- トップ
- > 刑事事件用語集
刑事事件用語集
刑期の3分の1以上を服役し(無期懲役については服役後10年を経過し)、改悛の情が認められる者について、行政官庁(地方更生保護委員会)が保護観察を付して仮に釈放する処分。
軽微な犯罪に科される財産刑。金額は1000円以上1万円未満(これに対して罰金は1万円以上)。
検察官がする不起訴処分の一つ。証拠上、罪を犯したことは明白だが、示談や前科の有無、本人の反省などの事情により、起訴する必要がないと検察官が判断したときになされる。
弁護士報酬についてのルール・ブック。弁護士報酬が自由化される前は、全ての弁護士がこの規程に従わなければならなかった。平成16年に廃止。
金銭等を供託所に預けること。債務者が債権者に金銭を支払おうとしても債権者が受け取らない場合(例:借主が家主に家賃を支払おうとしても家主が受け取らない場合)等に利用される。
自己あるいは第三者に対する現在の危険を避けるため、やむを得ず犯罪に当たる行為をした場合において、実際に生じた被害が避けようとした被害と同じかそれより軽い場合に、違法性がないとして犯罪不成立となること。
抗告(こうこく)
下級裁判所が下した決定・命令について、上級裁判所に対して、取消しを求めること。
検察官が裁判所に対して公開法廷で行われる正式裁判を請求すること(⇔略式請求)
公判(公開法廷で行われる審理)を迅速に行うための準備手続。第1回公判前に、裁判官・検察官・弁護人が非公開で協議し、争点・証拠を整理する。裁判員裁判においては必ず公判前整理手続を経なければならない(公判前整理手続の段階ではまだ裁判員は選任されていない)。
逃亡または証拠隠滅を防ぐため、被疑者・被告人の身体を拘束する強制処分。
刑罰の一つ。軽微な犯罪に科され、1日以上30日未満の範囲で刑事施設に留置される。なお、勾留は判決確定前の処分であり刑罰ではない。
勾留延長請求(こうりゅうえんちょうせいきゅう)
検察官が裁判官に対して被疑者の勾留を延長するよう請求すること。勾留の期間は10日間だが、やむを得ない理由があればさらに10日延長できる。勾留延長請求が却下されれば、被疑者は当初の勾留期間内(10日以内)に釈放される(起訴される可能性もゼロではないが釈放される場合がほとんどである)。
裁判所・裁判官が適当と認める場合に、勾留されている本人を一時的に釈放すること。「緊急入院の必要がある」、「家族が危篤である」等切迫した事情があるときに認められる。
裁判官(裁判所)が勾留すべきか否かを判断する前に、被疑者(被告人)に事実の要旨を告げ弁解を聞く手続。
*検察官が裁判官に勾留を「請求」し、裁判官はその請求の当否を審査する。そのために勾留質問を行う。
検察官が裁判官に対して被疑者の勾留を請求すること。逮捕後、最長72時間以内に請求しなければならない。請求を受けた裁判官は、勾留の要件(証拠隠滅のおそれ、逃亡のおそれ等)を満たすと判断すれば、勾留状を発付する(=被疑者は勾留される)。勾留の要件を満たさないと判断すれば、勾留請求を却下する(=被疑者は釈放される)。
勾留されている本人、弁護人等が、裁判所・裁判官に対して、勾留の理由(証拠隠滅のおそれ、逃亡のおそれ等)あるいは勾留の必要性がなくなったとして、勾留を取り消すよう求める手続き。
勾留されている本人、弁護人等が、裁判所・裁判官に対して、公開の法廷で、どのような理由で勾留されているのかを明らかにするよう求める手続き。
裁判員裁判の対象となるのは以下の事件である。
①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に関する事件
②複数の裁判官によって審理等が行われる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を
死亡させた罪に関する事件。
*裁判員裁判の対象となる主な犯罪
殺人罪、強盗致死傷罪、強姦致死傷罪、強制わいせつ致死傷罪、現住建造物放火罪、覚せい剤取締法・麻薬及び向精神薬取締法違反(営利目的輸入など)、保護責任者遺棄致死罪、危険運転致死罪
強制退去事由があっても、法務大臣が特別に在留を許可すべき事由があると認めた場合、一定の期間、在留資格が付与される制度。
刑事施設で身体を拘束されている者に外部から物品を届けること。
刑罰の執行を一定期間引き延ばし、その期間中に一定の条件に該当しなければ、その刑罰を科さないこととする制度。例えば、懲役1年・執行猶予3年の判決が確定した場合、3年間何の犯罪も犯さなければ、刑務所に入らなくてもよい。
裁判「官」等がした勾留に関する裁判等に不服のある者が、裁判「所」に対して、その裁判等の取消しや変更を求めること。例えば、勾留を認めた裁判官の決定に対して準抗告を申し立て、その決定が取り消されれば被疑者は釈放されることになる。
自白事件(罪を認めている事件)の裁判においては、犯罪事実の他に被告人自身についての様々な事情が問題とされる。例えば、被告人のこれまでの生活状況(例:真面目に働いていたのか)や更生可能性(きちんと社会に復帰できるのか)等である。被告人の刑罰が少しでも軽くなるよう、これらの事情を法廷で語るのが情状証人である。最も一般的な情状証人は、被告人の家族・親族である。
刑事事件の被疑者・被告人が、反省や償いの意思を表すため、公益目的の団体等に寄付をすること。薬物犯罪など被害者がいない事件や、被害者と示談できなかった事件で行われることが多い。
親告罪(しんこくざい)
告訴がなければ起訴できない犯罪。強姦罪、強制わいせつ剤、器物損壊罪など。
自賠責保険の対象にならないひき逃げ事故や無保険事故の被害者を救済するため、国がこれらの被害者に一定の範囲で金銭を支払う制度。
責任能力(行為者を非難する前提となる能力)の有無・程度を調査する手続。精神科医によって行われる。捜査機関が主宰する鑑定(簡易鑑定、起訴前本鑑定)、弁護側が主宰する鑑定(私的鑑定)、裁判所が主宰する鑑定(職権鑑定)に分けられる。
行為者を非難する前提となる能力。①行為の善悪を判断する能力と②その判断にしたがって自己の行為をコントロールする能力からなる。責任能力がなければ犯罪は成立しない。
勾留中の被疑者・被告人と弁護士以外の者との接見を禁止する裁判官(裁判所)の処分。否認事件や共犯者がいる事件、暴力団絡みの事件の場合に付されることが多い。
裁判官(裁判所)に対して接見禁止処分(1つ上の項目参照)の一部を解除するよう申し立てること。接見禁止処分の解除の申立ては、法律で認められた権利ではなく、裁判官(裁判所)の職権発動を促すものにすぎない。もっとも、本人の配偶者や近親者に限定して、一部解除の申立てをすると解除が認められることが多い。
労働者と会社の間に賃金をめぐる民事紛争がある場合、民事訴訟によって紛争が解決するまでには時間がかかることから、労働者の当面の生活を確保するため、裁判所が会社に対して暫定的に一定期間の賃金支払を命じる制度。民事裁判手続の一つである。
ある事件について刑事裁判が進行中に、同じ法廷で一括して審理を進めるために、同じ被告人の別の事件を起訴すること。第一審に限り認められる。
経済的な理由で弁護士を依頼できない被疑者に対して、国の費用で弁護士をつける制度。死刑、無期、長期3年を超える懲役・禁固にあたる事件の容疑で勾留された被疑者に適用される。
刑事裁判において弁護人、検察官、裁判官(裁判員)が、被告人に対して、事件に関すること等を質問する手続き。被告人の回答は裁判の証拠となる。
評議(ひょうぎ)
裁判員裁判において、証拠調べ及び検察官・弁護人・被告人の意見陳述が終わった後に、裁判官と裁判員が、有罪・無罪の別、刑の重さ等について意見を述べ話し合うこと。有罪・無罪の別、刑の重さは、評議を経た上で、多数決原理に基づく一定のルールによって決められる。
犯罪の実行者(正犯)を手助けする者。例えば、凶器を貸したり、犯行現場で見張りを行う者などをいう。「従犯」ともいう。
保証金(保釈金)の裁判所への納付を条件として、勾留中の被告人を一時的に釈放すること。重大犯罪を犯したときや証拠隠滅のおそれがある場合、保釈は認められない。なお、起訴前の被疑者が保釈制度を利用することはできない。
検察官が略式手続による裁判を請求すること。略式手続とは、簡易裁判所が軽微な事件について、法廷での審理を行わず、書面審理で100万円以下の罰金・科料を命じる手続である。略式命令を受けた者は、命令に不服があれば、告知を受けた日から2週間以内に正式裁判を請求することができる。
⇒略式裁判
労働者・使用者間の民事紛争を迅速に解決するための手続。労働審判の申立てがなされると、裁判官1名、専門の委員2名によって構成される労働審判委員会が、3回以内の期日で事案を審理し、話し合いによる解決を試み、話し合いによって解決できない場合は審判を出す。当事者の一方が審判に異議を申し立てると、その審判は効力を失い、通常の民事訴訟に移行する。