【業務上横領】自動車の営業マンが5000万円を横領-自己破産と示談で事件化を阻止

この記事の執筆:弁護士 楠 洋一郎(登録番号第39896号)

 

 

事案の概要

自動車ディーラーの営業マン(30代男性)が多数の顧客から預かった自動車の販売代金を横領し、オンラインカジノに費消した事件。

 

 

解決内容

示談成立⇒事件化せず

 

 

弁護活動

ご本人は自動車の営業マンでしたが、営業成績を維持するストレスを発散するためオンラインカジノにはまり、顧客からの売上金を横領しては、別の顧客の売上金で穴埋めをするという自転車操業の果てに会社に発覚しました。発覚した時点で横領額は5,000万円を超えていました。

 

 

ご本人は高年収でしたが、ギャンブルにはまり蓄えがなく、消費者金融に多額の借金をしていました。横領が発覚して会社も解雇されたことから、今後の弁済について見通しが立てられない状況でした。

 

 

そこで、まず自己破産をして横領の損害賠償債務以外の借金を整理することになりました。

*横領の損害賠償債務は自己破産をしても免責されません。

 

 

自己破産をする場合は準備段階から特定の債権者に弁済をすること(偏波弁済)が禁止されます。自己破産は準備に約3カ月、破産申し立てをしてから免責が許可されるまで6カ月程度かかりますが、その間、被害会社にも弁済できないことになります。

 

 

もっとも、自己破産をしてその他の借金を全てゼロにすれば、被害会社への弁済に集中できるため、トータルで見ると弁済期間は短縮されます。弁護士が被害会社側の弁護士に上記の事情を説明した上で、免責確定後に弁済を開始する旨の中間合意書を取り交わしました。

 

 

その後に自己破産を申し立て、免責が許可された後に最終合意書を取り交わし、月額15万円の分割弁済で示談をまとめることができました。この時点で被害届は出ていませんでしたので刑事事件になることもありませんでした。

 

 

弁護士のコメント

ご本人はギャンブルにはまって借金を作りましたが、賭博によって過大な借金を負った場合は免責不許可事由になります(破産法252条1項4号)。

 

 

そのため、通常であれば免責されませんが、ご本人に反省文を作成してもらったり、精神科に通院してもらうことで、破産管財人の理解を得ることができ、免責が許可されました。

 

 

 

【その他の解決事例】

今回ご紹介した事例は一例に過ぎません。業務上横領事件は、被害金額や会社側との関係性によって、取るべき弁護方針が異なります。

 

ウェルネスでは、この他にも「事件化を回避したケース」「事件化したが不起訴処分を獲得したケース」「高額横領で執行猶予を獲得したケース」など、様々な解決実績がございます。

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「5,000万円超の横領・ギャンブルによる借金。どん底から『事件化』を防ぐ逆転の戦略」

被害額が数千万円に及び、さらにギャンブル等で返済原資がない絶望的な状況でも、諦めるのはまだ早いです。本事例のように、自己破産による債務整理と、会社側への説得的な返済計画の提示を組み合わせることで、刑事告訴を回避し、人生を再スタートできる場合もあります。

 

業務上横領の示談や弁護士費用については、以下のメインページで詳しく解説しています。

横領・業務上横領に強い弁護士に相談-弁護士費用や示談金の相場

 

 

【この記事の作成者】

弁護士 楠 洋一郎(第二東京弁護士会所属 / 登録番号:第39896号)

[事務所名:ウェルネス法律事務所]

 

刑事事件の弁護士経験15年以上。これまで約3000件の刑事事件を取り扱い、うち業務上横領事件は100件以上の実績があります。数千万円規模の被害弁償や複雑な示談交渉を数多く手がけてきました。

 

粘り強い交渉による「事件化の回避」や「不起訴」「執行猶予」の獲得など、現場での豊富な実務経験に基づき本記事を執筆しました。


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