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刑事事件が家族に知られるタイミングと知られないようにする方法

刑事事件が家族に知られるタイミングと知られないようにする方法

 

 

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

 

 

逮捕・家宅捜索されたケース

警察が自宅に来て本人を逮捕するときや家宅捜索を実施するときは、当然ですが、同居の家族に知られる可能性が高いです。

 

 

警察が自宅以外の場所で本人を逮捕したときは、警察から逮捕した旨家族に連絡がいくことが多いです。

 

 

仮に警察から連絡がなくても、本人が逮捕されれば、家に帰って来れないわけですから、同居の家族に隠し通すのは難しいと思われます。

 

 

ただ、1人暮らしの方で勾留前に釈放されたときは、警察から家族に連絡がなく実名報道もされなければ、逮捕されたことが家族に発覚しないケースもあるでしょう。

 

 

逮捕・家宅捜索されないケース

逮捕や家宅捜索がなければ家族に知られないというわけではありません。刑事事件が家族に知られるタイミングとしては以下の4つが考えられます。

 

 

 ①身元引受人を立てるとき

逮捕されずに任意で警察の取調べを受ける場合は、身元引受人を立てるように求められることが多いです。身元引受人とは、被疑者が逃げたり証拠隠滅をしないよう監督する人のことです。

 

 

警察は本人の家族が身元引受人になることを想定しています。そのため、上司など他に適当な人がいなければ、警察は家族に連絡し、警察署まで本人を迎えに来させることが多いです。この段階で、刑事事件が家族に知られてしまいます。

 

 

【家族に知られないようにするために】

弁護士を身元引受人として自首することが考えられます。弁護士が身元引受人になれば、警察から家族に連絡がいくことは通常ありません。

 

 

痴漢や盗撮、万引きなどのケースで、事件の現場からそのまま警察署に連行されたときは、弁護士に相談する時間的余裕はないと思われます。

 

 

スマホで弁護士に相談したとしても、事前に契約していない限り、面識のない弁護士がすぐに駆けつけてくれることはないでしょう。

 

 

どうしても家族に知られたくなければ、上司や友人など家族以外の人を身元引受人に立てることになります。

 

 

また、同居の妻には絶対に知られたくないが、実家の親であれば知られてもやむを得ないというような場合は、親を身元引受人に指定することになります。

 

 

【関連ページ】

家族・上司が身元引受人になる4つのパターンと弁護士の対応

 

②検察官から呼び出しを受けるとき

警察から身元引受人を立てるように言われなかった場合や、上司や友人を身元引受人にした場合、警察段階では家族に知られない可能性が高いです。ただ、事件が警察から検察に引き継がれた時点で家族に知られる可能性が高まります。

 

 

事件が警察から検察に引き継がれることを「書類送検」といいます。書類送検のタイミングで担当の検察官が決まり、その後、検察官の取調べを受けることになります。

 

 

検察官が本人を呼び出す際、本人の携帯電話に直接連絡することもあれば、呼出状を本人の自宅に郵送することもあります。

 

 

後者の場合は同居の家族が呼出状を見ることによって、刑事事件になっていることを知られる可能性があります。

 

 

中身を見られなくても、封筒に「〇〇地方検察庁」等と書かれているので、「どうして検察庁から連絡がくるの?」と怪しまれる可能性があります。

 

 

【家族に知られないようにするために】

弁護士があらかじめ検察官に連絡して、本人を呼び出すときは呼出状を郵送するのではなく、本人の携帯電話に連絡するか、弁護士に連絡するよう依頼することが考えられます。

 

 

弁護士から検察官に依頼すれば、ほとんどの検察官が応じてくれます。ちなみに、ウェルネスの弁護士(楠洋一郎)が検察官にこのような依頼をしたことは数多くありますが、断られたことは一度もありません。

 

 

③略式命令・罰金の納付書が送達されるとき

検察官が本人を略式起訴したときは、略式裁判を経て、略式命令が本人の自宅に送達されます。家族に略式命令の書類を見られると、刑事事件で処罰されたことが知られてしまいます。

 

 

略式命令は特別送達という形式で郵送されますが、家族であっても受けとることはできるので、中身を見られる可能性があります。

 

 

中身を見られなかったとしても、封筒には「〇〇簡易裁判所」と記載されているので、「なんで裁判所から書類がくるのか?」と家族から怪しまれる可能性があります。

 

 

略式命令が送達された約1週間後に、検察庁から罰金の納付用紙も送られてきますので、同様に家族に知られるおそれがあります。

 

 

【家族に知られないようにするために】

事前に弁護士が検察官に対し在庁略式の方法で略式起訴することを求めます。在庁略式とは、略式起訴した当日に本人を裁判所に待機させ、その日のうちに略式命令を受けとり罰金を納付する手続です。

 

 

本人が裁判所に行って略式命令の書類を受けとるため、自宅に郵送されることはありません。また、本人が検察庁で罰金を納めるため、罰金の納付用紙が送られてくることもありません。

 

 

【関連ページ】

 略式裁判とは?罰金の金額や払えない場合について弁護士が解説

 

 

④起訴状・召喚状が送達されるとき

検察官に公判請求されれば、起訴状が裁判所から本人の自宅に送達されます。

 

 

起訴状も略式命令と同じく特別送達という形式によって郵送されますので、家族に中身を見られたり、「〇〇地方裁判所」といった差出人の記載から怪しまれる可能性があります。

 

 

初公判の日時が決まった後は、裁判所から召喚状が本人の自宅に送られます。召喚状も特別送達により郵送されます。

 

 

【家族に知られないようにするために】

弁護士が裁判所の担当書記官に、本人が裁判所に起訴状や召喚状を受け取りに行くことをお話ししておきます。裁判所でこれらの書類を受けとれば、後日自宅に送られてくることはありません。

 

 

なお、刑事裁判では判決書がご本人の自宅に郵送されることはありませんので、報道されない限り判決内容が家族に知られることはありません。 

 

 

ウェルネスの取り組み

☑ 平穏な家庭生活を守りたい

☑ 家族を不安にさせたくない

☑ 離婚は何としても避けたい

 

ウェルネスの弁護士は、ご依頼者のこのような気持を尊重し、なるべく刑事事件が家族に知られないように配慮しながら弁護活動を行います。

 

 

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刑事事件で警察が職場に連絡する5つのケースと解雇の可能性