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決闘罪とは?要件や逮捕されるケース、ボクシングとの違いを解説

決闘罪について

 

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

 

決闘罪とは

決闘罪は明治時代に制定された、「決闘ニ関スル件」という法律によって定められています。社会の急速な欧米化にともない、欧米に見られる決闘(duel)の風習が日本にも広まることをおそれて、明治22年に制定されました。

 

決闘とは

1.決闘の定義

決闘罪の「決闘」とは、当事者間の合意により相互に身体または生命を害すべき暴行をもって争闘する行為です。

 

 

2.決闘の合意

決闘の要件として当事者の合意が必要になります。

 

【決闘合意の例①】

「おまえ俺と命をかけて勝負しろ!死ぬ気でこい!」

「上等だ!表に出ろ!」

 

【決闘合意の例②】

「タイマンするぞ。どっちか倒れるまでやろうぜ!」

「おう!トコトンやってやる!」

 

 

「素手で決闘する約束だったのに相手がナイフを持ち出してきた」というように、一方の当事者がルール違反をしても、ケンカすること自体について合意していれば決闘罪が成立します。

 

 

相手から執拗に決闘を迫られて拒絶していたが根負けしてケンカした場合は、決闘の合意がないとして、決闘罪が成立しない余地があります。

 

3.決闘の背景

路上で肩がぶつかって偶発的にケンカになるような場合と異なり、決闘の当事者同士には何らかの因縁があるのが通常です。

 

 

【よくある決闘の当事者】

・抗争中の暴力団のメンバー

・対立する暴走族・不良グループのメンバー

・1人の女性をめぐって三角関係にある男性2名

 

 

 

決闘罪の刑罰-罰金はない

決闘をした場合の刑罰は懲役2年~5年です。もともと「決闘罪ニ関スル件」には罰金刑も定められていましたが、現在は適用されません。

 

 

非公開の略式裁判で済む罰金刑がないため、起訴されれば公開法廷で検察官から懲役刑を請求されることになります。

 

行為刑罰
決闘を挑んだ懲役6か月~2年
決闘の挑発に応じた
決闘に立ち会った懲役1か月~1年
決闘に立ち会うことを約束した
決闘することを認識して場所を貸した

 

 

決闘罪の関連犯罪

1.暴行・傷害罪

決闘は当事者間の合意によりケンカをすることですので、暴行罪は決闘罪に含まれています。もっとも、決闘により相手にケガを負わせた場合は、決闘罪に加えて傷害罪が成立します。刑罰は15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

 

 

2.殺人罪

決闘により殺意をもって相手を殺した場合は、決闘罪に加えて殺人罪が成立します。刑罰は死刑、無期懲役、懲役5年~20年のいずれかです。

 

 

3.傷害致死罪

決闘により相手を死なせてしまったが殺すつもりがなかった場合、決闘罪に加えて傷害致死罪が成立します。刑罰は懲役3年~20年です。

 

 

4.銃刀法違反

ナイフを持って決闘に臨んだ場合は、銃刀法違反が成立する余地があります。刑罰は2年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

 

 

5.凶器準備集合罪

決闘をするために2人以上の者が凶器を持って集まった場合は、凶器準備集合罪が成立します。刑罰は2年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

 

 

6.凶器準備結集罪

決闘をするために凶器を持ったメンバーを集合させた場合は、凶器準備結集罪が成立します。刑罰は3年以下の懲役です。

 

 

ボクシング等の格闘技は決闘罪になる?

格闘技は合意の上でお互いに攻撃しあうという点で決闘罪の構成要件を満たしていますが、スポーツまたは興行として反復・継続して行われるものであり、刑法35条の「正当業務行為」として違法性が否定されます。

 

 

そのため、社会一般に是認される範囲のものであれば、格闘技が決闘罪になることはありません。プロボクシングやK1等のようなプロ格闘技だけではなく、アマチュア格闘技でも決闘罪にはなりません。

 

 

プロレス等で反則行為が行われたとしても、格闘すること自体に合意がある以上、決闘罪は成立しませんが、相手が全く予測していない反則行為によりケガをさせた場合は、傷害罪が成立する余地があります。

 

 

決闘罪と逮捕

お互いに拳で殴り合っているだけであれば、逮捕される可能性は低いですが、ナイフや金属バット等の凶器を使用して決闘した場合は、逮捕される可能性が高くなります。

 

 

素手の決闘であっても相手方に重いケガを負わせた場合や、不良グループや暴力団のメンバー同士が決闘した場合は逮捕される可能性が高くなります。

 

決闘罪と殺意の有無

凶器を使って決闘した場合、殺意が認定されれば、たとえ相手が死亡していなくても殺人未遂罪になります。殺意の有無については、決闘に使った凶器の殺傷能力や凶器を使って攻撃をした部位によって判断されます。

 

 

刃体の長さが10センチを超える鋭利なナイフを使用して、相手の腹部や頸部を刺した場合は、本人が「殺すつもりはなかった」と言っても殺意が認定される可能性が高いです。

 

 

決闘罪で起訴されると執行猶予?実刑?

決闘罪で検挙された場合、次のような事情があると、起訴される可能性が高くなります。

 

 

・決闘により相手にケガを負わせた

・凶器を使って決闘した

・多数が関与する決闘を主導した

・人目につく場所で決闘を行い多くの人を不安にさせた

・執行猶予中である

・粗暴犯の前科がある

 

 

初犯であれば起訴されても執行猶予がつく可能性が高いですが、決闘で相手を死亡させた殺人未遂が認定された場合、重いケガを負わせた場合は、実刑になる可能性が高いです。執行猶予中や粗暴犯の前科がある場合は、相手が軽傷であっても実刑になる可能性が高くなります。

 

決闘罪と示談

決闘罪で不起訴や執行猶予を獲得するために最も重要なことは、相手方と示談をすることです。

 

 

自分と相手のケガが同程度であり、お互いに決闘罪の被疑者として捜査されていれば、他に特別の事情がない限り、示談金なしで示談が成立する余地が十分にあります。

 

 

自分が軽傷で相手が重傷を負っている場合は、治療費や休業損害、慰謝料等の支払いが必要となるでしょう。いずれにせよ示談をすれば不起訴や執行猶予の可能性が高くなります。

 

 

決闘罪と少年事件

決闘は少年によって行われることが多い犯罪です。決闘を行う少年は暴走族や不良グループに属しており、非行性が進んでいることが多いです。なかには保護観察中の少年もいます。

 

 

少年院を回避するためには、親の協力のもとで、交友関係の見直しや安易に暴力に訴える傾向を改善していくことが必要になります。

 

 

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