裁量保釈

 

裁量保釈とは

裁量保釈は保釈の第2候補です。第1候補である権利保釈が認められない場合に問題となります。

 

弁護士が保釈を請求すると、裁判官はまず権利保釈を許可するかどうかを判断します。権利保釈は、法律で決められた除外事由がなければ、必ず許可しないといけません。逆に除外事由がひとつでもあれば、必ず却下しないといけません。

 

除外事由があれば権利保釈は許可されませんが、まだ保釈のチャンスは残っています。もし裁判官が、被告人の健康上、経済上、社会生活上の不利益等を考慮し、適当と認めるときは、除外事由があったとしても、職権で保釈を許可することができるのです。

 

これが裁量保釈です。

 

 

裁量保釈と「特別の事情」

裁量保釈が問題になるのは、権利保釈が認められないときです。権利保釈が認められないということは、除外事由のどれかにひっかかったということですから、原則として保釈が適当でないといえます。

 

そのため、裁量保釈を認めるためには、保釈を許可すべき特別の事情が必要となります。

 

 

「特別の事情」の具体例

裁量保釈を許可すべき特別の事情の例として、以下のケースが挙げられます。

 

(1)被告人が重い病気にかかっている(健康上の不利益)

被告人が生命にかかわる重い疾患にかかっており、刑事施設の中では、適切な医療を受けることが期待できないときは、「特別の事情」があるとして、裁量保釈の可能性が高くなります。

 

保釈請求する際は、弁護士が診断書やカルテ、医師の意見書を、裁判所に提出します。

 

(2)退学や懲戒解雇のおそれ(社会生活上の不利益)

身柄拘束が長期化すると、学校から退学処分を受けたり、勤務先から懲戒解雇されるおそれが大きくなります。そのようなケースでは、「特別の事情がある」として、裁量保釈が認められる可能性が高まります。

 

保釈請求の際、弁護士が、学生証や社員証の写しを裁判所に提出し、これ以上勾留が続けば退学や解雇になる可能性が高いことを裁判官に説明します。

 

(3)子の養育

母子家庭などで、母親が勾留中、子どもが親族や施設に預けられている場合は、子の福祉という観点から、「特別の事情がある」として裁量保釈が認められる可能性が上がります。

 

子の養育状況について弁護士が報告書を作成し、保釈請求の際、裁判所に提出することが考えられます。

 

(4)依存症治療の必要性

性犯罪や薬物犯罪では、医師やカウンセラー等の治療を受けることが考えられますが、勾留中は、十分な治療を受けることができません。早期治療を受けるという観点から、「特別の事情」があると判断される余地があります。

 

保釈請求の際は、実際にどのような治療プログラムを受けるのかを、弁護士が裁判官に説明します。

 

(5)会社経営の必要性(経済上の不利益)

被告人が会社を経営しており、早期に復帰しなければ、事業の継続が困難になり、従業員や取引先など多方面に影響が及ぶ場合も、「特別の事情がある」として、裁量保釈の可能性が高まります。

 

被告人がいなければ事業が立ち行かなくなる理由について従業員や役員に陳述書を作成してもらい、裁判所に提出します。

 

 

実際は、これらの事情が一つでもあれば、裁量保釈が認められるというわけではなく、逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと等、他の事情も含めて総合的に判断されます。

 

 

裁量保釈のQ&A

家族の結婚式が間近に迫っていることは、裁量保釈の「特別の事情」にあたりますか?

 

冠婚葬祭のように1日で終わるイベントについては、「特別の事情」とまではいえないケースが多いです。まずは保釈請求をして、却下された場合は、「勾留執行の停止」を求めることになります。

 

 

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