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弁護士が教える逮捕の可能性を知る3つの方法
このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。
逮捕されるか警察に聞けば教えてもらえる?
逮捕の可能性が全くない場合、「逮捕されますか?」と刑事に尋ねれば、「逮捕はしません。」と教えてくれることがよくあります。
これに対して、警察が逮捕を検討している場合、刑事に「逮捕されますか?」と質問しても、「はい。逮捕します。」等と教えてくれることはありません。
逮捕は逃亡や証拠隠滅を防ぐために行われます。本人に「これからあなたを逮捕します。」等と教えれば、かえって逃亡や証拠隠滅を誘発することになってしまうからです。
弁護士が逮捕されるか警察に聞けば教えてもらえる?
弁護士が尋ねた場合も本人が尋ねた場合と変わりません。すなわち、逮捕の可能性がある場合、刑事が弁護士に逮捕するか否かを教えることはありません。
ただ、刑事事件の経験豊富な弁護士であれば、刑事とのやりとりを通じて、逮捕の可能性をある程度判断することはできます。
事案にもよりますが、ウェルネスの弁護士が、刑事から「こちらとしてはやるべきことをやります。」、「法律に則って粛々と対応していきます。」等と言われた場合は、逮捕の可能性が相当程度あること前提として弁護方針を組み立てます。
弁護士が教える逮捕されるか事前に知る3つの方法
次の3つのうちどれかひとつに該当すれば逮捕される可能性は少なからずあるといえるでしょう。
① 捜査員が自宅の前に張り付いている
例えば、警察署で任意の取調べをした後、警察車両で本人を自宅まで送迎し、本人が家の中に入った後も、引き続き警察車両が家の前で待機している場合です。
警察が既に逮捕状を請求している場合、または、逮捕状を請求する方向で検討している場合は、逃亡を防ぐため、本人の自宅近くに捜査員を待機させることがあります。
② 刑事に自宅待機を命じられた
警察署で任意の取調べを受け、帰り際に、刑事から「明日は仕事を休んで自宅で待機しておいてください。」等と言われる場合があります。
今後も逮捕せずに、在宅事件として捜査を進めるのであれば、警察としては、本人を呼び出した場合に出頭を確保できればよく、本人の居場所について干渉することはありません。ましてや、仕事に行かないよう指示することはありません。
警察が逮捕を考えていない場合は、「ふだん通りに生活してもらって構いませんが、警察から電話があった場合は出てください。」等と言うことが多いです。
③ 刑事からすぐに警察署に来るように言われ、日時の変更を依頼しても頑として応じてくれない
刑事から「今から警察に来てほしい。」等と言われ、都合がつかないので、日時の変更を依頼しても「とにかく来てくれ。」等と応じてくれないケースです。警察が逮捕を考えていないときは、日程変更の依頼に柔軟に応じてくれます。
③の場合は、たまたま融通の利かない担当者という可能性もなくはありませんが、①、②の場合は数時間以内に逮捕される可能性が十分にあります。①と②の両方あてはまる場合は、逮捕される可能性が高いです。
*上記の記事はウェルネスの弁護士が実際に体験したことに基づいて書いています。
逮捕が目前に迫っている状況で弁護士に相談できる?
逮捕状が発付されていなければ可能です。逮捕が近いというだけで、人身の自由や移動の自由が制限されることはないからです。
もっとも、既に捜査員が自宅前に張りついている場合は、「どこに行くのか?」等と聞かれ、事実上、外出できないことがあります。
その場合でも、弁護士が警察に要請すれば、外出を阻止されることはありません。阻止する法律上の根拠がないからです。
一方、既に逮捕状が発付されていれば、いつ逮捕されてもおかしくない状況ですので、弁護士事務所に相談に行くのは容易ではありません。
事務所に到着する前に逮捕されたり、到着後に捜査員が事務所に来て身柄の引渡しを要請することも考えられます(ウェルネスの代表弁護士は実際にそのような事例を経験しています)。
ただ、自分に逮捕状が発付されているかどうかを確実に知ることはできないので、Q3①~③のいずれかにあてはまる場合で、現時点で逮捕されていないのであれば早急に動くべきでしょう。
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