DVで逮捕されたら

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

DVが刑事事件になるケース 

配偶者にDVをした場合、配偶者が警察に被害届や診断書を提出すれば、暴行事件や傷害事件として立件されます。配偶者から被害届や診断書が提出されなければ、刑事事件として立件されることはありません(死亡事件を除く)。

 

このページでは、DVを原因として、配偶者から被害届や診断書が提出され、暴行や傷害で立件されたケースについて解説しています。

 

(1)DV被害を受けた配偶者の意思に反して逮捕されるケース

夫に暴力をふるわれた妻が警察にかけこんだ場合、妻の意思に反して、刑事事件となり夫が逮捕されてしまうことがあります。昨今、DVに端を発する傷害致死などの重大事件が少なくありません。そのため、警察としても、DVに対しては、厳しい姿勢で臨むことが多いです。

 

妻としては、離婚や別居までは望んでおらず、警察から夫にきつく注意してもらえればよいと考えていただけであっても、事態を重くみた警察から、被害届や診断書の提出を促され、逮捕状の請求→発付と手続がどんどん進んでいき、当日中に夫が逮捕されることもあります。

 

妻としては、そこまでの事態を想定しておらず、夫が逮捕されたことを知り、どうしてよいのかわからずパニックになってしまうことがあります。

 

このようなケースでは、弁護士が妻と一緒に検察官と面談し、妻から検察官に対して、今後も夫と一緒に生活していくので速やかに釈放してもらいたい旨上申してもらいます。また、弁護士が夫と接見し、再発防止の誓約書にサインしてもらい、検察官に提出します。

 

早期に弁護士を選任してこれらの活動をすれば、勾留前に釈放され不起訴になるでしょう。

 

(2)DV被害を受けた配偶者が離婚や別居を望んでいないケース

DVを受けた妻としては、離婚や別居までは望んでいないが、心の整理をすぐにつけられないことがあります。夫にしばらく留置場で反省してもらいたいと思っているかもしれません。

 

このようなケースでは、①のケースと異なり、逮捕されても1,2日で釈放されず勾留される可能性が高いです。

 

ただ、妻との間で示談がまとまれば、勾留されても比較的早期に釈放され、不起訴になる可能性が高いです。接見室のアクリル板越しに、妻が逮捕された夫と示談交渉をするのは現実的ではありませんので、弁護士が間に入って調整することになります。

 

妻が離婚を希望していない場合は、示談金は発生しないことが多いですが、妻からの要望や再発防止策を示談書に盛り込み、妻の納得を得ることが必要になります。

 

(3)DV被害を受けた配偶者が離婚や別居を望んでいるケース

妻が離婚や別居を望んでいる場合、夫がDVで逮捕されれば、勾留期間(最長20日)ぎりぎりまで身柄拘束される可能性が高いです。このようなケースでは、妻としても、夫から何度かDVやモラハラを受け、精神的・肉体的に深く傷ついていることが少なくありません

 

妻としては、夫が逮捕されたことをきっかけとして、女性センターの相談員や弁護士のサポートを受けながら、子供と一緒に新しいアパートやシェルターに避難するケースが多いです。

 

このようなケースでは、新生活が安定するまである程度時間がかかることから、検察官は積極的に勾留請求や勾留延長の請求をし、裁判官も容易にこれを認める傾向があります。そのため、早期の釈放は容易ではありません。

 

妻が離婚を望んでいる場合、DV事件だけにフォーカスするよりも、離婚に伴う財産分与や慰謝料、親権等も含めて包括的に示談交渉した方がまとまる可能性が高くなります。示談がまとまれば、初犯の方であれば、釈放され不起訴となる可能性が高いです。

 

起訴前の約3週間で示談をまとめるのは決して容易ではありません。離婚と刑事事件の両方に精通した弁護士に依頼すべきです。

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