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勾留通知とは?家族が勾留通知を受けたら弁護士へ相談しよう!

このページは弁護士 楠 洋一郎が作成しています。

 

 

 

勾留通知とは?

勾留通知とは、被疑者・被告人を勾留したときに、裁判所が一定の者に勾留したことを通知する制度のことです。

 

 

【刑事訴訟法】

第79条 被告人を勾留したときは、直ちに弁護人にその旨を通知しなければならない。被告人に弁護人がないときは、被告人の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹のうち被告人の指定する者一人にその旨を通知しなければならない。

*上記は被告人についての条文ですが、被疑者にも準用されています。

 

 

勾留通知は誰に対して行う?

1.弁護人が最優先

被疑者・被告人に弁護人がいる場合は、弁護人に対して勾留通知をしなければなりません。勾留通知により弁護人は被疑者が勾留されたことを把握することができ、釈放や不起訴に向け弁護活動を始めることができます。

 

 

このように勾留通知は弁護活動の起点になる重要な制度ですので、たとえ被疑者・被告人が「通知しなくていい」と言った場合でも、裁判所は通知する義務があります。

 

 

【勾留通知に関するニュース】

2024年2月、奈良地裁で被疑者が弁護人に勾留通知をしなくていいと言ったため、裁判所書記官は通知不要と勘違いして通知しませんでした。その後、弁護人からの問い合わせを受けて勾留が決定した日の2日後に通知しました。弁護人は奈良地裁が勾留通知を2日怠り弁護活動に支障が出たとして1万円の国家賠償を請求し、全額認められました。

 

 

2.弁護人がいない場合

弁護人がいない場合は、被疑者・被告人の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹のうち被疑者・被告人の指定する者一人に勾留通知をしなければなりません。

 

 

被疑者・被告人が通知を希望しない場合は通知する必要はありません。この点が弁護人に対する通知との違いです。

 

 

3.家族等もいない場合

上記2に列挙した家族等もいない場合は、被疑者・被告人の指定する者1人に勾留通知をしなければなりません。

 

 

勾留通知のタイミングや方法は?

勾留通知は逮捕した被疑者を勾留した直後に裁判所書記官が電話でするのが通常です。勾留された被疑者がそのまま起訴された場合は、起訴後勾留に移行しますが、改めて勾留通知は行われません。

 

 

被疑者・被告人が通知を希望した者の電話番号を覚えておらず、かつ、事件の記録にも記載されていない場合は、電話することはできません。その場合、裁判所から別の者に通知するよう促されます。

 

 

勾留通知で何がわかる?

勾留通知で教えてくれることは以下の4つです。

 

 

①被疑者・被告人の氏名

②勾留した日

③勾留の期間

④留置されている警察署

 

 

②の勾留の期間については、「本日より10日間」(東京以外のほとんどの地域)または「昨日より10日間」(東京)と言われることが多いです。どのような容疑で勾留されたかまでは通常教えてくれませんが、犯罪名だけであれば教えてくれることもあります。

 

 

勾留通知がきた!詐欺じゃないのか?確かめ方は?

近年、いきなり電話をかけてきて、家族や親族がトラブルに巻き込まれたので助けるためにはお金が必要などと言って多額の金銭を騙しとる詐欺が横行しています。

 

 

そのため、裁判所から勾留通知がきた場合、「詐欺ではないか?」と疑う人もいるでしょう。勾留通知は裁判所の固定電話からかかってきますので、不安な場合は折り返し電話して確認してみてください。勾留したと言われた家族に直接電話するのもよいでしょう。

 

 

裁判所からの電話は土日や祝日は発信専用になっていて、こちらから折り返し電話してもつながらないことがあります。

 

 

その場合は電話で教えられた留置先の警察署に電話し、受付の方に「留置管理課にお回しください」と言ってください。そして電話に出た職員に「裁判所から勾留通知があり家族がこの警察署にいると伺いましたが、本当でしょうか?」と確認してみてください。

 

 

家族に勾留通知があったらどうする?

家族に勾留通知がきたということは、その時点で被疑者が勾留され弁護人が選任されていないということを意味します。

 

 

勾留されれば原則10日、勾留が延長された場合は最長20日にわたって身柄拘束されます。かなりの長期間になるため会社や学校に発覚するリスクが大きくなります。

 

 

早期釈放や不起訴に持ち込むために一刻も早く弁護士に依頼して動いてもらいましょう。

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