クレプトマニア(窃盗症)の解決事例

クレプトマニアの解決事例

 

クレプトマニア(窃盗症)の解決事例①

事案の概要

ご本人(20代女性・会社員)は10代の頃から摂食障害を患っており、食料品の万引きを繰り返していました。前年に窃盗(万引き)で懲役1年・執行猶予3年の判決を言い渡されましたが、摂食障害が治ったわけではなく、約6か月後に食料品を大量に万引きして逮捕・起訴されました。

 

 

弁護活動

当初は国選弁護人がついていましたが、クレプトマニアを熟知した弁護士のサポートを受けたいとのことで、お母様より依頼を受けました。

 

 

弁護士が、万引きしたスーパーの店長と示談交渉しましたが、会社の方針とのことで示談は成立しませんでした。

 

 

起訴直後に保釈請求が成功し保釈されました。その後、ご本人はクレプトマニアの専門家によるカウンセリングを3回受け、「リスクマネジメントプラン」という再犯防止計画書を作成しました。

 

 

裁判ではリスクマネジメントプランを証拠として提出しました。また、専門家にも証人として出廷してもらい、カウンセリングやリスクマネジメントプランの内容、再犯の可能性について証言してもらいました。

 

 

ご本人は個別カウンセリングのほか、窃盗症治療のクリニックにも通院し、グループミーティングの形式で更生プログラムを受けました。通院するたびにプログラムの内容を報告書としてまとめてもらい、弁護士が証拠として提出しました。

 

 

このような活動の結果、執行猶予中の再犯であるにもかかわらず、再度の執行猶予を獲得することができました。

 

 

弁護士のコメント

示談が成立せず厳しい状況でしたが、徹底した再犯防止活動を行ったことにより、再度の執行猶予を獲得することができました。

 

カウンセリングやクリニックへの通院といった実績を積み重ねただけでなく、被告人質問や報告書の内容を通じて、本人の真摯な取り組み状況が裁判官に伝わったことが決め手になったと思われます。

 

ご本人の直筆メッセージ

 

 

クレプトマニア(窃盗症)の解決事例②

事案の概要

ご本人(30代女性・アルバイト)が書店で20冊以上の本を万引きした後に雑貨店で家電製品を盗んだ事件。

 

 

ご依頼者は、約1年前に窃盗(万引き)で懲役1年・執行猶予3年の判決を受けており、執行猶予中の事件でした。現行犯で検挙されたわけではなく、警察から連絡が来ていない時点でウェルネスに相談に来られました。

 

弁護活動

自首するために、弁護士がご本人・親御様と一緒に警察署に出頭しましたが、店舗から被害届が出ており、防犯カメラに写っていた車のナンバーから被疑者として特定されており、自首は成立しませんでした。

 

 

ご本人は、その後、窃盗症のクリニックを予約しましたが、初診の前に逮捕されました。弁護士が2つの店舗との間で示談を成立させましたが、執行猶予中の同種事件ということもあり起訴されました。

 

 

勾留中からクレプトマニアの専門家に留置場まで来てもらい、接見室でカウンセリングを受けてもらいました。保釈後はウェルエスの事務所で専門家のカウンセリングを受けてもらいました。ご依頼者はカウンセリングに加えて複数の自助グループに継続的に参加しました。

 

 

ご本人は執行猶予中でありながら、多数の本(同じタイトルの本もありました)や大きな家電製品をそれほど躊躇することなく万引きしました。万引きした後は、転売したり使用することなく、家に放置していました。

 

 

ご本人は境界性人格障害の診断を受けていましたが、当日は精神安定剤を服用しておらず、前日に親とケンカしたことから精神的に不安定になっていました。

 

 

このような事情をふまえ、裁判では、弁護士がご本人の行動の異常性を指摘し、心神喪失や心神耗弱ではないとしても、行動制御能力に相当の問題があり、量刑にあたって考慮されるべきと主張しました。裁判では、弁護士の指摘をふまえ、ご本人の行動制御能力が一定程度低下していたことが認定されました。

 

 

裁判では親御様が情状証人として出廷し、自らの言動が娘の精神不安定を招き万引きの一因となったことを認識し、今後は接し方を改めると証言しました。また、親御様もクレプトマニアの家族会に参加しており、娘の更生を支えると証言しました。

 

 

これらの事情に加え、2つの店と示談が成立したことやご本人が再発防止活動に尽力していることが評価され、再度の執行猶予を獲得することができました。

 

弁護士のコメント

出頭がもう少し早ければ自首が成立し逮捕を回避できた可能性が高かった事案でした。逮捕はされてしまいましたが、示談を含め考えられる全ての活動を行った結果、再度の執行猶予を獲得することができました。量刑に最も影響があったのは行動制御能力に問題があったと認定されたことです。

 

 

「大量の商品を次々と万引きした」、「とった後に全く使用していない(捨てた)」等の事情がある場合は、行動制御能力に問題があることを主張すべきです。

 

 

クレプトマニア(窃盗症)の解決事例③

事案の概要

ご本人(70代女性・無職)がスーパーで食料品を万引きしたところ、私服警備員に見つかり、現行犯逮捕されました。ご本人には窃盗癖があり、ご家族もクレプトマニアではないかと考えていました。

 

弁護活動の概要

逮捕されると48時間以内に検察庁に連行され、検察官の取調べを受けます。

 

 

ウェルネスの弁護士が検察庁でご本人と初回接見し、これから始まる検察官の取調べにどのように対応すればよいかをアドバイスしました。その結果、ご本人は勾留請求されずその日に釈放されました。

 

 

釈放後にクレプトマニア(窃盗症)治療のクリニックに通院してもらいましたが、窃盗の前科があったことから公判請求されました。

 

 

ご本人は万引きをした瞬間のことは覚えていませんでしたが、「裁判を長引かせたくない」と希望されたため、裁判では故意や責任能力については争いませんでした。

 

 

ご本人は高齢で認知症のきざしもあったことから、医師に相談したところ、「窃盗症や認知症が本件犯行に影響を与えた可能性がある」と診断されました。

 

 

裁判では診断書を証拠として提出したり、ご家族が情状証人として出廷し、どのように監督していくかを証言してもらいました。このような活動の結果、検察官の求刑を下回る執行猶予判決となりました。

 

弁護士のコメント

執行猶予が付く場合は、懲役の期間は検察官の求刑通りとなるのが通常ですが、この事件では求刑よりも短くなりました。

 

 

被告人がクレプトマニアであることを認定した上で、故意や責任能力を否定し無罪とした判決はこれまで出ていません。無罪を主張すると裁判が長期化するというデメリットもあります。

 

 

このケースのように、クリニックへの通院といった再犯防止策を実行したり、医師の診断書を提出することにより執行猶予を目指すアプローチが現実的です。

 

ご家族の直筆メッセージ

 

クレプトマニア(窃盗症)の解決事例④

事案の概要

コンビニエンスストアで食料品を万引きして逮捕された事件。ご本人(40代男性・会社員)は逮捕翌日に釈放されましたが、その後、窃盗で罰金の前科があったこともあり起訴(公判請求)されました。起訴後にウェルネスにご依頼をいただきました。

 

弁護活動

ご本人は釈放後にコンビニの店長にお詫びしましたが、オーナーからは「刑が確定するまで何も受けとれないし会うつもりもない。」と言われていました。そこで、改めて弁護士がオーナーと交渉したところ、ご本人のお詫びの気持ちが伝わり、示談の提案を受け入れてもらうことができました。

 

 

ご本人はクレプトマニア(窃盗症)治療のクリニックに通院するとともに、グループミーティングに参加しました。その上で、医師の診察やミーティングの状況について書面にまとめてもらい、証拠として提出しました。裁判にはご家族にも情状証人として出廷してもらいました。

 

 

このような活動の結果、検察官の求刑を下回る執行猶予判決を獲得することができました。

 

弁護士のコメント

ご本人は以前もクリニックに通院していましたが、仕事の状況等によりやむをえず通院を中断していました。

 

 

クレプトマニアで公判請求された方の中には、クリニックへの通院歴がありながらも何らかの事情で中断してしまい、その間に再犯をしてしまう方が少なからずいらっしゃいます。

 

 

そのようなケースでは、被告人質問で、検察官や裁判官から通院を中断していた理由について追及されます。動揺してしどろもどろの回答にならないよう、あらかじめ弁護側の主尋問でていねいに説明しておいた方がよいでしょう。本件でもそのように対応しました。

ご本人の直筆メッセージ

 

 

 

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