早期釈放につながる10のポイント

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

被疑者を勾留するためには、罪を犯した嫌疑があることに加え、証拠隠滅のおそれか逃亡のおそれがなければいけません。また、たとえ証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれがあったとしても、勾留の必要性がなければ、勾留することができません。

 

勾留の必要性は、身柄を拘束する必要性と勾留によって被疑者が受ける不利益を比較して判断されます。後者の方が前者より格段に大きければ勾留の必要性は低いということになります。

 

以下では、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれ、勾留の必要性を低下させ、早期釈放につながる10のポイントを解説しています。

 

 

<逃亡のおそれを低下させる事情>

 

① 実刑判決の可能性が低い

前科・前歴がないにもかかわらず、いきなり実刑になる犯罪はごく一部の重大な犯罪に限られます。ほとんどの犯罪は、初犯であれば、略式裁判で罰金にとどまるか、正式裁判になったとしても、執行猶予がつきます。

 

実刑判決の可能性が高ければ、「刑務所行きになるくらいなら逃げた方がマシ」と考えることもあるでしょうが、そうでなければ、逃げる可能性は低いと考えられます。

 

② 身元が安定している

資産がなく、無職で、一人暮らしであれば、背負っているものがないため、ふらっと逃げてしまうかもしれません。これに対して、妻子がおり、会社に勤めていてそれなりの収入があり、持ち家などの資産を持っていれば、それらを捨ててまで逃亡する可能性は低いと考えられます。

 

③ 高齢である/重大な疾患を抱えている

高齢であったり、定期的な通院が必要となる重い病気にかかっている場合は、逃亡生活を続けることは難しいため、逃亡の可能性は低いと考えられます。

 

<証拠隠滅のおそれを低下させる事情>

 

④ 被害者や関係者と接触することが困難である

例えば、満員電車でたまたま乗り合わせた女性に痴漢をしたケースでは、被疑者は、被害女性や目撃者の氏名、住所、電話番号、勤務先などの個人情報を知らないことが通常であり、証言を変更させるために、被害者や目撃者に会おうと思っても、会える可能性はかなり低いです。

 

逆に、知り合いの女性に対する性犯罪や同居の妻に対するDV、隣人トラブルの延長での傷害事件といったケースでは、被害者に接触しようと思えば容易に接触でき、証拠隠滅のおそれが高いと判断されやすくなります。

 

⑤ 証拠隠滅の余地がない

既に警察が有力な証拠を確保している場合、もはや証拠隠滅の余地がないといえます。例えば、スーパーマーケットでの万引き事件で、万引きをしている状況が防犯カメラで撮影されており、警察がカメラの映像を確保している場合が挙げられます。

 

事件が発生した日から逮捕された日までの期間が長ければ長いほど、警察が十分な証拠を収集する期間があったといえるので、それだけ証拠隠滅の余地も低下します。

 

⑥ 証拠隠滅の動機がない

被疑者が逮捕されてから一貫して自白しており、反省の態度を示しているときは、証拠隠滅の動機が認められにくいといえるでしょう。逆に、客観的な証拠に反する不合理な否認をしているときは、証拠隠滅の動機があると判断されやすくなります。

 

<勾留の必要性を低下させる事情

 

⑦ 職場を解雇される可能性が高い

勾留されたことが原因で職場を解雇されてしまえば、本人や家族の生活に重大な支障が生じるため、解雇の可能性が高いことは勾留の必要性を低下させる事情になります。

 

会社員は、勾留されることにより少なくとも10日前後、勤務先と連絡がとれなくなるので、解雇されてしまう可能性が高いといえるでしょう。

 

⑧ 会社経営が立ち行かなる可能性が高い

被疑者が会社を経営しており、勾留されると、経営が立ち行かなくなるという事情があれば、被疑者だけではなく家族や従業員の生活にも深刻な影響が生じるため、勾留の必要性は低下します。

 

零細企業の経営者で、自分の代わりに会社を運営できる人がいない場合は、「勾留により会社の経営が立ち行かなくなる」といえるでしょう。

 

⑨ 自分以外に子供を養育できる人間がいない

例えば、母子家庭で、母親が勾留されると幼い子供の世話をしてくれる人が周囲にいないときは、勾留されると子供に悪影響が及ぶため、勾留の必要性は低下します。

 

⑩ 重い病気にかかっている

被疑者が重い病気にかかっていれば、勾留されることにより、適切なタイミングで適切な医療を受けることができず、病状が悪化してしまい、生命の危険が生じることもあります。そのような事態が予想される場合は、勾留の必要性は低下するといえるでしょう。

 

ウェルネスの弁護士は、検察官や裁判官に提出する意見書に、できるだけ多くの釈放につながるポイントを入れるようにしています。

 

早期釈放のご依頼はウェルネス法律事務所(03-5577-3613)へお電話ください。

刑事事件の法律相談24時間受付

03-5577-3613

お問い合わせ

オーダーメイドの法律事務所

ウェルネス法律事務所

【大きい地図を見る】