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最高裁の上告棄却決定に対する異議申し立てとは?弁護士がわかりやすく解説
森友学園をめぐる補助金詐欺事件で、2023年1月、籠池夫妻に実刑を言い渡した大阪高裁の判決を支持する最高裁の上告棄却決定が出されました。
籠池夫妻はこの決定に対して、異議申立てを行ったと報道されています。
このページでは、上告棄却決定に対する異議申し立てについて、弁護士 楠 洋一郎が解説しています。
上告棄却決定とは?
上告棄却決定とは、最高裁が、「明らかに上告申立ての理由がない」と判断したときに出す決定です。上告申立ての理由は刑事訴訟法405条に定められています。
【刑事訴訟法】
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このように上告申立ての理由は、憲法違反や最高裁判例との相反等に限られており、相当に狭き門になっています。
最高裁は最終的な判断をする裁判所ですから、上告棄却決定が出れば裁判は即終了で、もはや争えないようにも思えます。
しかし、判例で、決定の内容に誤りがあることを発見した場合に限って異議の申し立てをすることが認められています。これが上告棄却決定に対する異議申し立てです。
上告棄却決定に対する異議申し立てができる期間は?
最高裁の上告棄却決定に対して異議申し立てができるのは3日間です。
3日間のスタートになるのは「上告棄却決定が被告人に郵送で届いた日の翌日」です。上告棄却決定は「特別送達」という特別な郵便で被告人のもとに届きますので、いつ届いたのかは裁判所にわかるようになっています。
届いた日の翌日から異議を申し立てずに3日が経過すると、原判決が確定します。
上告棄却決定に対する異議申し立ては認められる?
上告棄却決定の内容に誤りがあることを発見した場合は異議申し立てをすることができますが、実際に申し立てをしてもそれが認められることはまずありません。
認められる確率は1%よりもずっと低いです。
上告棄却決定に対する異議申し立ての流れは?
上告棄却決定に対する異議申し立てをすると、ほとんどのケースで、1、2週間で最高裁から上告棄却決定書が被告人と弁護人に送達されます。上告棄却決定書は以下のような定型文になっています。
【上告棄却決定】 上記の者に対する〇〇被告事件について、令和〇年〇月〇日に当裁判所がした上告棄却の決定に対し、被告人から異議の申立てがあったが、この申立ては理由がないので、当裁判所は、刑訴法414条、386条2項、385条2項、426条1項により、裁判官全員一致の意見で次のとおり決定する。 |
上告棄却決定書が被告人に送達された時点で原判決が確定します。
上告棄却決定に対する異議申し立てをする理由は?
最高裁の上告棄却決定に対して異議申し立てをしても、認められる可能性は限りなく低いです。それではなぜ異議申し立てをするのでしょうか?よくある異議申し立ての理由は次の2つです。
1.保釈期間を延ばしたい
上告棄却決定に対して異議申し立てをする理由は、保釈されている期間をできるだけ長くするためです。最高裁から上告棄棄却決定が出され原判決が確定すれば、いよいよ収監の手続に入ります。
ただ、異議申立てをすると、決定書が被告人に送達されるまで1、2週間かかるので、それだけ保釈されている期間を引き延ばすことができるのです。
保釈されている期間を1日でも延ばすため、東京都内の弁護士であれば、上告棄却決定に対する異議申し立て書は、3日の申立て期間の最終日に最高裁に出しに行くことが多いです。
2.弁当切りしたい
執行猶予中に再犯をしてしまった場合、猶予期間中に再犯の実刑判決が確定し、前の執行猶予が取り消されると、前の実刑と再犯の実刑を合わせた期間、刑務所に収容されます。
再犯の判決が確定する前に執行猶予が終われば(弁当切り)、執行猶予が取り消されることがなくなるので、再犯の実刑についてのみ服役することになります。
弁当切りをするために、最高裁に異議申立てをして判決の確定を遅らせることがあります。
ただ、猶予期間の満了が迫っている場合は、最高裁も通常よりスピーディに棄却決定を出しますので、弁当切りは容易ではありません。
3.死刑判決の確定を延ばしたい
死刑判決が確定すると、被告人にとっては巨大な精神的プレッシャーになります。
そのため、「1日でも死刑判決の確定を遅らせたい」と希望して、上告棄却決定に対して異議申し立てをすることが少なくありません。
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