執行猶予中の生活で気をつけるべき7つのこと

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

1.依存に注意

執行猶予中に刑事事件を起こして起訴されると実刑判決を下される可能性が非常に高くなります。

 

執行猶予中の再犯でとりわけ多いのが、薬物犯罪、性犯罪、万引きです。薬物依存症や性依存症、クレプトマニアの方は、頭の中で「絶対に罪を犯さない。」と強く決意していても、自分の衝動をコントロールできないことがあります。専門の治療機関に通院したり、自助グループに通った方がよいでしょう。

 

依存症の方は人間関係や仕事でストレスを抱えているときに再犯に走る傾向があるので、精神的に負荷がかかったときに、再犯のリスクをどのように抑えるのかあらかじめ決めておいた方がよいです。

 

2.車に注意

依存症のケースに次いで多いのが、人身事故や無免許運転など自動車絡みの犯罪で執行猶予中に、再び人身事故や無免許運転を犯して実刑になるケースです。自動車絡みの犯罪で執行猶予中の方は、車の運転はなるべく控えた方がよいでしょう。

 

3.飲酒に注意

酒に酔って痴漢などの性犯罪を起こし執行猶予中の方が、再び飲酒して性犯罪を起こすケースが少なくありません。お酒は性犯罪だけでなく、暴力犯罪や交通犯罪なども誘発します。飲酒絡みの犯罪で執行猶予中の方は、外での飲酒は控えた方がよいでしょう。

 

4.治療中止は慎重に

以前に性犯罪や薬物犯罪、万引きをして執行猶予になった方の中には、裁判中、専門の医療機関に通院したり、カウンセリングを受けていた方もいるでしょう。

 

このような方々の中には、執行猶予になった時点で、通院をやめてしまう方が少なくありません。安易に「もう大丈夫だろう」と考えるのは禁物です。通院をやめるか否かは医師やカウンセラーに相談し、慎重に判断するようにしてください。

 

5.パスポートの申請に注意

執行猶予中にパスポートを申請する場合は、申請書に「執行猶予の処分を受けていますか」という質問がありますので、「はい」の欄にチェックしてください。

 

その結果、渡航事情説明書や判決謄本を提出することが必要になり、場合によってはパスポートが発行されないことや、発行されても渡航先や期間が限定されることがあります。

 

「執行猶予の処分を受けていますか」という質問に対して、「いいえ」の欄にチェックをしてパスポートを取得すると、旅券法違反で逮捕・起訴されることがあります。

 

【旅券法23条】

次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

① この法律に基づく申請又は請求に関する書類に虚偽の記載をすることその他不正の行為によって当該申請又は請求に係る旅券又は渡航書の交付を受けた者

 

6.資格の欠格要件に該当しないか調べておく

執行猶予中の場合、資格試験に合格しても登録できない等の制限がかかってくるケースが多いです。資格の取得を目指している場合は、執行猶予中であることが欠格要件に該当しないか、調べておくとよいでしょう。

 

よくわからない場合は以前お世話になった弁護士に尋ねてください。なお、欠格要件に該当していても、執行猶予期間を無事に経過すれば、資格制限は解除されます。

 

7.保護観察のルールを守る

保護観察中の方は「遵守事項」(じゅんしゅじこう)と言われる保護観察のルールに違反しないように注意してください。ルール違反の程度が重いと執行猶予を取り消されることがあります。

 

遵守事項は保護観察中の方全てに適用される一般的なルールと、特定の方のみに適用される特別のルールがあります。一般的なルールは以下の通りです。

 

① 再犯をすることがないよう健全な生活態度を保持すること

② 保護観察官や保護司から呼び出されたり、訪問を受けたときは、面接を受けること

③ 保護観察官や保護司から生活状況について尋ねられたときは、きちんと報告し、必要な場合は資料を提出すること

④ 速やかに住居を定め、保護観察所の長に届出をすること

⑤ 届け出た住居に居住すること

⑥ 引っ越しや7日以上の旅行をするときは保護観察所の長の許可を得ること

 

①のように抽象的なものも含め保護観察のルールは多岐にわたりますが、要は「保護司の指示には従いましょう」ということです。

 

執行猶予期間が過ぎても安心は禁物

執行猶予期間が過ぎたら実刑判決にならないというわけではありません。確かに、猶予期間が満了してから10年以上たっていれば、再び刑事事件を起こして起訴されても、判決にはほとんど影響してこないでしょう。

 

ただ、猶予期間が満了して1,2年後に再犯をしたのであれば、実刑判決になる可能性はかなり高いです。執行猶予期間がすぎたことは一つの区切りにはなりますが、安易に「もう大丈夫」等と思わない方がよいでしょう。

 

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