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自首せずに逮捕を防ぐベストな方法を弁護士が解説
このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。
自首のメリットとデメリット
犯罪をしても自首をすれば逮捕されない可能性が高まります。その後の処分についても不起訴や執行猶予を獲得できる可能性が高まります。
【自首のメリット】
①逮捕されない可能性が高まる
②不起訴や執行猶予の可能性が高まる
もっとも、自首したからといって、逮捕回避や不起訴、執行猶予が「保証」されるわけではありません。たとえ逮捕されずに不起訴や執行猶予を獲得できたとしても、長期間にわたって被疑者や被告人として扱われ、取調べや裁判を受ける必要があります。
【自首のデメリット】
①逮捕回避などの結果が保証されるわけではない
②取調べや裁判の負担
自首よりも示談が重要
このように自首にはメリットもありますが、デメリットもあります。そのため、刑事事件になる前に被害者と示談できるのであれば、自首よりも示談を優先すべきです。
被害者が警察に通報していない段階で、その被害者との間で、「被害申告をしない」という内容の示談をすることができれば、刑事事件にはなりません。
刑事事件にならなければ、逮捕されることも、前科がつくこともありませんし、自首したときのように、警察で取調べを受けることもありません。前歴がつくこともありません。
⇒前科とは?前歴との違いや5つのデメリット、結婚・就職に影響は?
【刑事事件になる前に示談をするメリット】
①逮捕されない
②警察に行って取調べを受ける必要がない
③前科も前歴もつかない
自首することなく示談できるケース
被害者が警察に通報し刑事事件になる前に示談できるのであれば、自首よりも示談を優先すべきです。もっとも、満員電車内での痴漢や駅構内での盗撮といったケースでは、被害者の名前や連絡先がわからないため、刑事事件になる前に示談することはできません。
このようなケースで被害者と示談するためには、検挙されたり自首した後に、警察官や検察官を通じて被害者の氏名や電話番号を教えてもらうことが必要になりますが、その時点では既に刑事事件の被疑者になっています。
刑事事件になる前に示談できる可能性があるのは次のようなケースです。
☑ 職場の同僚女性と一緒にお酒を飲んだ後、カラオケボックスに入り強引に胸をもんだ(強制わいせつ)
☑ 飲食店のトイレに盗撮目的でカメラを設置したが、30分後に見に行ったところカメらがなかった(迷惑防止条例違反、建造物侵入)
これらのケースでは、被害者側と連絡をとることができるので、警察に通報され刑事事件になる前に示談できる余地があります。
刑事事件になる前に示談交渉するときの注意点
被害者が知人であったり、商業施設で事件を起こしたときは、刑事事件になる前に示談できる余地があります。もっとも、ご本人が直接、被害者側に連絡を入れることは禁物です。被害者が怖がってしまい、被害申告を誘発することにもなりかねません。
特に性犯罪のケースでは、加害者が直接、被害者とコンタクトをとろうとすると、二次被害になりかねず、当初の事件で警察に被害届が出されると、逮捕される可能性が高まります。
ご本人が直接交渉するのではなく、弁護士を間に入れて交渉すべきでしょう。
ウェルネスの解決事例
迷惑防止条例、建造物侵入
【事案の概要】
盗撮目的でレストランのトイレに小型カメラを設置した事件。ご本人は、カメラを設置し飲食した後、そのカメラを回収するため再びトイレに入ったところ、カメラがありませんでした。
ご本人がトイレを出たところ、店員同士でヒソヒソと話をしていて明らかに動揺しているような雰囲気であったことから、ばれたと思い、会計を済ませてすぐに店を出ました。
【弁護活動】
犯行現場はチェーン店ではなく個人経営のレストランだったため、弁護士が店のオーナー側と交渉し、店と女性従業員への慰謝料を支払うことを条件として、「警察に被害申告をしない」という内容の示談がまとまりました。
⇒刑事事件になることなく事件は終了しました。
強制わいせつ致傷
【事案の概要】
ご本人が出会い系アプリで知り合った女性に対して、その女性の就寝中にわいせつな行為をした事件。女性が起きた後、ご本人は女性ともみあいになりましたが、女性を振りきり、その場から逃げてしまいました。女性は振り切られた際、転倒し負傷しました。
【弁護活動】
ご本人は女性と出会い系アプリとSNSでしかやりとりしていなかったため、電話番号がわかりませんでした。そこで、まず弁護士が考えたメッセージを、ご本人からSNSで女性に送信してもらい、その後、女性から弁護士に電話をかけてもらい示談交渉をしました。2日後に弁護士が女性と面談し、「被害申告をしない」という内容の示談が成立しました。
⇒刑事事件になることなく事件は終了しました。
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