職場窃盗で逮捕される?逮捕回避や不起訴の方法について弁護士が解説

職場窃盗をしてしまったら逮捕されるリスクがあります。起訴されて前科がつくこともあります。このページでは職場窃盗をしてしまった方を対象として、逮捕を回避する方法や不起訴を獲得する方法について解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が作成しました。

 

 

 

 

職場窃盗でよくある事例

職場窃盗でよくあるのは、従業員の荷物置き場やロッカーから財布を取り出してお金を抜き取るケースです。お金を抜き取った後、ばれないように財布を元にあった場所に戻すのが通常です。

 

 

職場によっては鍵付きのロッカーがなく、事務所の片隅に従業員が私物を置いていることがあります。社内窃盗はそのような職場で発生することが多いです。

 

 

鍵付きのロッカーが常備されている職場でも社内窃盗は発生します。隣のロッカーを同僚が使っているときに暗証番号を盗み見て、後でこっそりロッカーを開けて財布からお金を抜き取ります。

 

 

お金ではなく、キャッシュカード等のカード類を抜き取るケースもあります。また、同僚の財布から金銭などを盗むのではなく、パソコン等の職場の備品を盗むケースもあります。

 

 

職場窃盗はこうして発覚する

職場窃盗が発覚するケースで最も多いのが防犯カメラです。職場窃盗を繰り返している中で、犯人が知らない間に防犯カメラが設置され、何度目かの窃盗で発覚することがあります。

 

 

シフト制で働いている場合は、特定の従業員が入っているシフトのときだけ窃盗事件が起きている場合、その従業員へのヒアリングが実施されて発覚することもあります。職場窃盗の被害者が警察に被害届を出した場合は、財布やロッカーに付いた指紋によって発覚することもあります。

 

 

職場窃盗は何罪になる?罰則は?

職場で現金などを盗ると窃盗罪になります。罰則は10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。

 

 

【刑法】

第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

 

職場でクレジットカードをとった場合も窃盗罪が成立します。とったクレジットカードを不正に利用して店で買い物をした場合は、店員を被害者とする詐欺罪も成立します。

 

 

本当はカードの名義人ではないのに、あたかも名義人であるかのように装って、店員にカードを提示して商品を得ているので詐欺罪になるのです。

 

 

詐欺罪の罰則は10年以下の拘禁刑です。窃盗罪のように罰金刑はありませんので、起訴されれば公開法廷で審理され、検察官から拘禁刑を請求されます。

 

 

【刑法】

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

 

 

職場窃盗で逮捕される?

窃盗罪の逮捕率・勾留率・勾留延長率は以下のとおりです。

 

 

窃盗罪の逮捕率

32%

窃盗罪の逮捕率

88%

窃盗罪の勾留延長率

66%

 

*逮捕率・勾留率の根拠…2024年版検察統計年報:罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員

*勾留延長率の根拠…2024年版検察統計年報:罪名別 既済となった事件の被疑者の勾留後の措置、勾留期間別及び勾留期間延長の許可、却下別人員

 

上記の数値は窃盗罪「全体」の逮捕率・勾留率・勾留延長率ですが、職場窃盗だけに限るともっと確率が上がると思われます。窃盗罪のほとんどを占めるのは万引きですが、職場窃盗は万引きよりも悪質とみなされやすいためです。

 

 

【職場窃盗が悪質とみなされる理由】 

①同僚の信頼を裏切り職場の環境を乱した

②衝動的な犯行ではなく計画的である

③余罪がある場合が多い

 

 

職場窃盗のケースでは、余罪で再逮捕されることがあります。防犯カメラ等の信頼性の高い証拠がある状況で余罪を否認すれば、再逮捕される可能性が高くなります。

再逮捕とは?再逮捕されると罪が重くなる?執行猶予への影響も解説

 

 

余罪について全面的に認めていれば、再逮捕ではなく追送致になる余地があります。

追送致とは?再逮捕と追送致をわける4つのポイント等を解説

 

 

職場窃盗で報道される?

職場窃盗で逮捕されると実名報道されることがあります。特に公務員や教員、医療関係者が職場窃盗を犯した場合は、被害額にかかわらず実名報道されることが少なくありません。

 

 

逮捕されなければ、公務員や教員、医療関係者であっても実名報道されませんが、勤務先によって職場内で実名と懲戒処分の内容が公表されることはあります。

 

 

【実名報道された職場窃盗】

◆看護師が勤務していた病院で3000円を盗んで逮捕された事件(2025年・千葉県)

◆消防署員が署内のノートパソコン等を盗んで逮捕された事件(2025年・沖縄県)

 

 

職場窃盗で逮捕を回避する方法は?

職場窃盗で逮捕を回避するためには警察に自首することが有効です。自首という形で自ら警察署に出頭して捜査に協力することにより、逮捕の要件である逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれが低下したと判断されやすくなるためです。

 

 

逮捕を回避することができれば、有名人でない限り報道も回避することできます。

 

 

犯人として警察に特定された後に出頭しても自首は成立しません。そのため、自首をするのであれば早めに動いた方がよいでしょう。まずは自首同行の経験豊富な弁護士にご相談ください。

自首に弁護士が同行するメリットや弁護士費用、自首の流れについて

 

 

職場窃盗で起訴される?

1.職場窃盗の不起訴率

不起訴とは被疑者を刑事裁判にかけないこととする検察官の処分です。不起訴になれば裁判にならないので、処罰されることはなく前科もつきません。

 

 

窃盗罪全体の不起訴率は56%です。

*根拠…2024年版検察統計年報:罪名別 被疑事件の既済及び未済の人員

 

 

職場窃盗だけの統計データはありませんが、職場窃盗の不起訴率は窃盗罪全体の不起訴率よりも下がると思われます。窃盗罪のほとんどを占めるのは万引きです。万引きは微罪処分の対象となる比較的軽い事件ですので、初犯で起訴されることはまずありません。

 

 

これに対して、職場窃盗は万引きよりも悪質とみなされやすく、初犯でも起訴される可能性が十分にあります。

 

 

2.いきなり公判請求されることも

万引きの場合は初犯の方がいきなり公判請求されることはありません。まずは略式起訴され罰金となり、その後に再び万引きで検挙されると、公判請求されて執行猶予付き拘禁刑になることが多いです。

 

 

これに対して、職場窃盗は万引きより悪質とみなされやすく、初犯であってもいきなり公判請求されることがあります。以下のいずれかのケースでは公判請求される可能性が高くなります。

 

 

①被害金額が1万円以上

②キャッシュカードを盗んで不正利用した場合

③余罪がある場合

 

 

職場窃盗で不起訴を獲得するためには?

職場窃盗で不起訴を獲得するためには、被害者との間で示談をすることが必要です。示談書に「許す」といった宥恕文言(ゆうじょもんごん)が含まれていれば、不起訴になる可能性が高くなります。

 

 

職場窃盗のケースでは、被害者は信頼していた同僚に裏切られているので、厳しい処罰感情を抱いているケースが多いです。弁護士には被害者の心情に配慮した示談交渉が求められます。

 

 

ウェルネスでは多数の職場窃盗事件について逮捕回避・不起訴を実現しています。職場窃盗でお悩みの方はお気軽にウェルネス(03-5577-3613)の弁護士までご相談ください。