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カプセルホテルでの男性に対する準強制わいせつ

このページは弁護士 楠 洋一郎が作成しています。

 

 

 

 

カプセルホテルでの準強制わいせつとは

準強制わいせつ罪の被害者は女性に限られるわけではありません。男性も被害者になり得ます。

 

 

成人男性が準強制わいせつの被害者になるケースは多くはありませんが、ゲイの男性がカプセルホテルで他の男性の陰茎等を触って準強制わいせつ事件になることがあります。

 

 

カプセルホテルのなかには、ゲイ男性によって性行為の場として利用されている施設があります。そこで初めて出会ったゲイ男性同士が流れで性行為をするのです。

 

 

そのような場所で性行為をすることの当否はさておき、お互いが合意した上で性行為をしているのであれば、準強制わいせつ罪にはなりません。

 

 

もっとも、事情を知らずに寝ている男性の陰茎等をまさぐった場合は、準強制わいせつ罪になり得ます。

 

 

このような施設では、寝ている男性の肩や膝を手のひらで軽く叩いて、脈がありそうか否かを確かめる行為が常態化しています。

 

 

相手の男性が寝入っていて叩いても反応がない場合、叩いた側が勝手に「問題ない」と考え、寝ている男性の陰茎等をまさぐってしまうと準強制わいせつ罪になります。

 

 

最後まで相手が寝ていれば発覚することなく刑事事件になることもありませんが、途中で相手の男性がびっくりして起きた場合は、フロントに言いに行くなどして刑事事件になることがあります。

 

 

また、掲示板などで「〇〇ホテルの〇〇階で寝ています!」といったメッセージを真に受けて、書き込みをした男性だと思って体を触っていると、全くの別人で、驚いた被害者によって通報されることもあります。

 

カプセルホテルでの準強制わいせつ事件への対応方法

カプセルホテルで寝ている男性に触って驚かれた場合、その場から逃げても後日逮捕されるリスクがあります。犯人特定の決め手になる証拠としては以下のようなものがあります。

 

 

①ホテルの宿帳に記載した氏名・住所等の個人情報

②クレジットカードで利用料金を決済したときのカード情報

③施設内外の防犯カメラ

 

 

後日逮捕を避けるためには自首をすることが考えられます。

 

 

女性に睡眠薬などを飲ませてわいせつ行為をする典型的な準強制わいせつ事件に比べると、必ずしも悪質性が高いとはいえないため、自首すれば逮捕や実名報道を回避できる可能性が高いです。

 

 

弁護士が自首に同行すればその場で身元引受人になれますので、家族や上司に知られるリスクも回避できます。

自首に弁護士が同行するメリットや同行の費用について

 

 

ウェルネスの解決事例

事案の概要

ご依頼者が出張中に泊まっていたカプセルホテルでゲイ男性のためのネット掲示板を見ていたところ、「〇階に寝ていますので触ってください。」というメッセージを見つけました。

 

 

ご依頼者がそのメッセージを真に受けて、掲示板に書かれていた場所に行ったところ、ブラインドが少し開いた状態で寝ている男性がいました。

 

 

ご依頼者は書き込みをした男性だと思って下腹部などを触ったところ、その男性がびっくりして起き上がったため、その場を離れてチェックアウトしました。

 

 

ご依頼者はチェックアウトする前に被害者がフロントで従業員と話している様子を目にして、刑事事件になり逮捕されたらどうしようと思いウェルネスに相談に来られました。

 

 

弁護活動

弁護士がご依頼者と一緒にカプセルホテルの所在地を管轄する警察署に出頭しました。

 

 

男性から被害届が出ており準強制わいせつ事件として捜査されておりましたが、ご依頼者はまだ犯人として特定されていなかったため、自首が成立し逮捕や報道を回避することができました。

 

 

その後、弁護士が担当の捜査員から被害者の電話番号を教えてもらい、示談交渉をした結果、示談が成立しました。事件は書類送検された後速やかに不起訴になりました。