告訴について

 

告訴とは

告訴とは、被害者等が、検察官や司法警察員に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示です。

 

「犯人の処罰を求める」という点で、単に被害を受けた事実を報告するだけの被害届と異なります。

 

告訴にあたって、犯罪事実を特定する必要はありますが、犯人を特定する必要はありません。犯罪事実についても、<どのような犯罪によってどのような被害を受けたのか>が特定されていればよく、日時や場所・犯行状況等を詳細に特定する必要はありません。

 

 

告訴できる人

告訴できるのは原則として被害者のみです。

 

(例外)

被害者が未成年のときは、親権を有する父や母も告訴することができます。父と母は各自単独で告訴することができますし、被害者本人の意思に反しても告訴することができます。

 

殺人事件などで被害者が死亡したときは、被害者の遺族も告訴することができます。告訴できる遺族は、被害者の配偶者、直系の親族(祖父母、親、子、孫など)、兄弟姉妹です。

 

 

告訴の仕方

ほとんどのケースでは、告訴は、警察署長に告訴状を提出することによってなされます。告訴状には、告訴人の署名・捺印がありますが、実際に告訴状の文面を作っているのは警察官です。

 

警察官が、被害者の話を聞きながら、パソコンで告訴状を作成し、被害者に内容を確認してもらった上で、署名・捺印させます。

 

告訴状には、①告訴人、②(判明していれば)被告訴人、③告訴罪名、④告訴事実(=犯罪事実の概要)が記載され、最後に、「被告訴人を○○罪で告訴し、同人の厳重な処罰を求めます」等と付記されます。

 

告訴状の文面を警察が作成する以上、告訴するにあたって警察の判断が大きな比重を占めます。警察で、事件の筋や証拠の状況、捜査の負担度などを総合的に判断し、捜査すべきと判断したものに限り、告訴状を作成します。

 

警察の方で、捜査の必要性が低いと判断されれば、何だかんだと理由をつけて告訴状を作成してくれません。体よく帰されてしまいます。性的トラブルの被害者で、警察に告訴すれば、すぐに相手を逮捕してもらえると思っている方も少なくありませんが、実際にはそうならないケースの方が多いです。

 

 

告訴に伴う検察官の義務

検察官は、告訴があった事件について次のような措置をとらないといけません。

 

①事件について起訴、不起訴などの処分を下したときは、どのような処分をしたのかを、速やかに告訴人に通知する。

 

②告訴のあった事件を不起訴処分にしたときは、告訴人から希望があれば、不起訴にした理由を説明する。

 

不起訴となった場合、告訴人は、検察官の説明に納得できなければ、検察審査会に申し立てをし、不起訴処分が相当といえるのか審査してもらうことができます。

 

 

虚偽の告訴をしたとき

人に刑罰を受けさせるために、虚偽だと分かった上であえて告訴をしたときは、虚偽告訴罪となります。刑罰は懲役3か月から10年です。

 

虚偽告訴された人が起訴されて無罪になれば、告訴人は、訴訟費用を負担するよう命じられることがあります。虚偽だと知らなかった場合でも、告訴人に重大な過失があれば訴訟費用の負担を命じられることがあります。

 

 

告訴の取消し

(1)取消しの期間

告訴を取り消すことができるのは起訴前に限られます。起訴後は告訴を取り消すことはできません。いったん裁判手続が始まった以上は、被害者の意思によって手続きを左右させるべきではないからです。

 

 

(2)取消しできる人

告訴を取り消すことができるのは告訴した本人だけです。例えば、未成年者が告訴した場合、親がその告訴を取り消すことはできません。もっとも、「本人の代理人」としてであれば取消し可能です。

 

 

(3)取消しの仕方

弁護士があらかじめ告訴取消書を作って、被害者に署名・捺印してもらい、警察署長または担当検察官に提出することが多いです。

 

 

親告罪

(1)親告罪とは

親告罪とは告訴がなければ起訴できない犯罪のことです。被害者の意思を特に尊重する必要がある犯罪に限って親告罪とされています。

 

 

(2)親告罪の例

器物損壊、名誉棄損、親族間の窃盗、過失傷害、著作権法違反

 

 

(3)親告罪の告訴期間

親告罪については、犯人を知った日から6か月を経過すると告訴することができなくなります。6か月が経過した後になされた告訴は無効です。

 

 

(4)親告罪の告訴と逮捕

親告罪で告訴されたからといって必ず逮捕されるわけではありません。逆に告訴されていなくても逮捕されることもあります。親告罪の告訴は、起訴の要件であって逮捕の要件ではないからです。

 

 

(5)親告罪と不起訴

被害者との間で示談が成立し、告訴を取り消してもらえれば、確実に不起訴となります。

 

検察官の取調べの前に、示談書と告訴取消書を検察官に提出しておけば、通常、被疑者の取調べを実施することなく、速やかに不起訴処分となります。

 

いったん起訴されると告訴を取り消すことができなくなるので、起訴前に示談することが大切です。逮捕・勾留された事件については、逮捕されてから起訴されるまで約3週間しかありません。弁護士が迅速に動く必要があります。

 

 

【関連ページ】

示談の相談は弁護士へ

被害届について 

 

刑事事件の法律相談24時間受付

03-5577-3613

お問い合わせ

オーダーメイドの法律事務所

ウェルネス法律事務所

【大きい地図を見る】