【クレプトマニア】前科がある高齢女性の万引き事件で執行猶予を獲得した事例

⚖️ 解決事例:クレプトマニア(窃盗症)前科あり

【クレプトマニア】前科がある高齢女性の万引き事件で執行猶予を獲得した事例

事案の概要

ご本人(70代女性・無職)がスーパーで食料品を万引きしたところ、私服警備員に見つかり現行犯逮捕されました。ご本人には窃盗癖があり、万引き事犯の前歴が3件、罰金前科が1件あり、ご家族もクレプトマニアではないかと考えていました。


弁護活動の結果

🎉 懲役10月・執行猶予2年

弁護活動の内容

逮捕されると48時間以内に検察庁に連行され、検察官の取調べを受けます。ウェルネスの弁護士が受任した当日、ご本人は検察庁に連行されていました。

弁護士は検察庁でも接見できることから、ウェルネスの弁護士が検察庁でご本人と初回接見し、これから始まる検察官の取調べにどのように対応すればよいかをわかりやすくアドバイスしました。その結果、ご本人は勾留請求されずその日に釈放されました。

弁護士がスーパーの店長と示談交渉をしましたが、「会社の方針で示談は受けていない」とのことで、示談をすることはできませんでした。そこで、反省の気持ちを形にするため、弁護士会に10万円を贖罪寄付しました。

ご本人にはクレプトマニア(窃盗症)の治療を手掛けているクリニックに通院してもらいました。また、再犯防止のために、ご本人の娘様に監督してもらうこととし、監督プラン(可能な限り買い物に付き添うこと、付き添えなかった場合はレシートの提出を義務付け部屋にある商品と突合すること、クリニックへの通院に付き添うこと等)を記載した陳述書を作成してもらいました。

ご本人には窃盗の罰金前科があったことから起訴(公判請求)されました。ご本人は万引きをした瞬間のことは覚えておらず故意や責任能力について争う余地もありましたが、「裁判を長引かせたくない」と希望されたため、故意や責任能力について争いませんでした。

ご本人は高齢で認知症の徴候もあったことから、医師に相談したところ、「窃盗症や認知症が本件犯行に影響を与えた可能性がある」と診断されました。

裁判では医師の診断書を証拠として提出したり、ご家族が情状証人として出廷し、ご本人をどのように監督していくかを証言してもらいました。このような活動の結果、検察官の求刑を下回る執行猶予判決となりました。

👨‍⚖️ 弁護士のコメント

執行猶予が付く場合は、懲役刑(拘禁刑)の期間は検察官の求刑通りとなるのが通常ですが、この事件では求刑(懲役1年)よりも短くなりました。

被告人がクレプトマニアであることを認定した上で、故意や責任能力を否定し無罪とした判決はこれまで1件も出ていません。無罪を主張すると裁判が長期化するというデメリットもあります。
このケースのように、クリニックへの通院状況を公判で出たり、医師の診断書を提出することにより執行猶予を目指すアプローチが現実的です。

 

 

PROFILE
【この記事の作成者】弁護士 楠 洋一郎(第二東京弁護士会所属 / 第39896号)
【事務所名:ウェルネス法律事務所】

刑事事件の弁護士経験15年以上。これまで約3000件の刑事事件を取り扱い、クレプトマニアの刑事裁判では再度の執行猶予を4件獲得しています。
クレプトマニアの豊富な実務経験に基づき解説しています。

ウェルネス法律事務所では、クレプトマニア(窃盗症)や万引き再犯でお悩みの方へ向けて、豊富な弁護実績と詳細な解説情報を公開しております。ぜひあわせてご覧ください。