事件の背景に借金問題がある場合、弁護士が債務整理を行います。

 

いずれにせよ生活環境を立て直すためにはご家族の協力が不可欠です。ご家族には日常生活の中で本人を監督してもらいます。

 

【不起訴を獲得するために】 

本人を監督する旨の誓約書をご家族に書いてもらい、弁護士が検察官に提出します。

 

(4)その他の弁護活動

①釈放に向けた活動

逮捕・勾留されている場合は、弁護士が早期釈放に向けた活動を行います。起訴後も勾留されている場合は弁護士が保釈請求を行います

 

②供託する

示談や被害弁償ができなかった場合は、損害賠償金を法務局に供託します。供託することによって、被害弁償に向け努力していることを裁判官にアピールでき、執行猶予の可能性が高まります。

 

詐欺罪の弁護方針(無罪を主張する場合)

(1)詐欺罪の成立要件を検討する

詐欺罪が成立するためには、①相手をだまして錯誤に陥らせ、②その錯誤に基づいて、③財産を処分させ、④金銭等を移転させることが必要です。

 

そのため、①本当にだましたといえるのか、②被疑者の言動によって相手が錯誤に陥ったのか、③その錯誤に基づいて処分行為がされたのか、④金銭等が移転したのかといった点について弁護士が検討し、いずれかの要件を満たしていないと考えられる場合、その点を検察官や裁判官に指摘します。

 

(2)被害者の供述調書を検討する

金銭トラブルの事案では、一方の当事者が警察の力を利用して相手にプレッシャーをかけようとして、詐欺の被害者を装って被害届を出すケースが少なからず見受けられます。 そのため、詐欺事件では、被害者の言っていることが本当かどうかを慎重に吟味する必要があります。

 

人間の記憶は時の経過とともに衰えていくものですが、取調べが進むにしたがって、被害者の供述がより詳しくなっていくことがあります。また、複数の供述調書の間で、同一場面についての供述内容が異なっていることもあります。

 

これらは被害者の恣意的な態度や取調官の誘導を示すものです。弁護士が被害者の供述調書を検討し、法廷で被害者に反対尋問をすることによって、不合理な点を明らかにします。

 

(3)捜査機関に自白調書をとらせない

詐欺事件では、故意の有無(だますつもりがあったか否か)に関し、被疑者供述の信用性が問題となることが少なくありません。例えば、被疑者が本当はだますつもりがなかったにもかかわらず、取調べの際、捜査機関のプレッシャーに屈してしまい「だますつもりでした」と自白してしまったとします。

 

その場合、後の刑事裁判において、「だますつもりはありませんでした。」と言ったとしても、検察官から「取調べのときは自白してましたよね?」と突っ込まれ、裁判官にも信用性を疑われることになります。

 

捜査機関は、否認を続ける被疑者に対して、あの手この手を使って自白するよう働きかけます。不起訴処分や無罪判決を目指すのであれば、このような働きかけに屈しないことが重要になります。弁護士が被疑者と頻繁に接見し、捜査機関のプレッシャーに屈しないよう継続的にバックアップしていきます。

否認事件の刑事弁護

 

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