保釈中に逃亡したらどうなる?

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

保釈中に逃亡するケース

保釈中に逃亡するケースの多くは「実刑判決になる可能性が高い事件」です。執行猶予が見込めるのであれば、決められた日に裁判所に出廷する程度の負担しかありませんので、わざわざ逃げる意味がありません。

 

実刑判決になる可能性が高い事件とは、傷害致死、強制性交等、特殊詐欺といった重大犯罪が挙げられます。また、執行猶予期間中に刑事事件を起こして起訴された場合も実刑になる可能性が高いです。

 

ごく少数ですが、このような事件の被告人のなかには、「刑務所に入るくらいなら逃げた方がまし。」と考える人がいます。

 

保釈中に逃亡しても逃走罪にはならない

勾留中に逃走した場合は、逃走罪(刑法97条)が成立します。

 

逃走罪は国の拘禁作用を保護する犯罪です。そのため、逃走罪の対象になるのは、現に刑事施設に勾留されている人だけです。保釈中は刑事施設で勾留されているわけではありませんので、たとえ逃亡しても、逃走罪は成立しません。

 

保釈中に逃亡したら保釈金は没収される

保釈中に逃亡すれば保釈金は没収されることになります。

詳しくはこちら⇒【絶対さけたい】保釈金没収とは

 

保釈中に逃亡したらどうやって捕まえる?

保釈中に逃亡すると、検察庁にある専門の部署が所在捜査を行います。東京地方検察庁では総務部特別執行課が所在捜査を担当しています。総務部検務主任検察官の指揮のもと、数人の職員がチームで捜査します。

 

逃亡者の所在確認がとれると、警察にも協力してもらい身柄を確保します。保釈中に逃亡しても逃走罪は成立しませんので、他に何らかの犯罪を犯していない限り、逃亡者を「逮捕」することはできません。

 

検察事務官や警察官が逃亡者に勾留状と保釈取り消し決定の謄本を示して身柄を拘束します。

 

実際は、検察庁の人員不足もあり、何年間も所在がわからない逃亡者も少なくありません。このようなケースでは、潜伏していると思われる場所のあたりをつけた上で、ホテルや医療機関、銀行などにローラー的に捜査関係事項照会書を送って、協力を求めます。

 

保釈中に逃亡したら身元引受人の責任はどうなる?

弁護士が保釈請求する際、身元引受人を立てるのが一般的です。身元引受人に「責任をもって本人を監督します。」といった書面を作成してもらい、弁護士が裁判所に提出します。

 

それでは、被告人が逃亡した場合、身元引受人が責任を追及されるのでしょうか?

 

身元引受人が被告人の監督を誓約していたとしても、法的な責任までは負いません。そのため身元引受人が裁判所や捜査機関から責任を追及されることはありません。

 

もっとも身元引受人が保釈金を負担しているケースでは、保釈金を没収されることになります。また、逃亡した被告人を捕まえるために、捜査機関が身元引受人から、被告人の生活状況や立ち寄り先などについて事情聴取を受けることがあります。

 

保釈中の逃亡と判決

保釈中に逃亡すると、公判は中断します。身柄が確保されれば公判は再開しますが、保釈中に逃亡したことは判決に影響を与えるのでしょうか?

 

裁判で無罪を主張していた場合は、保釈中に逃亡したことにより、無罪を獲得できる可能性は非常に低くなってしまいます。自分が本当に無罪であれば、裁判所に出廷して堂々と自分の考えを述べるのが筋だからです。

 

裁判で罪を認めている場合、保釈中に逃亡することによって、より重い判決が下されることになるでしょう。

 

裁判中に逃げた以上、「反省していない」と言われても仕方がないですし、裁判所との約束を破った以上、「規範意識に欠ける」と言われても仕方がないからです。

 

保釈中の逃亡と時効

刑事事件の時効は、起訴することによって停止します。その後に被告人が逃亡しても、停止した時効が再び進行することはありません。そのため、何年後、何十年後であっても、逃亡者の身柄が確保されれば、裁判が復活します。

 

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