DVで逮捕される?逮捕された場合の流れや早期釈放・不起訴の方法を解説

このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が作成しています。

 

 

 

DVは何罪になる?

1.傷害罪になるケース

配偶者に暴力をふるってケガを負わせた場合は傷害罪が成立します。傷害罪の罰則は15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。

 

【刑法】

第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

 

 

2.暴行罪になるケース

配偶者に暴力をふるったがケガが生じなかった場合は暴行罪にとどまります。暴行罪の罰則は2年以下の拘禁刑30万円以下の罰金拘留科料のいずれかです。

 

【刑法】

第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 

 

3.脅迫罪になるケース

言葉の暴力であっても、「殺すぞ」等と配偶者の生命や身体等に危害を加える旨を告知して怖がらせた場合は脅迫罪になります。脅迫罪の罰則は2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。

 

【刑法】

第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。

 

 

4.示凶器暴行罪・示凶器脅迫罪(暴力行為等処罰法違反)になるケース

凶器を示して暴行・脅迫した場合は、暴力行為等処罰法違反になります。罰則は3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。

 

【暴力行為等処罰ニ関スル法律】

第一条 団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人共同シテ刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百八条、第二百二十二条又ハ第二百六十一条ノ罪ヲ犯シタル者ハ三年以下ノ拘禁刑又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス

 

 

5.常習傷害罪・常習暴行罪・常習脅迫罪(暴力行為等処罰法違反)になるケース

常習的に傷害・暴行・脅迫をした場合も暴力行為等処罰法違反になります。罰則は配偶者にケガを負わせた場合は1年から15年の拘禁刑、ケガを負わせなかった場合は3か月から5年の拘禁刑です。

 

【暴力行為等処罰ニ関スル法律】

第一条ノ三 常習トシテ刑法第二百四条、第二百八条、第二百二十二条又ハ第二百六十一条ノ罪ヲ犯シタル者人ヲ傷害シタルモノナルトキハ一年以上十五年以下ノ拘禁刑ニ処シ其ノ他ノ場合ニ在リテハ三月以上五年以下ノ拘禁刑ニ処ス

 

 

DVで逮捕されるケースは?

DVは被害者である配偶者や近隣住民の通報をきっかけとして警察が認知します。警察がDVを認知した場合、DV加害者を逮捕することがあります。以下のケースではDV加害者が逮捕される可能性が高くなります。

 

 

1.DV被害者が重傷を負った場合

DV被害者が骨折など全治1か月以上の重傷を負った場合は、逮捕される可能性が高くなります。

 

 

2.凶器を用いて暴行した場合

DV加害者が凶器を用いて暴行した場合は、悪質であると判断され逮捕されることが多いです。包丁などわかりやすい凶器でなくても、家電製品のリモコン等で暴行した場合も逮捕されることがあります。

 

 

3.子供に暴力を振るった場合

DV加害者が配偶者だけではなく幼い子供にも暴力をふるった場合は、逮捕される可能性が高いです。

 

 

4.DV加害者が興奮して手が付けられなくなっている場合

DV加害者が、駆け付けた警察官の面前でキレた場合、警察官に「この人間はヤバい」と思われ逮捕されやすくなります。言葉の暴力だけの場合でも興奮状態に陥っている場合は脅迫罪で逮捕されることがあります。

 

 

DV被害者の意思に反して逮捕されることも

1.逮捕するか否かは警察が判断する

DV加害者を逮捕するか否かは、DV被害者ではなく警察が判断します。警察が逮捕すべきと判断すると、DV被害者が「逮捕しないでください」と泣き叫んで警察に訴えても、聞く耳をもってもらえません。

 

 

2.DV被害者の意思に反しても逮捕する理由

昨今、DVに端を発して傷害致死や殺人などの重大事件に発展するケースが少なくありません。何かあったときに真っ先に批判されるのは警察ですので、警察もDVに対しては厳しい姿勢で臨まざるを得ないのです。

 

 

3.逮捕までの流れ

事態を重く見た警察から、DV被害者が被害届や診断書の提出を促され、逮捕状の請求→発付と手続が進んでいき、当日中か遅くとも翌日にはDV加害者が逮捕されます。現場に駆け付けた警察官により現行犯逮捕されることもあります。

 

 

4.被害届なしで逮捕されることも

警察が「夫婦を一緒にしたら危ない」と判断した場合は、被害届なしで逮捕することもあります。ウェルネスの弁護士もDV被害者が被害届の提出を拒んだところ、被害届なしでDV加害者が逮捕された事件を担当したことがあります。

 

 

DV加害者が逮捕された後の流れ

刑事手続の身柄拘束は逮捕⇒勾留という順番で行われます。逮捕は最長3日ですが、勾留は原則10日、延長されれば最長20日にもなります。

 

 

勾留されると身柄拘束が長期化するため、勤務先を解雇されるリスクがあります。勤務先を解雇されるとDV加害者だけでなく、配偶者であるDV被害者の生活も立ち行かなくなってしまいます。そのため、何としても勾留を阻止したいところです。

 

 

DVで逮捕された!勾留を阻止できる?

1.勾留を阻止する余地があるケース

DV被害者の意思に反してDV加害者が逮捕された場合は、DV被害者の協力が見込めるため、勾留を阻止できる余地が十分にあります。

 

 

2.勾留を阻止するのが難しいケース

DV被害者が「離婚したい」、「二度と会いたくない」と考えている場合は、勾留される可能性が高くなります。このようなケースでは、被害者は配偶者から何度もDVやモラハラを受け、精神的にも肉体的にも傷ついていることが少なくありません。

 

 

そのような被害者は、配偶者が勾留されている間に、女性センターの相談員や弁護士のサポートを受けながら、子供と一緒にシェルターやアパートに避難して新たな生活を始めることになります。

 

 

被疑者を勾留するのは配偶者に避難する時間的な余裕を与えるためという側面もあります。DV被害者が離婚までは考えていなくても、「心の整理がつかない」、「留置場でしばらく反省してもらいたい」と考えている場合も勾留される可能性が高いです。

 

DVで逮捕された!勾留を阻止する方法は?

DV加害者が逮捕されても、DV被害者の協力を得られる場合は、勾留を阻止できる可能性が高いです。

 

 

まず、弁護士がDV被害者に早期釈放を求める嘆願書にサインしてもらいます。また、弁護士がDV加害者と接見して反省を促し、再発防止の誓約書にサインしてもらいます。

 

 

弁護士が上記の嘆願書や誓約書を検察官や裁判官に提出します。このような活動によって勾留を阻止できることが多いです。

【逮捕】勾留されなかったときの釈放の流れ-何時にどこに迎えに行く?

 

 

DVで逮捕された!不起訴はとれる?

1.DV被害者に離婚の意思がない場合

DV被害者が加害者と離婚するつもりがなく、今後も夫婦として一緒に生活していく意向であれば、不起訴になる可能性が高いです。弁護士が夫婦の間に入ってDV加害者を許す旨の示談書をとりつけ、検察官に提出します。

 

 

DV被害者が離婚を希望していない場合は、示談金は発生しないことが多いですが、DV被害者からの要望や再発防止策を示談書に盛り込み納得を得ることが必要になります。

 

 

2.DV被害者が離婚を望んでいる場合

①通常は起訴される

DV被害者が離婚したいと考えている場合は、DV加害者は勾留期間(20日)ぎりぎりまで勾留され、起訴されることが多いです。

 

 

②略式起訴されるケース

DV被害者のケガが軽傷であれば、略式起訴され罰金になることが多いです。略式起訴された場合は、起訴された当日に釈放されます。

逮捕・勾留中に罰金となり釈放される流れ

 

 

③公判請求されるケース

DV被害者が重傷を負った場合は公判請求される可能性が高いです。勾留された状態で公判請求されると、保釈されない限り判決当日まで釈放されません。

 

 

④不起訴の余地があるケース

DV被害者が離婚を望んでいる場合、DVだけにフォーカスするのではなく、離婚や財産分与、親権なども含めて包括的な示談をまとめることができれば、不起訴になる余地があります。

 

 

もっとも、起訴前の約3週間で包括的な示談をまとめるのは決して容易ではありません。離婚と刑事事件の両方に精通した弁護士に依頼すべきです。

 

 

ウェルネスの弁護士は多数のDV事件で早期釈放を実現しています。家族がDVで逮捕されたらお気軽にウェルネス03-5577-3613の弁護士にご相談ください!