国選弁護人を解任するには?最速で解任できる方法を紹介

国選弁護人を解任する方法

 

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

国選弁護人は自分で解任できない

私選弁護人は本人や家族が選任しているので、「いつでも」「どんな理由でも」解任することができます。

 

 

一方、被疑者の国選弁護人を選任しているのは裁判官、被告人の国選弁護人を選任しているのは裁判所です。

 

 

いずれにせよ、国選弁護人を選任しているのは本人や家族ではありませんので、本人や家族が国選弁護人を解任することはできません。国選弁護人を解任できるのは、選任した裁判官と裁判所だけです。

 

 

そのため、国選弁護人を解任してもらいたい場合は、被疑者や被告人が裁判官や裁判所に解任を請求し、認められる必要があります。

 

国選弁護人を解任できるケース

裁判官や裁判所が国選弁護人を解任できるケースは法律で定められています。具体的には、次の5つの事由がある場合に限り、国選弁護人を解任できるとされています。

 

【刑事訴訟法38条の3】

①私選弁護人が選任されたことその他の理由により弁護人をつける必要がなくなったこと。

②被疑者・被告人と弁護人の利益が相反する状況にあり、弁護人に職務を継続させることが相当でないこと。

③心身の故障その他の事由により、弁護人が職務を行うことができず、または職務を行うことが困難になったとき。

④弁護人がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。

⑤弁護人に対する暴行、脅迫その他の被告人の責めに帰すべき事由により弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき

 

国選弁護人を解任してもらいたい場合で一番多いのは、国選弁護人の活動に対して何らかの不満があるケースです。

 

 

実際に解任につなげるためには、「国選弁護人がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき」(④)であることを裁判所に納得してもらう必要があります。

 

 

そのためには、被疑者や被告人が④の事由が存在することを上申書に記載し、裁判所に提出する必要があります。提出の方法としては郵送によるのが一般的です。

 

 

国選弁護人の解任は難しい

国選弁護人を解任したいという場合は、被疑者が被告人が解任理由を記載した上申書を裁判所に提出することになります。もっとも、次のような理由で国選弁護人を解任してもらうことはまずできないでしょう。

 

☑ 国選のやる気がない

☑ 国選が使えない

☑ 国選と相性があわない

☑ 国選があまり接見に来てくれない

☑ 国選が家族に連絡してくれない

☑ 国選が示談交渉をしてくれない

☑ 国選が保釈請求をしてくれない

☑ 刑事事件の経験がほとんどない

☑ 自分の意見を聞いてくれない

☑ 国選と方針があわない

 

このような理由で国選弁護人の解任を認めると、裁判所の負担が増えたり、裁判がひんぱんに中断することになり、司法制度が崩壊しかねないからです。

 

 

国選弁護は主として経済的に恵まれない方のために、国民の税金で運用されており、国選弁護人の報酬も非常に低く抑えられています。

 

 

そのため、「最低限の活動をしてくれればそれで満足すべき。」ということもできるでしょう。

 

国選弁護人を最速で解任する方法

国選弁護人を解任してもらうのは非常に難しいですが、最速で解任する方法がひとつだけあります。それは、私選弁護人を選任することです。私選弁護人を選任すれば、国選弁護人はすぐに解任されます。

 

【私選弁護人から国選弁護人へのきりかえ】

①私選弁護人が本人や家族に弁護人選任届に署名・捺印(指印)してもらう

②私選弁護人が弁護人選任届を検察庁や裁判所に提出する

③国選弁護人が解任される

 

弁護人選任届とは、「この弁護士を私選弁護人に選任しました」という内容の書面です。通常は、私選弁護人が被疑者や被告人と接見した際に、弁護人選任届を差し入れて本人に署名・指印してもらいます。

 

 

弁護人選任届は起訴前であれば検察庁、起訴後であれば裁判所に提出します。提出したその日か遅くとも翌営業日には国選弁護人は解任されます。被疑者や被告人が裁判所に上申書を提出する必要もありません。

 

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