検察官事務取扱検察事務官とは?仕事の内容や収入など

検察官事務取扱検察事務官

 

このページは弁護士 楠 洋一郎の監修のもと、元検察官が作成しています。

 

 

検察内部では、検察官事務取扱検察事務官は、「検取」(けんとり)または「検取事務官」(けんとりじむかん)と呼ばれることが多いです。

 

 

このページでは見出しを除き、検察官事務取扱検察事務官のことを「検取事務官」と表記しています。

 

 

検察官事務検察事務官とは

検察官事務取扱検察官とは、検察庁法に基づき、法務大臣から「検察官事務取扱」の辞令を受けた検察事務官のことです。

 

【検察庁法36条】

法務大臣は、当分の間、検察官が足りないため必要と認めるときは、区検察庁の検察事務官にその庁の検察官の事務を取り扱わせることができる。

 

 

検察官事務取扱検察事務官の採用

検取事務官になるためには、検察事務官に任官されていることが前提となります。検察事務官になるためには、国家公務員の一般職試験に合格した上で、最高検察庁、各高等検察庁、各地方検察庁単位での採用面談を経て採用される必要があります。

 

 

検察事務官として採用された年齢や試験区分によって違いはありますが、検取事務官になるためには、検察事務官として少なくとも7年から10年程度の勤務経験が必要です。

 

 

検察官事務取扱検察事務官の仕事 

検取事務官は区検察庁に所属しています。そのため、簡易裁判所に対応する事件であれば、検察官として自ら捜査したり、警察の捜査を指揮することができます。

 

 

また、事件の処分として公判請求、略式命令請求、不起訴処分をし、公判請求した事件については公判立会をすることもできます。

 

 

このように、検取事務官は、検事や副検事と同じく、刑事事件の処理に関しては、独任制の官庁になります。

 

【検事・副検事との違い】

検事や副検事には、仕事をアシストしてくれる立会事務官がついて一緒に仕事をしています。しかし、検取事務官には立会事務官はいませんので、事件の捜査や細かい事務作業についても全て1人でこなさなければなりません。そのため、相当の激務になります。

 

2012年に千葉県弁護士会、そして、2013に日本弁護士連合会が法務大臣と検事総長に対して「検察官事務取扱検察事務官制度の廃止を求める意見書」を提出しており、検取事務官制度の廃止を求める声もあります。

 

 

しかし、検察庁内部では、検取事務官は重要な戦力として位置づけられています。

 

 

特に近年、検察庁は、裁判員裁判事件の公判に力を注いでおり、検事が数多くの裁判員事件を担当する一方で、これまで検事が行っていた捜査を副検事が、副検事が行っていた捜査を検取事務官が担当する傾向があります。

 

 

そのため、検事、副検事だけでは、交通違反や万引き等の軽微な事件まで手が回らないのが実情であり、検取事務官の存在は重要とされています。

 

検察官事務取扱検察事務官の転勤

検取事務官の転勤には次の2つのケースがあります。

 

 

①出世コースの検取事務官が、自分の所属する高等検察庁管内の他の地方検察庁管内の区検察庁に異動するもので、引っ越しを伴う異動です。

 

 

②自分の所属する地方検察庁管内の他の区検察庁に異動するものです。この場合、所属する地方検察庁によりますが、自宅から通勤可能なケースと転居を伴うケースがあります。

 

 

いずれにせよ、検事と異なり、東京地検→大阪地検といったような、高等検察庁の管轄区域を超える異動はありません。

 

検察官事務取扱検察事務官の収入

検取事務官になると人事院規則上の手当がつくため、普通の検察事務官よりも給料が高くなり、 30代の検取事務官の月給は、手取りで30万円~40万円です。

 

 

幅があるのは、検事、副検事と同じく勤務地によって「調整手当」に差があるからです。

 

 

例えば、東京地検管内の勤務の場合、本俸の18パーセントの調整手当が加算されますが、地方の検察庁では調整手当がゼロのところもあるため、給料にも地域格差があるのです。

 

 

この「本俸+調整手当」はボーナスの計算にも適用されます。

 

検察官事務取扱検察事務官の退職後の生活

定年退職後は、再任用を受けて検察庁で働く人、司法書士や行政書士になる人もいるそうですが、検取事務官は相当激務であり、ほとんどの人は、法律とは関係のない余生を過ごすそうです。

 

 

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