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持続化給付金詐欺で自首して逮捕・報道を回避する
このページは弁護士 楠 洋一郎が作成しています。
目次
持続化給付金詐欺で自首して逮捕の可能性を下げる
新型コロナで売上げが減少した事業者を支援するための持続化給付金をだまし取ったとして、詐欺罪で逮捕・起訴されるケースが目立っています。
持続化給付金詐欺は全国的にも数が多く、警察の捜査が追いついていない状況ですので、ある程度時間が経過した後に逮捕されることも考えられます。
通常は、犯罪から時間がたつにしたがって証拠は散逸していき、捜査も難しくなっていきます。
しかし、持続化給付金詐欺のケースでは、オンライン申請をしているため、受給者の身元や虚偽の申請データが当局のコンピューターシステムに保存されており、いつでも捜査できることから、時効期間の7年が経過するまでは安心できません。
もっとも、警察に自首をすることによって逮捕の可能性を下げることができます。
逮捕は、逃亡や証拠隠滅のおそれが強いと判断されたときにされます。自首という形で自ら警察に出頭して事件の真相について正直に供述すれば、逃亡や証拠隠滅のおそれは低いと判断されやすくなり、逮捕の可能性が下がります。
持続化給付金詐欺で自首して実名報道を回避する
持続化給付金詐欺は社会的に注目を集めている犯罪です。だましとられた給付金の原資は国民の税金であり、同様の事態が生じないように広く社会に注意喚起する必要もあります。
そのような事情があるため、持続化給付金詐欺で逮捕されれば実名報道される可能性が十分にあります。
逮捕されても通常は警察から職場や学校に連絡はいきませんが、実名報道されてしまうと、職場や学校にばれてしまい、退学や解雇になる可能性が高くなります。
警察に自首して在宅事件として捜査されれば、有名人でもない限り、実名報道されることはありません。そのため周囲に秘密にしておくことも可能です。
持続化給付金詐欺で自首して起訴を回避する
持続化給付金詐欺はまだ摘発されていないケースも含めると多数に上ります。捜査機関の処理能力の観点から、全てのケースを徹底的に捜査し、起訴することは現実的ではないと思われます。
だからといって、警察が認知した一部のケースだけ起訴するようなことになれば、権力を恣意的に行使しているとの批判を招くおそれがあり、公平の理念(憲法14条)にも反します。
そのため、捜査機関としては起訴にあたって、どこかで線引きをしてくると思われます。
このような観点から、自首をした上で返金の手続きをとれば、不起訴を回避できる可能性が高くなるといえるでしょう。
持続化給付金詐欺-自首が先か返金が先か?
持続化給付金の不正受給が問題となっているなか、経済産業省の梶山弘志大臣は、「中小企業庁が調査を開始する前に不正受給を自主的に申告して返還すれば、3%の延滞金と20%の加算金を免除する。」旨アナウンスしています。
しかし、行政官庁への返金手続と刑事手続は別個の手続であり、返金したからといって、刑事事件として立件されないことが保障されるわけではありません。
また、自首よりも中小企業庁への返金手続を先行させた場合、中小企業庁から捜査機関に告発されたり、何らかの情報提供が行われる可能性があります。
警察に出頭しても、その時点で被疑者として特定されていれば、自首は成立しません。そのため、まずは警察に出頭してから所定の返金手続を行った方がよいでしょう。
持続化給付金詐欺で自首するのはどの警察署?
自首する警察署としては、持続化給付金を所管する中小企業庁の住所地(東京都千代田区霞が関1丁目3−1)を管轄する丸の内警察署が考えられます。
ただ、全国にいる持続化給付金詐欺の被疑者が丸の内警察署に出頭すると対応しきれなくなるという理由で、丸の内警察署に出頭を打診しても断られることが多いです。
他に候補となる警察署としては、給付金のオンライン申請をした場所や指南役に源泉徴収票等を渡した場所を管轄する警察署も考えられますが、自宅の住所地を管轄する警察署に出頭するのが無難でしょう。
弁護士が自首に同行する場合は、事前に警察と連絡をとりあって出頭する警察署や日時を調整します。
持続化給付金詐欺で自首する際に持参する物
持続化給付金詐欺で自首する際には以下の書類を持参します。
①運転免許証
②指南役に渡した源泉徴収票等の写し
③指南役からもらった確定申告書等
④指南役とのやりとりに使用したスマートフォン
⑤持続化給付金事務局から届いた「持続化給付金の振込みのお知らせ」ハガキ
⑥持続化給付金が振り込まれた預金口座の通帳
⑦受給後に自治体から届いた住民税の通知書
③の書類は指紋がつかないようにクリアファイルに入れて保管しておいてください。弁護士が自首に同行する場合は、弁護士が手袋をつけてコピーします。
弁護士が自首に同行する場合、弁護士が上申書を作成して、これらの書類と共に警察に提出します。
持続化給付金で自首した後の流れ
自首した当日に取調べを受け、自首調書を作成します。その後、警察が中小企業庁などの関係機関に捜査関係事項照会をして申請データ等を取り寄せます。
照会が終了した後に警察署から呼出しがあり、取調べを受けたり、指南役とやり取りした現場を案内して当時の状況を捜査員に説明します(引き当たり捜査)。末端で1回協力しただけであれば、自首すれば逮捕される可能性は低いです。
その後、書類送検され検察官が起訴するか不起訴にするかを決めることになります。
持続化給付金詐欺で自首するときの弁護士費用
ウェルネス法律事務所では弁護士が持続化給付金詐欺の自首同行サポートをしております。自首同行の費用は20万円(税別)です。
*東京、埼玉、千葉、神奈川以外の地域の警察署に出頭する場合は、事務所からの距離に応じて追加料金が発生します。
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