覚せい剤事件のご質問

Q1-1:私は覚せい剤を自宅で保管しています。先日、自宅前の道路上に黒い車が止まっており、中にいた人が私の自宅の方をじっと見ていました。警察ではないかと不安でたまりません。もし、警察が自宅を捜索し、覚せい剤が発見されれば、私はどうなりますか?

逮捕される可能性が高いです。

 

 

Q1-2:どのような手順で逮捕されるのでしょうか?

警察が覚せい剤(らしき物)を発見すれば、マルキース試薬、覚せい剤Xチェッカー等を使用して、その場で簡易検査を行います。簡易検査で陽性反応が出れば、覚せい剤取締法違反(所持)の容疑で現行犯逮捕されます。

 

 

Q2:覚せい剤の単純所持と使用で起訴されました。2つの罪で起訴されているので、刑も2倍になるのでしょうか? 

(1)覚せい剤の単純所持と使用は、「併合罪」(刑法45条)として処理されます。この場合、最も重い罪について定めた刑の上限にその半分を加えたものを刑の上限とします(刑法47条)。2つの犯罪の刑が同じときは、どちらか一方の刑の上限にその半分を加えます。

 

(2)覚せい剤の単純所持も使用もどちらも10以下の懲役です(覚せい剤取締法41条の2第1項、同法41条の3第1項1号)。この場合、10年=15年が刑の上限となります。

 

(3)一方、懲役刑の下限はか月です(刑法12条1項)。

 

(4)したがって、覚せい剤の単純所持と使用で有罪となった場合、法定刑の範囲はか月~15年となります。この幅の中で実際にどれくらいの年数になるのか、執行猶予がつくか否かは、前科の有無など個別の事情によって決まります。

 

 

Q3-1:2週間前に覚せい剤を所持していた容疑で逮捕されました。もう覚せい剤からは足を洗いたいので、取調べでは知人に覚せい剤を売っていたことも素直に話しました。やはり、覚せい剤譲渡罪でも再逮捕・起訴されるのでしょうか?

覚せい剤を売っていた相手の自宅などから覚せい剤が押収されれば、覚せい剤譲渡罪で起訴される可能性は十分にあります。

 

一方、相手の自宅等から覚せい剤が押収されなければ、たとえ本人や相手が覚せい剤の取引について自白している場合であっても、覚せい剤譲渡罪で起訴される可能性は低いです。なぜなら、売買された薬物を押収して、それを実際に鑑定しなければ、本当に覚せい剤なのかどうか証明できないからです。もっとも、この場合、麻薬特例法違反*で起訴される可能性は十分にあるでしょう。

 

*正式名称は「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」

 

 

Q3-2:覚せい剤を譲渡した場合に、覚せい剤譲渡罪で起訴された場合と麻薬特例法違反で起訴された場合で何が違うのですか?

法定刑が違います。覚せい剤譲渡罪の法定刑は10年以下の懲役です(覚せい剤取締法41条の2第1項)。営利目的で譲渡した場合は、少なくとも年~20年の懲役です(同条第2項)。これに対して麻薬特例法(譲渡)の法定刑は年以下の懲役または30万円以下の罰金です(麻薬特例法8条2項)。

 

 

Q3-3:なぜ覚せい剤取締法と麻薬特例法で刑が違うのでしょうか?

麻薬特例法では、「薬物犯罪を犯す意思をもって、薬物その他の物品を覚せい剤等の規制薬物として譲り渡した」ことが問題とされています。つまり、覚せい剤譲渡罪と異なり、譲渡の対象は覚せい剤等に限定されておらず、規制の対象となっていない物品まで広く含まれています。そのため、覚せい剤譲渡罪よりも刑が大幅に軽く規定されているのです。

 

 

Q3-4:なぜ本人も相手方も覚せい剤を売買したと認めているのに、覚せい剤取締法違反ではなく、刑の軽い麻薬特例法違反で起訴されるのでしょうか?

本人が捜査段階で自白していても、起訴後に否認に転ずるのはよくあることです。そのような場合、もし覚せい剤の現物が押収されていなければ、売買された物が覚せい剤であることを証明できず、覚せい剤譲渡罪について無罪となる可能性が高くなります。そのため、たとえ当事者双方が自白していても、覚せい剤が押収されていなければ、検察官としても慎重にならざるを得ないのです。

 

 

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