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線路立ち入りや置き石はどんな犯罪に?弁護士がわかりやすく解説

線路立ち入りや置き石について

 

線路に立ち入ったり置き石をすることは、たとえいたずらのつもりでも、れっきとした犯罪です。刑事事件として捜査され、悪質なケースでは逮捕されることもあります。

 

 

最近も共産党の参議院議員が秩父に鉄道写真を撮りに行った際、線路を横断したとして報道されました。

 

 

このページでは、線路への立ち入りや置き石等の犯罪について弁護士 楠 洋一郎が解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

線路立ち入り

1.新幹線以外の線路

鉄道写真を趣味としている「撮り鉄」と呼ばれる人たちが線路へ立ち入るケースが問題となっています。線路に立ち入ると鉄道営業法違反という犯罪になります。

 

 

【鉄道営業法37条】

停車場其ノ他鉄道地内ニ妄ニ立入リタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス

 

 

鉄道営業法はもともと明治時代に制定された法律です、当時の物価水準を反映して科料は10円以下となっています。

 

 

現在では「罰金等臨時措置法」という法律によって、1000円以上1万円未満に修正されていますが、それでも低額であることは否めず、抑止効果がないと批判されています。

 

 

刑罰としては非常に軽いですが、科料であっても前科になりますので注意が必要です。

 

 

2.新幹線の線路

新幹線の線路に立ち入った場合は新幹線特例法違反という犯罪になります。新幹線の線路に侵入する行為は、一般の線路に侵入する行為よりも危険性が高いため、刑罰が重くなっています。「罰金」は科料と同じ財産刑ですが、金額は科料よりも高くなります。

 

 

【新幹線特例法3条】

次の各号の一に該当する者は、1年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。

1 ~略~

2 新幹線鉄道の線路内にみだりに立ち入った者

 

 

3.不起訴の余地は十分にある

不起訴になるか否かは、線路に立ち入った目的、立ち入った場所の状況、立ち入りの時間、電車の運行に与えた影響(緊急停車の有無)などによって変わってきます。

 

 

電車の運行に影響を与えていないごく短時間の立ち入りであれば、検察官に反省文を提出したり、贖罪寄付を行うことによって、不起訴となる余地は十分にあります。

贖罪寄付とは?金額・タイミング・方法について

 

 

線路に立ち入って書類送検された参議院議員も不起訴処分になったと報道されています。このケースでは、住民が日常的に使っていた勝手踏切をごく短時間横切っただけで、電車の運行に影響が生じていないことが考慮されたと思われます。

 

線路への置き石

1.往来危険罪

線路に置き石をすると、電車の往来に危険を生じさせたとして、往来危険罪が成立します。刑罰は2年以上の懲役です。罰金はありませんので、起訴されれば公開法廷で審理されることになります。

 

 

【刑法125条:往来危険罪】

鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、2年以上の有期懲役に処する。

 

 

いったん線路に置き石をすれば、その時点で往来危険罪は既遂になります。電車が通過する前に線路から取り除いたとしても、未遂にとどまるわけではありません。

 

 

置き石によって、電車が転覆したり破壊された場合は、無期懲役または懲役3年~20年となります。

 

 

2.威力業務妨害罪が成立することも

線路に置き石をして電車を緊急停止させた場合は、電車の正常な運行を妨害したとして、往来危険罪に加え、威力業務妨害罪も成立します。刑罰は往来危険罪より重く、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

 

 

【刑法234条:威力業務妨害罪】

威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による(3年以下の懲役又は50万円以下の罰金)。

 

 

3.往来危険罪と不起訴

往来危険罪は鉄道会社を保護するというよりも、広く鉄道交通の安全を保護している犯罪ですので、鉄道会社と示談したからといって不起訴に直結するわけではありません。

 

 

そのため、起訴猶予で不起訴になるのは、電車が通過する前に置き石を線路から除去し実害が発生していない場合など、軽微なケースに限られるといえるでしょう。

 

 

4.往来危険罪+威力業務妨害罪と執行猶予

往来危険罪と威力業務妨害罪で起訴された場合、執行猶予か実刑かは主として以下の事情によって判断されます。

 

 

【執行猶予か否かの判断要素】

①置き石等が電車に衝突したときの状況(危険性)

②電車が緊急停止した時間

③緊急停止した電車の中にいた乗客の数

④緊急停止した電車が遅延した時間

⑤遅延の影響を受けた電車の本数や乗客数

⑥示談や被害弁償の状況

⑦前科の有無

⑧家族の監督

 

 

最も重要な要素は①になりますが、今日では交通安全システムの発達により、置き石で鉄道交通に重大な危険が生じることはまれです。そのため、前科がなければ、執行猶予になる可能性が高いです。同種前科があったり、執行猶予中であれば実刑になる可能性が高いです。

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