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裁判員裁判の弁護士の選び方
このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。
裁判員裁判の弁護士に求められるもの
従来型の裁判では、供述調書などの証拠書類が重視されており、裁判官は、期日が終わった後に、自分の執務室で書類を読んで心証を形成していました。
一方、裁判員裁判では、裁判官も裁判員も、法廷で実際に見聞きしたことに基づいて心証を形成します。そのため、弁護士は、裁判官や裁判員の目の前で、主張や立証活動をしなければいけません。
そこで、裁判員裁判を担当する弁護士には高度のプレゼンテーション能力が求められます。
裁判員裁判では弁護士より検察官のプレゼンテーションが高く評価されている
裁判員裁判の経験者のうち、検察官の説明がわかりやすいと評価した人は約6割であったのに対して、弁護士の説明をわかりやすいと評価した人は約3割にとどまっています(平成24年度裁判員等経験者によるアンケート調査結果報告書 by 最高裁判所)。
人は理解できないものに対して、無意識のうちにマイナスのイメージを抱きます。裁判員が弁護士の言っていることを理解できなければ、弁護士や被告人の主張全般に対して疑問を抱くようになるかもしれません。
どれだけ刑事弁護の知識や経験があったとしても、難しい言葉を使ったり、早口で一方的に話す弁護士は、裁判員裁判では苦戦することになるでしょう。
弁護士のプレゼンテーション能力はどのようにして判別する?
裁判員裁判対象事件の弁護士を選ぶ際には、刑事弁護の経験や実績はもちろんですが、それらに加えて、プレゼンテーション能力も重視すべきです。従来型裁判の経験がどれほど豊富な弁護士であっても、裁判員裁判において、高度のプレゼンテーションを駆使した弁護活動を行えるとは限りません。
では、弁護士のプレゼンテーション能力はどのようにして判別すればよいのでしょうか?
それは、法律事務所で実際に弁護士から話を聞くことです。裁判員は皆さんと同じ一般市民です。皆さん自身が、目の前にいる弁護士の言っていることをよく理解できないようなら、裁判員も同様の印象を抱くでしょう。
ぜひ「わかりやすく説明できる弁護士」、「ポイントを押さえて説明できる弁護士」を選ぶようにしてください。
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