勾留延長とは?延長の流れや阻止する方法を弁護士が解説

 

勾留延長とは?

勾留の期間は、刑事訴訟法という法律で、10日と決められています。もっとも、「やむを得ない事由」がある場合は、検察官の請求により、裁判官が勾留期間を延長することができます。

 

法律上は勾留延長は例外的な位置づけになっていますが、実際は、多くの事件で勾留が延長されています。

 

勾留延長の「やむを得ない事由」とは?

勾留延長の要件である「やむを得ない事由」は、次の3つの事情が全てそろっている場合に認められます。

 

①捜査を延長しなければ検察官が事件をどのように処分するのか判断できないこと

②10日の勾留期間では必要な捜査が終了しないこと

③勾留を延長すれば捜査の障害がなくなる見込みがあること

 

②については、「他の事件の捜査で忙しく本件の捜査がまだ十分にできていない」といった捜査側の都合は「やむを得ない事由」にはならないとされています。

 

延長勾留の期間

最初の勾留は10日と決まっていますが、延長勾留の期間は10日の範囲で裁判官が決めます。そのため、最初の勾留と異なり、5日とか7日になることもあります。

 

10日目が土日祝日になる場合は、最長でも直近の平日までしか延長が認められないことが多いです。

 

勾留延長の流れ

担当の検察官が「勾留を延長すべき」と考えたときは、所定の勾留延長請求書を作成し、副部長の決裁を受けます。

 

東京地検では勾留の満期日の前日午後4時が決裁のしめきりです。満期日が土日祝日にあたるときは、直近の平日の午後4時が決裁のしめきりになります。副部長の決裁が下りれば、延長請求書の表紙に決裁印が押されます。

 

その後、検察庁の事務職員が、満期日当日の午前中に、延長請求書をつづった事件記録ごと裁判所の令状部に提出します。

 

東京地検では、多数の事件について延長請求を行うため、事務職員が大きな台車に事件記録を入れて、地下通路を通って裁判所に持ちこみます。

 

その後、令状部の裁判官が、記録をみながら勾留を延長すべきかどうかを判断します。土日祝日は日直の裁判官が担当します。裁判官は、検察官の請求通りに勾留延長を許可することもあれば、検察官が請求した日数を何日か削って許可することもあります。

 

裁判官が「そこまでの延長は必要ではない。」と考えているときは、執務室から担当の検察官に電話をして、「こんなに日数が必要ですか?」等と質問することが多いです。

 

満期日が土日祝日にあたる場合、担当の検察官は登庁していないことが多いため、裁判官が確認したいことがあるときは、日直の検察官に電話をします。

 

日数を短縮するか否かにかかわらず、裁判官が検察官の延長請求を許可するときは、勾留状の2枚目に延長の期間と事由を記載します。その後、事件記録ごと検察庁に戻します。

 

記録が戻ってくると、検察庁の事務職員が担当の検察官に結果を伝え、延長が許可されなかったり日数が削られた場合は、準抗告をするかどうかを尋ねます。準抗告をする場合は、その日のうちに申立書を作成し、裁判所に提出します。

 

勾留が延長された場合は、検察庁から留置されている警察署にその旨の連絡が入り、被疑者に伝えられます。勾留が延長されなかった場合は、その日のうちに釈放されることになります。

 

勾留延長を阻止・短縮するために弁護士ができること

勾留延長を阻止または短縮する方法として、弁護士が意見書を作成して、検察官や裁判官に提出することが考えられます。勾留が延長された場合は、準抗告によって争うことも可能です。

準抗告とは?裁判官や検察官の処分への対抗手段

 

意見書や準抗告申立書には、事件の性質や証拠収集の状況をふまえて、「10日の勾留で終局処分の判断が可能であること」や「捜査機関が証拠を収集するための十分な時間的余裕があったこと」を記載し、勾留延長の「やむを得ない事由」がないことを主張します。

 

 このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しました。

 

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